Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

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067. 手紙

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(どうしよう…
もし、このまま出かけたら、こいつは僕のことを追いかけてくるだろうか?
でも、なぜ、僕を止める?
なぜ、僕のしようとしていることを知ってる?)

鼓動が速くなるのを感じながら、幸治はベッドの脇に腰掛けた。
考えても考えても、こんな手紙を送ってくる者に心当たりはない。
なにか手掛かりがないかと、手紙をもう一度じっくり見てみるが、それらしきものは何も見当たらない。
こんな力のない乱れた文字を書くこと自体、筆跡を隠そうとしてのことなのか、それとも病人かなにかなのか…
しかし、幸治は病人に知り合い等いない。
第一、病人が朝早くにここまで手紙を持ってくるということ自体、不自然だ。
やはり、筆跡を隠そうとしているのだろうと幸治は思った。

そんな時、幸治の携帯が鳴った。
工場からだった。
昨日もかかって来たが、話すのがいやで放っておいた。
しかし、さすがに二日も無断欠勤をすると怪しまれてしまうと思い、幸治は電話に出て、風邪で熱が高いので数日休むと伝えた。

昼近くになって幸治は家を出た。
家に食べるものがなくなったので、スーパーでゆっくりと買い物をし、帰りにはネットカフェやゲーセンに立ち寄り、暗くなってから家に戻った。
その間、おかしな動きをする者がいないかと何気ないふりをしながら警戒していたのだが、そんな気配は全くなかった。
それは出かけても大丈夫だということなのか、逆にそこまで気配を消せる奴だということなのか、そのあたりは幸治にはわからなかったが、考えあぐねた末、幸治は明日こそ出発することを決めた。
それと、その晩は何者かわからないそいつを玄関先で待ってみることにした。

夜が更けてから、幸治は玄関先の壁にもたれ、手紙が来るのを待った。
漫画を読み、携帯のゲームをしながら、なんとか眠気を払いのけた。
物音がする度に耳を澄ませたが、手紙が入って来ることはなかった。
やがて、携帯の時計は6時になり、7時、8時になっても手紙は配達されなかった。
昨日も一昨日も手紙に気付いたのは8時頃だ。
昨夜は、結局、手紙の主は来なかったのだ。

安堵した気持ちで荷物を取りに部屋へ戻った幸治は、荷物の横に置かれた手紙に血も凍るような想いを感じた。


「だ、誰なんだ!!」

あまりの恐怖に幸治は叫び、あたりを見まわしたが、手紙以外、変わったことは何もなかった。
窓の鍵もしっかりと閉まっている。
そのことが、さらに幸治の恐怖心をあおった。 
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