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042. 錬金術
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「う……うそぉぉぉぉーーーーっっ!」
うら若き17の娘の声とはとても思えない叫び声が響いた。
「50…いや、60年は年をとっとるな。
おまえに飲ませて正解じゃった!」
「な…なにが正解なのよ!」
「だって、60年といえば…わしが飲んどったら、そのままあの世行きになるとこじゃったぞ。
おぉ、くわばら、くわばら!」
「な…何がくわばらなのよ!
おじいちゃん、不老不死の薬だって言ったじゃない!
これじゃあ、まるで正反対じゃないの!」
「もちろん、そのつもりじゃった。
一体、どこで間違ったのか…
また、1から出直しじゃ。」
「い…い…1からって…
あたし、いつになったら元に直るのよ!」
「何、心配するな。
今の日本人女性の平均寿命は87とか88とか言われておる。
それまでには、なんとか直る方法もみつかる…と、思う…」
(お…思うって…)
「お…おじいちゃんの馬鹿!!」
あたしは、不安で悲しくて絶望的な気持ちになり、そのまま部屋に向かうと鍵をかけてひきこもった。
「ユキ、開けておくれ!」
おじいちゃんが何度もドアを叩いたけど、開ける気にはなれなかった。
だって…あたしは、まだ素敵な男性と恋もしないまま、平均寿命の近付いたお婆さんになり、こんなど田舎で朽ち果てようとしているんだから…
(こんなことなら、父さん達と一緒にアメリカに行けば良かった…)
今更そんなことを考えた所で、今のありえない程悲惨な状況が変わるわけもないのに…
あたしは、一晩中、我が身の不幸に涙を流し続け…
気が付くといつの間にか眠ってた…
*
賑やかな小鳥の声で目が覚めた。
瞼が重く目がかすむ…
かすんだ目で鏡をのぞき、あたしは再び絶望の涙を流した。
昨日のことが夢であれば良いと思ったが、やはり夢ではなかったようだ。
部屋を出ると、そこにはいびつな形のばかでかいおにぎりが置いてあった。
(おじいちゃんの馬鹿…)
あたしは、部屋に戻っておにぎりを頬張った。
全然塩がきいてなかったけど、それは昨夜、大量に流した涙のせいで塩分が失われたからだと思う事にした。
いくら、昨夜は食べなかったとはいえ、こんな悲しい気分の時でも、こんなに大きなおにぎりが食べられるあたり…あたしはけっこう強い人間なのかもしれない。
おじいちゃんは母家にはおらず、のぞいてみるとやはり研究室で一生懸命机に向かって何かを書いているようだった。
早速、あたしの身体を元に戻してくれる研究をし始めてくれてるのだろう。
(ありがとう、おじいちゃん…)
あたしは気分を切りかえることにした。
一気に60年の年を飛び越えて老人の身体を体験するなんて、考えてみれば、すごく貴重な体験だ。
おじいちゃんを信じて、元に戻れるまで、あたしは自分の出来ることをして頑張ることに決めた。
老人の身体になってからの家事はいつもと比べてかなり時間がかかり、あたし自身の身体も疲れるものだということが良くわかった。
「おじいちゃん、少し早いけどごはん出来たよ。」
あたしはちょっと勇気を奮い、おじいちゃんに声をかけた。
うら若き17の娘の声とはとても思えない叫び声が響いた。
「50…いや、60年は年をとっとるな。
おまえに飲ませて正解じゃった!」
「な…なにが正解なのよ!」
「だって、60年といえば…わしが飲んどったら、そのままあの世行きになるとこじゃったぞ。
おぉ、くわばら、くわばら!」
「な…何がくわばらなのよ!
おじいちゃん、不老不死の薬だって言ったじゃない!
これじゃあ、まるで正反対じゃないの!」
「もちろん、そのつもりじゃった。
一体、どこで間違ったのか…
また、1から出直しじゃ。」
「い…い…1からって…
あたし、いつになったら元に直るのよ!」
「何、心配するな。
今の日本人女性の平均寿命は87とか88とか言われておる。
それまでには、なんとか直る方法もみつかる…と、思う…」
(お…思うって…)
「お…おじいちゃんの馬鹿!!」
あたしは、不安で悲しくて絶望的な気持ちになり、そのまま部屋に向かうと鍵をかけてひきこもった。
「ユキ、開けておくれ!」
おじいちゃんが何度もドアを叩いたけど、開ける気にはなれなかった。
だって…あたしは、まだ素敵な男性と恋もしないまま、平均寿命の近付いたお婆さんになり、こんなど田舎で朽ち果てようとしているんだから…
(こんなことなら、父さん達と一緒にアメリカに行けば良かった…)
今更そんなことを考えた所で、今のありえない程悲惨な状況が変わるわけもないのに…
あたしは、一晩中、我が身の不幸に涙を流し続け…
気が付くといつの間にか眠ってた…
*
賑やかな小鳥の声で目が覚めた。
瞼が重く目がかすむ…
かすんだ目で鏡をのぞき、あたしは再び絶望の涙を流した。
昨日のことが夢であれば良いと思ったが、やはり夢ではなかったようだ。
部屋を出ると、そこにはいびつな形のばかでかいおにぎりが置いてあった。
(おじいちゃんの馬鹿…)
あたしは、部屋に戻っておにぎりを頬張った。
全然塩がきいてなかったけど、それは昨夜、大量に流した涙のせいで塩分が失われたからだと思う事にした。
いくら、昨夜は食べなかったとはいえ、こんな悲しい気分の時でも、こんなに大きなおにぎりが食べられるあたり…あたしはけっこう強い人間なのかもしれない。
おじいちゃんは母家にはおらず、のぞいてみるとやはり研究室で一生懸命机に向かって何かを書いているようだった。
早速、あたしの身体を元に戻してくれる研究をし始めてくれてるのだろう。
(ありがとう、おじいちゃん…)
あたしは気分を切りかえることにした。
一気に60年の年を飛び越えて老人の身体を体験するなんて、考えてみれば、すごく貴重な体験だ。
おじいちゃんを信じて、元に戻れるまで、あたしは自分の出来ることをして頑張ることに決めた。
老人の身体になってからの家事はいつもと比べてかなり時間がかかり、あたし自身の身体も疲れるものだということが良くわかった。
「おじいちゃん、少し早いけどごはん出来たよ。」
あたしはちょっと勇気を奮い、おじいちゃんに声をかけた。
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