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私の思考回路はショートした。
え?どゆこと?
冗談を言いそうなタイプには見えないけど、もしかして冗談のつもり?



「あ、あの……」

「僕みたいなのは、タイプじゃない?」

「え?ま、まさか。
とても素敵でカッコイイと思います。」

「じゃあ、結婚しよう。」

「は?」


わからないよ。
こんな時、どんな風に対応すれば良いのか。
なんて答えれば良いのか。



「固まってるけど、どうかした?
何か問題でもあるの?」

え?
私がおかしいの?
こんな時、固まるのは普通じゃないの?



「あ、あの…えっと、つまり……」

「お待たせしました。」



私が何かを説明しようとした時に、ロイヤルミルクティーとアップルパイが運ばれて来た。




「わぁ、良い香り。
美味しそうだね。
君の真似をして良かったよ。」

「は、はぁ。」



そうだ。
とりあえず、アップルパイを食べよう。
甘いものは脳に栄養を与えるらしいから、食べたら何か良い案が浮かぶかもしれない。



そう思って、私はアップルパイを口に運んだ。
なんだか味もよくわからないけど、イケメンさんの笑顔を見る限り、きっと、いつも通り美味しいんだと思う。



だけど、アップルパイを食べ終えても良い案なんて思い浮かばなかった。
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