STORY BOXⅡ

ルカ(聖夜月ルカ)

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001.星の砂

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「ハッ……」



 (夢か……)



サリーが目覚めたのは、いつもの部屋のテーブルの上だった。




 (ピエール…
もしかしたら、心配してくれてるのかな…
 ……そうだよね。
あたしがこんなだったら、心配でピエールもあの世でゆっくり出来ないよね…
ここんとこ、ずっと、お墓にも行ってないや…
ごめんね、ピエール…)



 次の日、サリーが久しぶりにピエールの墓を訪ねると、そこには、真新しい花が備えてあった。



 (一体、誰が…?)



 *



 「おかえり、サリー!」

 「ジャン…!!
……どうしたんだい?
 星の砂ならもうもらったよ?」

ジャンが指差す先には、星の砂でいっぱいになったグラスがあった。



 「ほら、やっぱり分けない方が見た目が良いな。」

 「……あんた、そんなことをしにわざわざここに来たのかい?」

 「いや…俺はこれからここに住むつもりで来たんだ。」

 「何、勝手なこと言ってるのさ。
あたしはそんなこと許した覚えはないよ。」

 「俺は、ピエールさんの許可を得てるんだ。」

 「よく言うよ。
ピエーrはそんなこと許しはしないさ。」

 「いや…許してくれた。
この先、ピエールさんの代わりに、あんたのことをずっと守って行くことを、俺は誓った。
そして、ピエールさんに報告して来た。」

 「じゃ、さっきの花は…
で…でも、なんで、今更そんなことを…!
あんたは、あの時、ここを出て行ったじゃないか!」

 「……怖かったんだ。
 家族を持っても、いつかあんたも俺の両親みたいにいなくなってしまうんじゃないかって…
 ……それに、俺には今まで友達さえいなかった。
どんな風にすれば、あんたを幸せに出来るのかもわからない…
いや、それ以前に、俺自身が本当にあんたのことを愛しているのかどうかがわからなかったんだ。
 今まで、真剣に人を好きになったことなんてなかったから…」

 「な、なんだよ、それ…!」

 「家に戻ってからも、やっぱりあんたのことが頭から離れなかった。
 忘れようといろんな努力をしたが、どれも効果はなかった。
そのうち、買い物にも興味がなくなってしまった。
 俺の頭の中にあるのは、あんたのことだけだったんだ…
そして、俺はやっと自分の気持ちに自信が持てた。
 俺は、真剣にあんたを愛してるってことに気が付いたんだ…」
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