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015. ヒーロー養成ギプス
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「もちろん、お礼はするんだけどなぁ…」
「お礼?
どうせ、にんじんかなんかでしょ?
そんなものいらないわ!」
リンダは足も停めず振り返ることもせず、冷たくそう言い捨てた。
「リンダ…君、こういう話をきいたことない?
夢を実現したければ、出来る限りリアルにその夢をイメージすること…って話。」
ウサギはちょこまかと短い足を動かしながら、必死にリンダに着いて行く…
「その話なら知ってるわよ。
それがどうかした?」
「フィリップは、かなり細かい所まで具体的にイメージされてるよね…
理想の恋人像としては素晴らしいよ。
ここまでイメージ出来てたら、ボクがあと少し力を貸したら…君は現実でフィリップとそっくりな人に巡り合える…なんてことも十分ありうるんだけどなぁ…
残念だなぁ…ボクも君には現実でも幸せになってほしかったんだけど…」
リンダの足が突然停まった。
リンダは何も言わず、まるで時が停まったかのようにその場に固まっていた。
「どうした?」
「……本当に2ヶ月だけ?」
「うん、そうだよ。」
「……ギプスをはずしたら、もとの華奢な身体付きに戻る?」
「戻る、戻る!」
「……現実でも、本当にフィリップみたいな人に出会える?」
「もちろん!!」
「………わかった!やるわ!」
リンダは、捨て置かれたヒーロー養成ギプスの元に走った。
「ありがとう~!!
じゃあ、2ヶ月後にまた来るから頼んだよ!」
そう言い残し、蝶ネクタイのウサギは空気の中にかき消えた。
*
(どうしよう…)
ウサギには約束したものの、リンダはなお迷っていた。
(あぁ~、いやいや!
フィリップが、筋肉隆々のマッチョになるなんて…!
ほんの一瞬でもいやっ!気持ち悪い!
ギプスをはずしたらじき元に戻るなんて言ってたけど、じきっていつ?
何ヶ月も先だったら…いや何年も先だったら…
そんなのいやよ~!!)
リンダはうらめしそうに養成ギプスを睨みつけた。
(確か、あのギプスについた何かで、本当にトレーニングをしたかどうかチェックされるって言ってたわね…
ってことは、ちゃんとトレーニングしたけど筋肉が付かなかった…なんて嘘は通用しないってことなのね…)
リンダは、ギプスを手に取った。
ずしりと重みが伝わって来る。
ギプスは金属製で、ひきの強いバネがたくさん付いている。
これで身体の動きを遮り、筋肉を鍛えるのだろう。
「お礼?
どうせ、にんじんかなんかでしょ?
そんなものいらないわ!」
リンダは足も停めず振り返ることもせず、冷たくそう言い捨てた。
「リンダ…君、こういう話をきいたことない?
夢を実現したければ、出来る限りリアルにその夢をイメージすること…って話。」
ウサギはちょこまかと短い足を動かしながら、必死にリンダに着いて行く…
「その話なら知ってるわよ。
それがどうかした?」
「フィリップは、かなり細かい所まで具体的にイメージされてるよね…
理想の恋人像としては素晴らしいよ。
ここまでイメージ出来てたら、ボクがあと少し力を貸したら…君は現実でフィリップとそっくりな人に巡り合える…なんてことも十分ありうるんだけどなぁ…
残念だなぁ…ボクも君には現実でも幸せになってほしかったんだけど…」
リンダの足が突然停まった。
リンダは何も言わず、まるで時が停まったかのようにその場に固まっていた。
「どうした?」
「……本当に2ヶ月だけ?」
「うん、そうだよ。」
「……ギプスをはずしたら、もとの華奢な身体付きに戻る?」
「戻る、戻る!」
「……現実でも、本当にフィリップみたいな人に出会える?」
「もちろん!!」
「………わかった!やるわ!」
リンダは、捨て置かれたヒーロー養成ギプスの元に走った。
「ありがとう~!!
じゃあ、2ヶ月後にまた来るから頼んだよ!」
そう言い残し、蝶ネクタイのウサギは空気の中にかき消えた。
*
(どうしよう…)
ウサギには約束したものの、リンダはなお迷っていた。
(あぁ~、いやいや!
フィリップが、筋肉隆々のマッチョになるなんて…!
ほんの一瞬でもいやっ!気持ち悪い!
ギプスをはずしたらじき元に戻るなんて言ってたけど、じきっていつ?
何ヶ月も先だったら…いや何年も先だったら…
そんなのいやよ~!!)
リンダはうらめしそうに養成ギプスを睨みつけた。
(確か、あのギプスについた何かで、本当にトレーニングをしたかどうかチェックされるって言ってたわね…
ってことは、ちゃんとトレーニングしたけど筋肉が付かなかった…なんて嘘は通用しないってことなのね…)
リンダは、ギプスを手に取った。
ずしりと重みが伝わって来る。
ギプスは金属製で、ひきの強いバネがたくさん付いている。
これで身体の動きを遮り、筋肉を鍛えるのだろう。
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