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side 瑠威

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「もしかして…ママに気遣ってるの?」

 「え?」

 「瑠威はファンからのプレゼントもマネージャーさんに預けてるんでしょ?」

 「あぁ、そのことか…
別に気遣うってわけじゃないけど…」

ファンからのプレゼントを持って帰ったくらいで、かおりは妬いたりいやな顔をしたりはしない。
そういうところはさすがに大人だ。
ただ、俺が、持って帰りたくないだけだから。
 俺達の部屋には、俺とかおりの好みのものだけを置いていたいし、身に付けるものも俺の好みのものを付けていたいっていう、単なる俺のわがままだ。



 「でも、なんで?」

 「えっ!?い、いや…別になんでもない。」



おかしな奴…



それにしても、望結はどうしてライブに来てくれないんだろう?
やっぱり、俺達みたいなのは一般的には怖いとか気持ち悪いとか思われる存在なんだろうか?
 望結とはうまくいってると思ってたけど、やっぱり内心では俺の事嫌ってるのかな?
 気持ち悪い奴だと思われてるのか?



 望結の気持ちが知りたくて、俺は知らず知らずに望結の顔をじっとみつめていた。



 「な、なに?どうかしたの?」

 「え?……あ、あぁ、ごめん…
なんでもないんだ…」

 聞けないよな、そんなこと。
 聞いたところで本当のことなんて答えてくれるはずはないもの。
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