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023. 宝物
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「そんなのトレジャー・ハンターには関係ないじゃないか!
魔法の鍵は絶対、僕がみつける!」
「魔法の鍵をみつけるのは私よ!」
この離れは取り壊されるのだからということで、ジェシカは宝箱を半ば無理矢理に持って帰った。
そのことを境に、ジェシカはクライドと遊ばなくなった。
しばらくして別荘に行ってみると離れは取り壊され、クライドは町へ帰ってしまっていた。
それから、歳月は流れ、ジェシカは宝箱のこともクライドのこともいつの間にか忘れていた。
ところが、ジェシカが17歳のある時、母に頼まれて屋根裏の片付けを手伝っていた時にあの宝箱をみつけたのだ。
(そうだ…!この宝箱は…!)
あの時の記憶が昨日のことのようにまざまざとよみがえり、ジェシカはまるで長い間忘れていた自分の使命を思い出したような気分になっていた。
それからのジェシカの行動は素早かった。
テキパキと旅支度を整える。
最早、顔もはっきりとは思い出せない程の相手との昔話に、なぜここまで心が動くのかはわからなかったが、とにかくジェシカの心は決まってしまったのだ!
(みつけなきゃ!
魔法の鍵をみつけるのは絶対私なんだから!!
クライドになんか負けないわ!)
そして、気が付けばこんなことになってしまったというわけだ…
十数年経っても噂話さえ聞かない魔法の鍵…
そんなものは元々存在しないのかもしれない…
クライドもあんな昔の話を覚えているはずもない…
そう思うこともあったが、それでもやっぱりやめられない!
いつの日か、魔法の鍵をみつけてあの宝箱を開けてやる!
彼女のその想いは揺るがない…!
それだけではなく、実は今の暮らしが好きだから…
(よ~し!!
明日からまた頑張るぞ!!)
ジェシカはグラスに注がれた琥珀色のバーボンをぐいとあおった。
魔法の鍵は絶対、僕がみつける!」
「魔法の鍵をみつけるのは私よ!」
この離れは取り壊されるのだからということで、ジェシカは宝箱を半ば無理矢理に持って帰った。
そのことを境に、ジェシカはクライドと遊ばなくなった。
しばらくして別荘に行ってみると離れは取り壊され、クライドは町へ帰ってしまっていた。
それから、歳月は流れ、ジェシカは宝箱のこともクライドのこともいつの間にか忘れていた。
ところが、ジェシカが17歳のある時、母に頼まれて屋根裏の片付けを手伝っていた時にあの宝箱をみつけたのだ。
(そうだ…!この宝箱は…!)
あの時の記憶が昨日のことのようにまざまざとよみがえり、ジェシカはまるで長い間忘れていた自分の使命を思い出したような気分になっていた。
それからのジェシカの行動は素早かった。
テキパキと旅支度を整える。
最早、顔もはっきりとは思い出せない程の相手との昔話に、なぜここまで心が動くのかはわからなかったが、とにかくジェシカの心は決まってしまったのだ!
(みつけなきゃ!
魔法の鍵をみつけるのは絶対私なんだから!!
クライドになんか負けないわ!)
そして、気が付けばこんなことになってしまったというわけだ…
十数年経っても噂話さえ聞かない魔法の鍵…
そんなものは元々存在しないのかもしれない…
クライドもあんな昔の話を覚えているはずもない…
そう思うこともあったが、それでもやっぱりやめられない!
いつの日か、魔法の鍵をみつけてあの宝箱を開けてやる!
彼女のその想いは揺るがない…!
それだけではなく、実は今の暮らしが好きだから…
(よ~し!!
明日からまた頑張るぞ!!)
ジェシカはグラスに注がれた琥珀色のバーボンをぐいとあおった。
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