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衝動
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『早く決めろ。』
「え…?!…じゃ、じゃ…こっち」
男の言う意味がわからないまま、ジュリアンは片方の拳を指差した。
『こっちか…ならば『時間』だな。』
「時間?」
『おまえは私を掘りだしてくれただけではなく、私と通じあえた…
だから、スペシャルなプレゼントだぞ。』
「通じあえた?スペシャル?」
『そうだ。聞いたことがないか?
石は生き物だとか、波動があうとか…』
「あぁ…よく聞くな…」
『だからこそ、おまえには私の姿が見えたのだ。
いや、おまえとは異常な位、通じ合えている…
こんなに通じ合う人間はめったにいないぞ。
そうだ!この分ならもしや…』
男は、そう言いながら晴れやかな笑みを浮かべた。
「もしや?もしやなんだってんだ?」
『……いや、なんでもない。
…とにかく、今夜はその石はそこに置いておいてくれ…』
「なぜだ?」
『月光浴だ。これにより、私の力はさらに強くなることだろう…』
「なるほどな…
ところで…」
『なんだ?』
「おまえ、名前はないのか?」
『おまえはエレスチャルと呼んでいるではないか…』
「それは石の名前で…あ、石の精だから、それが名前なのか…?
なんだか妙だな…
あ、そうだ…じゃ『エレス』にしよう!」
『……エレスチャルだから『エレス』?
………安易過ぎないか?』
「なんだ?不服なのか?
なんなら『チャル』にするか?」
『……『エレス』で結構だ…
おまえは何と言う?』
「俺は…『ジュリアン』だ。」
『…平凡な名だな…』
「よけいなお世話だ!」
美しい姿とは裏腹に口の悪いやつだ…
苛つく気分をこらえ、ジュリアンがふとテーブルに目を落とすと、エレスチャルは月の光を浴びてキラキラと輝き、その光景は喜んでいるように見えた。
いつまでも見つめていたい気持ちはあるのだが、疲れが出てきたのか、それともエレスチャルの作用なのかジュリアンは急激に眠気を感じゴソゴソとベッドに潜り込んだ。
「おまえは…」
…どこで寝る?とジュリアンはエレスに尋ねようとしたのだが、部屋にはもう誰もいなかった。
ジュリアンは何度もあたりを見回したが、さほど広くないその部屋にエレスの姿はどこにもない。
エレスの姿を探しながら、もしかしたら、さっきの話は実は夢だったのではないかとジュリアンは考えた。
(…そうだ…きっと、夢だったんだ…俺は疲れてたんだ。
今日は頑張りすぎた。しかも、ここまで来るのにもずいぶん無理をしたし。)
そう自分を納得させて、ジュリアンはそのまま静かに眠りに就いた。
「え…?!…じゃ、じゃ…こっち」
男の言う意味がわからないまま、ジュリアンは片方の拳を指差した。
『こっちか…ならば『時間』だな。』
「時間?」
『おまえは私を掘りだしてくれただけではなく、私と通じあえた…
だから、スペシャルなプレゼントだぞ。』
「通じあえた?スペシャル?」
『そうだ。聞いたことがないか?
石は生き物だとか、波動があうとか…』
「あぁ…よく聞くな…」
『だからこそ、おまえには私の姿が見えたのだ。
いや、おまえとは異常な位、通じ合えている…
こんなに通じ合う人間はめったにいないぞ。
そうだ!この分ならもしや…』
男は、そう言いながら晴れやかな笑みを浮かべた。
「もしや?もしやなんだってんだ?」
『……いや、なんでもない。
…とにかく、今夜はその石はそこに置いておいてくれ…』
「なぜだ?」
『月光浴だ。これにより、私の力はさらに強くなることだろう…』
「なるほどな…
ところで…」
『なんだ?』
「おまえ、名前はないのか?」
『おまえはエレスチャルと呼んでいるではないか…』
「それは石の名前で…あ、石の精だから、それが名前なのか…?
なんだか妙だな…
あ、そうだ…じゃ『エレス』にしよう!」
『……エレスチャルだから『エレス』?
………安易過ぎないか?』
「なんだ?不服なのか?
なんなら『チャル』にするか?」
『……『エレス』で結構だ…
おまえは何と言う?』
「俺は…『ジュリアン』だ。」
『…平凡な名だな…』
「よけいなお世話だ!」
美しい姿とは裏腹に口の悪いやつだ…
苛つく気分をこらえ、ジュリアンがふとテーブルに目を落とすと、エレスチャルは月の光を浴びてキラキラと輝き、その光景は喜んでいるように見えた。
いつまでも見つめていたい気持ちはあるのだが、疲れが出てきたのか、それともエレスチャルの作用なのかジュリアンは急激に眠気を感じゴソゴソとベッドに潜り込んだ。
「おまえは…」
…どこで寝る?とジュリアンはエレスに尋ねようとしたのだが、部屋にはもう誰もいなかった。
ジュリアンは何度もあたりを見回したが、さほど広くないその部屋にエレスの姿はどこにもない。
エレスの姿を探しながら、もしかしたら、さっきの話は実は夢だったのではないかとジュリアンは考えた。
(…そうだ…きっと、夢だったんだ…俺は疲れてたんだ。
今日は頑張りすぎた。しかも、ここまで来るのにもずいぶん無理をしたし。)
そう自分を納得させて、ジュリアンはそのまま静かに眠りに就いた。
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