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072. 単独行動
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「あ、おばあちゃん、僕が持っててあげるのねん!」
「おやまぁ、すみませんねぇ…」
老婆の荷物を持ち、もう片方の手で老婆の手をひいて歩くメリーの後ろ姿を見ながら俺はふと考えた。
異世界に行ったというあの日から、メリーの様子はどこか変わった。
どこが…と言われると困るのだが、前よりも人に優しくなったというか、深みが出て来たというのか…
もちろん、そんな世界があることは信じているし、メリーの話も信じてないわけではない。
しかし、ドアーズでのことをあまり話したがらないことや、帰れなかったからとはいえ、あのメリーが見知らぬ人間たちと仲良く共同作業をしながら暮らしていたということが…しかもそれが二年もの長い期間だということがどこか信じられない気分だった。
だが、メリーが変わったのは事実で、それはドアーズに行ったことが関係しているのも事実だと思う。
「あそこの人達は皆、本当に良い人ばっかりなのねん。」
そう言ってにっこり笑うメリーの笑顔が頭から離れない。
やがて、ドアーズのことをもっとよく知りたいという俺の気持ちは日増しに大きくなっていった。
ある時、その気持ちが抑えきれないほどに大きくなり、気が付くと俺はあの場所に向かっていた。
ショッピングセンターのはずれの倉庫だ。
みつからないように塀を乗り越え、あたりに注意しながらそっとしのびこむ。
元々、このあたりはショッピングセンターの中心部とは違って閑散としたものだが、真夜中は特に静かだ。
このあたりには警備員も見回りには来ないのではないかと思えた。
俺は、相変わらず鍵のかけられていない倉庫に入り、そのまままっすぐにつきあたりの壁に向かった。
メリーを異世界に誘ったあの小さな青い扉はすでに移動したと見えて、その場にはもはや気配すら感じられなかった。
しかし、俺には特殊な能力がある。
俺はその場に座り込み、数珠を手にあの扉のことを頭に思い浮かべた。
ほんの一瞬見た朧気な記憶だから、集中するのは難しかった。
それでも、出来る限り細かい所までしっかりと思い出そうと集中する。
いつもより時間をかけ、慎重に…
俺の全身にうっすらと汗がにじんでくる。
それでも、あの扉はなかなか具現化する気配を見せなかった。
もう無理かもしれない…そう思いながらも諦めてしまうのが悔しくて俺は深い瞑想を続けていた。
やがて、唐突になにかを感じた。
(今だ!)
俺は、気合いをこめて左手を振り下ろす。
その刹那、あの扉が不意に目の前に現れた。
もちろんそれは俺が作り出した幻だが、これはきっとドアーズという世界に続いている。
そう信じ、俺はその青い扉を開けた。
「おやまぁ、すみませんねぇ…」
老婆の荷物を持ち、もう片方の手で老婆の手をひいて歩くメリーの後ろ姿を見ながら俺はふと考えた。
異世界に行ったというあの日から、メリーの様子はどこか変わった。
どこが…と言われると困るのだが、前よりも人に優しくなったというか、深みが出て来たというのか…
もちろん、そんな世界があることは信じているし、メリーの話も信じてないわけではない。
しかし、ドアーズでのことをあまり話したがらないことや、帰れなかったからとはいえ、あのメリーが見知らぬ人間たちと仲良く共同作業をしながら暮らしていたということが…しかもそれが二年もの長い期間だということがどこか信じられない気分だった。
だが、メリーが変わったのは事実で、それはドアーズに行ったことが関係しているのも事実だと思う。
「あそこの人達は皆、本当に良い人ばっかりなのねん。」
そう言ってにっこり笑うメリーの笑顔が頭から離れない。
やがて、ドアーズのことをもっとよく知りたいという俺の気持ちは日増しに大きくなっていった。
ある時、その気持ちが抑えきれないほどに大きくなり、気が付くと俺はあの場所に向かっていた。
ショッピングセンターのはずれの倉庫だ。
みつからないように塀を乗り越え、あたりに注意しながらそっとしのびこむ。
元々、このあたりはショッピングセンターの中心部とは違って閑散としたものだが、真夜中は特に静かだ。
このあたりには警備員も見回りには来ないのではないかと思えた。
俺は、相変わらず鍵のかけられていない倉庫に入り、そのまままっすぐにつきあたりの壁に向かった。
メリーを異世界に誘ったあの小さな青い扉はすでに移動したと見えて、その場にはもはや気配すら感じられなかった。
しかし、俺には特殊な能力がある。
俺はその場に座り込み、数珠を手にあの扉のことを頭に思い浮かべた。
ほんの一瞬見た朧気な記憶だから、集中するのは難しかった。
それでも、出来る限り細かい所までしっかりと思い出そうと集中する。
いつもより時間をかけ、慎重に…
俺の全身にうっすらと汗がにじんでくる。
それでも、あの扉はなかなか具現化する気配を見せなかった。
もう無理かもしれない…そう思いながらも諦めてしまうのが悔しくて俺は深い瞑想を続けていた。
やがて、唐突になにかを感じた。
(今だ!)
俺は、気合いをこめて左手を振り下ろす。
その刹那、あの扉が不意に目の前に現れた。
もちろんそれは俺が作り出した幻だが、これはきっとドアーズという世界に続いている。
そう信じ、俺はその青い扉を開けた。
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