赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)

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side 野々村美咲

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 「もうーっ、美幸ちゃん!
どうしてコーヒーなんて持って来るのよ。
 酔いが覚めちゃうじゃない!
 私はもっと飲みたいのに……」

 口ではそんなことを言われながらも、タカミーさんはコーヒーを飲まれていた。
どうやらタカミーさんはお酒にはあまりお強くないみたい。
だから、内心ではコーヒーにほっとされてるんじゃないかしら?



 (……何で,私が叱られないといけないんだよ~
 持って来いって言ったのは、兄さんなのに……)

 (気にすることなんてありませんって。
ほら、タカミーさん…もう飲み干されてますよ。
 本当はきっとコーヒーが飲みたかったんだと思いますよ。)

 (……そうかなぁ?)



 美幸さんは、不満そうな声でタカミーさんを見つめられた。



 「そういえば、カズ…!
 昨夜のブログもとっても良かったわ~
 私のこと、あんなに誉めてくれてありがとう!」

 「え…あ…あぁ……」

 青木さんはもしかしたらまだ見てらっしゃらなかったのか、それとも、私がタカミーさんのことを誉め過ぎたせいなのか、曖昧な返事をして微笑まれた。



 「私,前からあのブログ読んでたのよ。
いかにも素のカズって感じで、すっごく好感が持てるっていうか、可愛いっていうか……」

 「そ、それは、ありがとう。」

 「あ、そうだ!
 今日の様子もぜひ書いてよ!
 『今日は、タカミーが家に遊びに来ました』って感じで……
ねぇ、アッシュ!私とカズのラブラブショット撮ってよ!」

 「え~~……」

アッシュさんは困ったような顔で、青木さんの方を見られた。



 「タカミー…今度どこかの店で撮ろう。
 家の中とかあんまりプライベートな画像は……」

 「よく言うわ!
 今までだって、けっこう家の中の画像使ってたじゃない。」

 「あれは……」

 「じゃあさ、そこに二人並んでよ。
アップで撮ったら、壁しか入らないから。」

 青木さんはアッシュさんの提案に、渋々頷かれた。



 (兄さん、ああ見えてけっこう押しが強い相手には弱いみたいなんだ。
あの分なら,マジでタカミーさんがお姉さんになる日も来たりして……
ええーーーーっ!そんなことになったら、また母さん達と揉め事になるんじゃ……)

 美幸さんはそう言うと、がっくりと肩を落とされた。

 
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