タイトル未定

ルカ(聖夜月ルカ)

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new life

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「……本当におかしな奴だな。」

 那月さんはそう言って、食事を続ける。



だ~か~ら~…
おかしいのは、那月さん、あなたですってば!



とは思うものの…私にはそんなことを言う勇気はなく…
無理に作った愛想笑いを浮かべるだけだった。



でも……
そのことは別にして…



幸せなのは間違いない。
だって、もう私はただの同居人じゃないんだもん。



そう…私は、那月さんの『妻』



 (きゃあーーー!)



 照れくさくて、顔が火を噴きそうだ。
 私が『妻』
この格好良い那月さんの『妻』



 「……おい。本当に大丈夫か?
 顔が変だぞ。」

 「えっ!?」



 那月さんの冷静な声が、とろけるような幸せの時間から、私を現実に呼び戻す。
なんですと!?顔が変??
 何て失礼な…!



ふと見ると、那月さんは怪訝な顔で私を見てた。



 「具合が悪いなら、ちゃんと病院に行くんだぞ。
なんならついて行こうか?」

 「わ、私、どこも悪い所なんてありません!」



 那月さんの馬鹿、馬鹿!
なんでこの人はこうデリカシーがないのかね?
 大きな溜め息が口からこぼれた。
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