3 / 17
衝動
3
しおりを挟む
時折、氷楔と見まごうような透明度の高い良質の水晶も掘り出された。
最初の思惑とは違い、ジュリアンは何時の間にか時を忘れ、夢中になって掘り続けていた。
(ん…?これは…)
凍った土の中にいつもとは違う感触を感じ、ジュリアンはつるはしをシャベルに持ち変え、慎重に堀り進める。
(これは……!!)
ジュリアンは、手で静かに石のまわりの土を払い除けた。
(間違いない…!)
ジュリアンは、さらに慎重に堀り出し、その石はついに姿を現した。
(エレスチャルだ…!!
しかも、これは多分、スパーセブンエレスチャル…
俺は運が良かった。
以前、ここを掘っていたのが誰かはわからないが、あと少し掘っていたら、こんなに見事なエレスチャルと出会うことが出来たのに…!)
辺りは薄暗くなりかかっていたため、ジュリアンは目を凝らしてじっとその石をみつめる。
幾重にも折り重なった幾何学模様の中にいくつもの鉱物が含まれているのが見えた。
素晴らしい…!
こんな石に出会えるとは…ここへ来たのは間違いではなかった…!
この思いがけない幸運に、ジュリアンの胸は興奮と感動で打ち震えていた。
ジュリアンは、エレスチャルを懐に入れると、早々にその場所を離れた。
*
「どうだった?良い石はみつかったかい?」
「…え?…いや…そんなたいしたもんはなかったよ。
…あ…そうだ。女将さんにはこれをやるよ。」
つい口から出てしまった嘘への謝罪のつもりだったのか…ジュリアンは、女将の目の前に拳より少し小さな水晶のかたまりを差し出した。
「おやまぁ、立派な水晶じゃないか。
……これ、本当にもらって良いのかい?」
「あぁ…プレゼントするよ。」
水晶はジュリアンも嫌いではなかったが、昔から見飽きるほど見てきた。
それに、スーパーセブン・エレスチャルがあれば、もう他の石はいらない…
それ程、ジュリアンはエレスチャルに心を奪われていた。
*
「…本当に見事だ…」
ジュリアンは、曇った窓ガラスを開け放ち、満月の光にエレスチャルを透かして見ては満足そうな笑みを浮かべる。
中には水分も含まれているのか、虹のような光沢があやしいゆらめきを見せている。
「…お前は、何千年の間、あの冷たい土の中にいたんだろう…」
『……そうだな…どのくらい経つんだろうな…?』
「えっ?!」
突然聞こえて来た声にジュリアンが振り返ると、そこには見知らぬ若い男が立っていた。
最初の思惑とは違い、ジュリアンは何時の間にか時を忘れ、夢中になって掘り続けていた。
(ん…?これは…)
凍った土の中にいつもとは違う感触を感じ、ジュリアンはつるはしをシャベルに持ち変え、慎重に堀り進める。
(これは……!!)
ジュリアンは、手で静かに石のまわりの土を払い除けた。
(間違いない…!)
ジュリアンは、さらに慎重に堀り出し、その石はついに姿を現した。
(エレスチャルだ…!!
しかも、これは多分、スパーセブンエレスチャル…
俺は運が良かった。
以前、ここを掘っていたのが誰かはわからないが、あと少し掘っていたら、こんなに見事なエレスチャルと出会うことが出来たのに…!)
辺りは薄暗くなりかかっていたため、ジュリアンは目を凝らしてじっとその石をみつめる。
幾重にも折り重なった幾何学模様の中にいくつもの鉱物が含まれているのが見えた。
素晴らしい…!
こんな石に出会えるとは…ここへ来たのは間違いではなかった…!
この思いがけない幸運に、ジュリアンの胸は興奮と感動で打ち震えていた。
ジュリアンは、エレスチャルを懐に入れると、早々にその場所を離れた。
*
「どうだった?良い石はみつかったかい?」
「…え?…いや…そんなたいしたもんはなかったよ。
…あ…そうだ。女将さんにはこれをやるよ。」
つい口から出てしまった嘘への謝罪のつもりだったのか…ジュリアンは、女将の目の前に拳より少し小さな水晶のかたまりを差し出した。
「おやまぁ、立派な水晶じゃないか。
……これ、本当にもらって良いのかい?」
「あぁ…プレゼントするよ。」
水晶はジュリアンも嫌いではなかったが、昔から見飽きるほど見てきた。
それに、スーパーセブン・エレスチャルがあれば、もう他の石はいらない…
それ程、ジュリアンはエレスチャルに心を奪われていた。
*
「…本当に見事だ…」
ジュリアンは、曇った窓ガラスを開け放ち、満月の光にエレスチャルを透かして見ては満足そうな笑みを浮かべる。
中には水分も含まれているのか、虹のような光沢があやしいゆらめきを見せている。
「…お前は、何千年の間、あの冷たい土の中にいたんだろう…」
『……そうだな…どのくらい経つんだろうな…?』
「えっ?!」
突然聞こえて来た声にジュリアンが振り返ると、そこには見知らぬ若い男が立っていた。
0
あなたにおすすめの小説
真実の愛ならこれくらいできますわよね?
かぜかおる
ファンタジー
フレデリクなら最後は正しい判断をすると信じていたの
でもそれは裏切られてしまったわ・・・
夜会でフレデリク第一王子は男爵令嬢サラとの真実の愛を見つけたとそう言ってわたくしとの婚約解消を宣言したの。
ねえ、真実の愛で結ばれたお二人、覚悟があるというのなら、これくらいできますわよね?
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる