292 / 364
親友
1
しおりを挟む
「なんだよ、やるやるって言うばっかりでまだ始めてないのかよ。」
「そう簡単に言うなよ。
酒は俺の一番の友なんだから。」
「でも、医者から止められたんだろ?
いくら酒が好きでも、命と天秤にはかけられないだろう。」
「そうなんだよなぁ、だけど…
あ!そうだ!おまえもやらないか?」
「え?でも、俺…酒は、そんなに……」
「そんなことはわかってるよ。
だから、酒じゃなくてカレーを断つんだ。
おまえ、カレーが大好きだろ?」
「えぇーっ!なんで俺まで…」
そんなわけで、俺は、高橋の禁酒に付き合い、禁カレーの日々を過ごすこととなった。
(はぁ~…なんで、こんなことに…)
今まで、週に4、5回はカレーを食べてたというのに…
カレーが好きでも、これといった不都合はないのに、なぜ、こんなことに巻き込まれなくてはならんのだ!?
その理不尽さに腹は立つが、理由がわからないわけではない。
それは偏に友情ゆえのことだろう。
高橋には今まで何かと世話にもなっているし、仕方がないといえば仕方がないのかもしれない。
「太田、突然だけど、今日、映画に行かないか?」
「え?」
高橋が誘ってくれたのは、俺が見たいと思ってたSF映画だった。
高橋は、SFやファンタジーは全くわからないと良く言っているのに。
案の定、高橋は眠そうにしていたけれど、俺はとても楽しめた。
「飯食って帰ろう。」
「そうだな。」
「じゃあ、こっちだ。」
「え!?」
高橋が連れて行ってくれたのは、なんとカレー屋だった。
「でも、まだ…」
「付き合わせて悪かったな。
あとは、俺、ひとりで頑張るから。」
高橋は内心、俺に悪いと思っててくれたんだ。
それがわかったら、俺も簡単にはいとは言えない。
「……もうしばらく付き合うよ。」
「いいよ、無理すんなって。」
「このくらい、なんてことないから。」
結局、俺は、もうしばらく禁カレーを続けることにした。
「じゃあ、ラーメン行くか。」
「あぁ、チャーハンと餃子もな。」
俺たちの友情は、まだまだ健在だ。
「そう簡単に言うなよ。
酒は俺の一番の友なんだから。」
「でも、医者から止められたんだろ?
いくら酒が好きでも、命と天秤にはかけられないだろう。」
「そうなんだよなぁ、だけど…
あ!そうだ!おまえもやらないか?」
「え?でも、俺…酒は、そんなに……」
「そんなことはわかってるよ。
だから、酒じゃなくてカレーを断つんだ。
おまえ、カレーが大好きだろ?」
「えぇーっ!なんで俺まで…」
そんなわけで、俺は、高橋の禁酒に付き合い、禁カレーの日々を過ごすこととなった。
(はぁ~…なんで、こんなことに…)
今まで、週に4、5回はカレーを食べてたというのに…
カレーが好きでも、これといった不都合はないのに、なぜ、こんなことに巻き込まれなくてはならんのだ!?
その理不尽さに腹は立つが、理由がわからないわけではない。
それは偏に友情ゆえのことだろう。
高橋には今まで何かと世話にもなっているし、仕方がないといえば仕方がないのかもしれない。
「太田、突然だけど、今日、映画に行かないか?」
「え?」
高橋が誘ってくれたのは、俺が見たいと思ってたSF映画だった。
高橋は、SFやファンタジーは全くわからないと良く言っているのに。
案の定、高橋は眠そうにしていたけれど、俺はとても楽しめた。
「飯食って帰ろう。」
「そうだな。」
「じゃあ、こっちだ。」
「え!?」
高橋が連れて行ってくれたのは、なんとカレー屋だった。
「でも、まだ…」
「付き合わせて悪かったな。
あとは、俺、ひとりで頑張るから。」
高橋は内心、俺に悪いと思っててくれたんだ。
それがわかったら、俺も簡単にはいとは言えない。
「……もうしばらく付き合うよ。」
「いいよ、無理すんなって。」
「このくらい、なんてことないから。」
結局、俺は、もうしばらく禁カレーを続けることにした。
「じゃあ、ラーメン行くか。」
「あぁ、チャーハンと餃子もな。」
俺たちの友情は、まだまだ健在だ。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
マグカップ
高本 顕杜
大衆娯楽
マグカップが割れた――それは、亡くなった妻からのプレゼントだった 。
龍造は、マグカップを床に落として割ってしまった。そのマグカップは、病気で亡くなった妻の倫子が、いつかのプレゼントでくれた物だった。しかし、伸ばされた手は破片に触れることなく止まった。
――いや、もういいか……捨てよう。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる