お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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022 : 檻の中の少年

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老人は、料理を持って奥の部屋へ向かった。



 「誰か他にもいるのか?」

 「あぁ…ちょっとな…」

 「一緒に食えば良いのに…」

 「……ええんじゃ…」

 気になったのかリュックが老人の後に続き、私も好奇心からさらにその後に続いた。



 「こ…これは…なんなんだ!?」

リュックが大きな声を上げた。
 部屋の奥にあったのは、牢屋だったのだ。
 牢屋とはいえ、その柵は間隔が広く、よほど太った人間でなければ簡単にすり抜けることが出来る。
 扉にも鍵はかかってはいなかった。
 要するにそこは牢の役目を果たしていない牢なのだ。



 「ピーター、食事じゃよ。」

 牢の一番隅っこに、一人の男がうずくまるように座っていた。
 男はまだどこかあどけなさの残る少年だ。
 老人は、男の前に座り、スプーンでその口に食べ物を運ぶ。
ピーターは、その動作に条件的に反応するように口を開ける。
その顔には何の表情もなかった。




 (マルタン、どうしたんだろ、あいつ?)

 (よくはわからんが…あの虚ろな目は…
おそらく…なんらかの原因で精神が破綻してしまったんだろうな、気の毒に…)



 私達は、なんともいえない気持ちで先程の部屋に戻った。



 「あら、おじいさんともう一人の方は?」

 「もう一人は…病人なんだ。
 今、爺さんが食事を食べさせてる。」

 「まぁ…!」

 「あ…クロワさん…」

 止めようと思ったが、クロワはそれより早くに奥の部屋に行ってしまった。



 「なにかあったんですか?」

 「あぁ…ちょっと、わけありの病人みたいでな。」

 「わけあり…?」

 「後で爺さんに聞いてみようぜ。」



しばらく待っていると、クロワと老人が戻って来た。



 「なんじゃ、待っててくれたのか。
 先に食べててくれりゃあ良かったのに。」

 「そんなに長い時間じゃなかったからな。
あっちはもう良いのか?」

 老人は黙って頷いた。
どうやらピーターの食事はもうすんだようだ。



 「じゃあ、わしらもいただこうか。」

 不自然に静かな雰囲気の中、私達は食事を始めた。
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