お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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056 : 砂上の夢

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「マルタン、実はこの人はな……
エヴァのおふくろさんなんだ。」

 「なんだって…!?」

 目の前の女性とエヴァは、あまり似ていない。
 体格も割りと小柄なエヴァとは違い、この女性はすらっと背が高い。
しかし、言われてみればその声がエヴァにとてもよく似ているということに、ようやく私は気が付いた。




 「なるほど…そうだったのか…
しかし、どうやってここを…?」

 「エヴァの勤めてる酒場で聞き込んだんだ。
エヴァは、故郷の話はあまり話してくれなかったからな。
でも、店主や店の子もなんとなくしか知らなかったから、正直言ってみつけられる自信はなかったんだ。」

 「この村のことは近くの者達じゃないと知らないですからね。
 本当によくみつけて下さったわ。」



リュックは、もしもエヴァの母親リータが再婚していたら、何も言わずに戻るつもりだったらしい。
あたりで、リータの情報を聞きこみ、いまだ一人で暮らしていることを知り、家を訪ねたのだという。



 「突然のことで、驚かれたでしょう?」

 「ええ……驚きました。
それに、半信半疑でもありました。
ですが、あの子を…ディヴィッドを見て、そんな疑いはすべて吹き飛びました。」

 「ディヴィッドを…?」

 「ええ…だって、ディヴィッドは小さい頃のエヴァにそっくりなんですもの。」

そう言って、リータは目を細めた。
 私にはディヴィッドがそれほどエヴァに似ているとは思えなかったが、大人になれば容姿は変わる。
きっと、リータの言うように、幼い頃のエヴァはあんな風だったのだろう。



 「さっきは時間がなくて詳しいことは話せなかったが……
実は、ここにディヴィッドを連れて来たこと、エヴァには言ってないんだ。」

 「えっ!?それじゃあ、あなた方はディヴィッドを勝手に…?」

 「そうじゃない。
 俺達は、ディヴィッドを旅行に連れていくと言って出て来た。
ただ、行き先は言ってないってことだ。」

 「そうなの…
ところで…あなた方は一体…
その…エヴァとはどういう関係なのかしら?」

 私とリュックは、町の火事のことから、エヴァとの出会いを話して聞かせた。



 「リータさん…見ているだけでもおわかりかと思いますが、リュックはディヴィッドのことをよく可愛がり、そのせいでディヴィッドも彼にとても懐いています。
エヴァも、リュックのことが好きで、出来る事なら再婚したいと考えていたようですが…」

 「お、おい、マルタン!」

 話を止めようとするリュックを私は手で制した。

 
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