Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
631 / 697
091. こんなところで死んでたまるか!

しおりを挟む
「ありがとうございます、王子様。
……しかし、大変ですぞ…」

「何が大変なんだ?」 

「先程も言いました通り、かわいこちゃんの村にはおなごしかおりません。
しかも、訪ねて来る者もめったにいないもので、男が訪ねるとそりゃあもうえらいことになるそうで…」

(えらいこと……)

楊俊の頭に妄想が広がる…

つつーー… 

李雲は、ポケットから素早くティッシュを取り出すと、ちぎって丸めて楊俊の鼻の穴に詰め、首の後ろをトントンしてくれた。

「さぁ、参りましょう!」

まだ夢見心地な楊俊をひっぱって、李雲は翠の背中に乗った。

「翠よ、ここまで頼む。」

李雲は翠にかわいこちゃんの村の地図を見せた。

「キュアッッ!!」

翠は大空高くに飛び上がり、それから10分後、その場所に着いた。

ー…ドゴォ!!

いつものように翠が着地する。

「何?もう着いたのか?
ちょっと待ってくれ。」

楊俊は鼻の穴のティッシュを取り、髪を整える。

「あれ…?李雲、ここは何だ?」

「ここは、試練の道でございます。」

「試練の道…?」

「そうなのです。
この道を抜けた所にかわいこちゃんの村があるのです。」

「なるほど…
この試練をくぐりぬけられた者だけが、かわいこちゃんに会えるということだな?」

「その通りでございます。
さすがは王子様!飲み込みが早いですな。」

そう、李雲が楊俊を誘ったのは偏にこのためだったのだ。
自分だけでは心許ないが、闘いに長けた楊俊がいたらなんとかこの試練の道を通り抜けられるだろうと考えたのだ。

少し先に受付があった。

「では、お手持ちの武器をこちらに出して、そちらのスポーツウェアにお着替え下さい。」

「何?武器は持ち込めないのか?」

「はい。ここで使えるのはご自身の持つ力と知力のみです。
もちろんあの動物もここでお預かりします。」

係員は、翠を見ながらそう言った。

「武器はちゃんと返してもらえるんだろうな?」

「はい、それはもちろん。
この道を通り抜けられたら必ず…」

「そうか…で、スポーツウェアはなぜなんだ?」

「単に動きやすい格好で…ということです。」

(このままでも十分動きやすいのに…)

そう思った楊俊だったが、それがここのルールなら仕方がない。

「李雲、着替えはすんだか?」

「………はい」

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

不倫妻への鎮魂歌 ―サレ夫が選んだ、最も残酷で静かな復讐―

MisakiNonagase
大衆娯楽
「サレ夫、再生。不倫妻、転落。──その代償は、あまりに重い。」 「嘘で塗り固めた20年より、真実で歩む明日がいい。」 失って初めて気づく、守られていた日々の輝き。 46歳の美香にとって、誠実な夫と二人の息子に囲まれた生活は、退屈で窮屈な「檻」だった。若い男からの甘い誘惑に、彼女は20年の歳月を投げ打って飛び込んだ。 しかし、彼女が捨てたのは「檻」ではなく「聖域」だったのだ。 不倫、発覚、離婚、そして孤独。 かつての「美しい奥様」が、厚化粧で場末のスナックのカウンターに立つまでの足取りと、傷つきながらも真実の幸福を掴み取っていく夫・徹の再生を描く。 家族とは何か、誠実さとは何か。一通の離婚届が、二人の人生を光と影に分かつ。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

処理中です...