la poupee

ルカ(聖夜月ルカ)

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la poupee pure ver.

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家に戻ったカミーユはクロエの家から持ってきた包みをほどいた。
クロエが可愛がっていたぬいぐるみ達…
その中にはカミーユがプレゼントしたものもあった。
 大人になってもぬいぐるみが大好きで、彼等をとても可愛がっていたクロエ…
その頃のクロエのことが次から次へと思い出される。

 (この子は確か、モナ…だったっけ…
ぬいぐるみ達にも君はちゃんと名前をつけていたね…)



カミーユの瞳から涙がこぼれ落ちる…

(僕はなんて女々しい男なんだろう…
フラれてしまった女の家から、こんなぬいぐるみを持って帰ってくるなんて…)

カミーユは、自分が世界一愚かな男のような気がした。



 涙をぬぐいながら、カミーユはその一つ一つを出窓に並べる。
 一番端にはルネ…
ぬいぐるみが大好きだったクロエが唯一可愛がっていた人形だ。

 彼女のために新しいドレスを縫い、週末には彼女のためにでかけ、夢での会話のことを語っていた…

あれから二年たった今、あの頃のクロエはもういない…






それから、数ヵ月の後、クロエが隣町の事業家と結婚したことを、カミーユは風の便りで聞いた。
 相手は手広く商売を営んでいる男だということだ。
クロエはついに彼女の望んでいた裕福な生活を手に入れたのだ。

 今度こそ、彼女のことを忘れなければ…
そうは思うのだが、カミーユはなかなか想いを絶つことが出来なかった。
カミーユの愛したクロエはもうどこにもいないのに…



(馬鹿だな…これじゃあ、まるで、亡くなってしまった者を愛し続けているようなものだ。
いや、亡くなった者ならばまだ良い。
クロエはまだちゃんとこの世に存在し、別の男と結ばれてしまったという辛い現実があるよりは… )

カミーユはあまり好きではないワインを立て続けに何杯も飲んだ。



 「ルネ…クロエが結婚したらしいよ…
あのままのクロエだったら、きっと君にも綺麗なドレスを作って結婚式に参列させていただろうね…」

そう話しかけたルネの顔もどこか寂しそうに見えた。



 「ごめんよ…辛い話を聞かせてしまって…
でも、せっかくだ…
今夜は君と語り明かそう!」

カミーユはルネを抱き上げ、寝室へと連れていった。



 「ルネ…君も飲むか?
 何?飲めない?
つきあいの悪い女だな。
 君も僕もクロエに捨てられた…言ってみれば同志じゃないか!
そんなにつきあいが悪いとモテないぞ!」

 酔った勢いでつまらないことを言う。
その後も、一方的な愚痴を言いながら、カミーユはそのまま眠りについた。 
 
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