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15、黒曜石(希望)オブシディアン

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「ま、まさか…サリーに何か……」

 「レヴさん……
サリーさんは、夜明け前に私を連れ出し、あの滝へ連れて行きました。
 東の森の近くでみつけたあの滝です。
そして、あなたの指輪を私に見せ、『星の石』が願いを叶えてくれたんだと微笑み……サリーさんはあなたの指輪を飲み込みました…
最後に、あなたに『もう大丈夫だ』と伝えてほしいと言い残し……そして、そして……そのまま、あの深い滝壷の中に……」

 話し終えたヴェールの身体はガタガタと震えている。
 西の塔の魔女がヴェールの肩をそっと抱き締めた。



 私の頭は酷く混乱していた…



(……馬鹿な…それでは…サリーが死んだというのか?
あのサリーが…
あの元気なサリーが死ぬなんてありえない。
……そうか、わかった!
これは夢なのだ…
私は高熱にうなされ、悪い夢を見ているに違いない…きっと、そうなのだ…
もう一度目を閉じて、三つ数えて目を開ければ私はこの悪い夢から覚める……
こんな悪い夢…早く忘れなければ…!
 一…二…三……!)



 私が再び目を開けた時、目に映ったものはまるで変わらない光景だった。
 小刻に震えながら涙を流し続ける痩せこけたヴェール……
そして、それをなぐさめるようにヴェールの肩を抱く西の塔の魔女……



そこには、やはりサリーはいない……


サリーはもうどこにもいない…

この世にはもういないのだ…

胸の鼓動が速くなり、汗が吹き出す。




 (……サリーは……私の…私の身代わりに死んでしまった…!!)




 「あぁぁぁぁぁ~~~!!」



 私の叫び声が部屋の中に響き渡った。 
 
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