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side かおり

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「かおり…結婚しよう!」

 「えっ!?」

ある時、唐突に言われたその言葉に、私は動揺を隠せなかった。



 「やっぱり俺にはかおりしかいない。」

 「ちょ…ちょっと待ってよ。
け、結婚なんて…」

 「どうして?
 俺達、付き合い始めてもう一年だぜ。
そのくらい経ったら、結婚の話が出て来たっておかしくないだろ?」

 瑠威は真面目な顔でそう言った。



 「あ、あのね…瑠威、わかってる?
 私、先日大台に乗ったんだよ?
 大台…わかる?
……40になったんだよ!しかも、子持ち!」

 「知ってるよ。
……だから、何?」

 「何って…
なんで、そんなおばさんとあんたが結婚しなくちゃいけないの?」

 「かおり…いつまでそんなこと言ってんの?
 年のことは、最初からわかってることじゃないか。
わかってて俺はおまえを好きになった。
 好きになって付き合うようになって、ますます惚れた。
だから、結婚したいと思った。
……それが何かいけない?」

 「だ、だって……」

なんとか言い訳をしようと思うのに、何も浮かばない。
そう…私が瑠威に後ろめたさを感じているのは年のことと、子供がいること。
それをなんでもないって言われてしまったら、私には何も言えない。
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