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風邪ひいた…
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「ケンちゃん、なんで知らせてくれなかったの!?」
「……ご…ごめ……」
今にも大粒の涙が零れ落ちそうな潤んだ瞳で、渚は俺のことをじっとみつめた。
でも、具合が悪くなったのは昨夜遅くからで、それからはずっと高熱にうなされて、同僚の野村に会社を休むってメールするのが精一杯だったんだ。
その後はまたずっとうなされてて……
あれ…?じゃあ、なんで渚がここに…?
……あぁ、そうか…渚に連絡したのは野村なんだな…
俺はまだぼんやりして痛む頭の中でようやくそのことに気が付いた。
「何か食べたの?」
「いや……」
「やっぱり!待っててね!
今すぐ用意するから……」
「あ、いや……」
食欲ないから作らなくて良いって言いたかったんだけど、それを言う前に渚は台所へ消えていた。
そうでなくとも、彼女の味覚はちょっと変わってて……食欲がある時にも食欲がなくなるような料理を作ってくれるんだ。
何度かそれを経験してから、極力、彼女には料理をさせないようにしてたんだけど…
今日は一体何を作るつもりなのか…?
でも、風邪の時に食べさせるものといえば、消化の良いおかゆと相場が決まってる。
おかゆならそうおかしなものにはならないはずだ。
だけど、彼女の作っているものがおかゆじゃないってことは、しばらく経ってから気が付いた。
おかゆにかかる時間じゃないんだ。
今日は鼻が全然効かないからにおいはわからないけど、きっと違うものだ。
*
「お待たせ~!」
満足気な顔をした渚が運んで来たのはカレーだった。
「俺、食欲が……」
「いいからいいから、口開けて!」
渚は俺の言葉を無視して、大きなスプーンを俺の口の中に突っ込んできた。
なんだ、なんだ?熱のせいで味はよくわからないけど、なんだかあやしい食感だぞ。
しかも、妙にしつこい気がする…
「これ食べたらすぐに元気になるよ!
栄養満点渚カレーだもん!」
「もういいよ…」
「だめ!もっと食べなきゃ元気になれないよ。」
またあの目だ…
今にも泣き出しそうな澄んだ大きな瞳を見ていると、俺は仕方なく口を開けてしまう。
吐きそうになるのを無理やり水で流しこんで、俺はなんとか一皿を食いきった。
我ながらすごい根性だ。
「……ご…ごめ……」
今にも大粒の涙が零れ落ちそうな潤んだ瞳で、渚は俺のことをじっとみつめた。
でも、具合が悪くなったのは昨夜遅くからで、それからはずっと高熱にうなされて、同僚の野村に会社を休むってメールするのが精一杯だったんだ。
その後はまたずっとうなされてて……
あれ…?じゃあ、なんで渚がここに…?
……あぁ、そうか…渚に連絡したのは野村なんだな…
俺はまだぼんやりして痛む頭の中でようやくそのことに気が付いた。
「何か食べたの?」
「いや……」
「やっぱり!待っててね!
今すぐ用意するから……」
「あ、いや……」
食欲ないから作らなくて良いって言いたかったんだけど、それを言う前に渚は台所へ消えていた。
そうでなくとも、彼女の味覚はちょっと変わってて……食欲がある時にも食欲がなくなるような料理を作ってくれるんだ。
何度かそれを経験してから、極力、彼女には料理をさせないようにしてたんだけど…
今日は一体何を作るつもりなのか…?
でも、風邪の時に食べさせるものといえば、消化の良いおかゆと相場が決まってる。
おかゆならそうおかしなものにはならないはずだ。
だけど、彼女の作っているものがおかゆじゃないってことは、しばらく経ってから気が付いた。
おかゆにかかる時間じゃないんだ。
今日は鼻が全然効かないからにおいはわからないけど、きっと違うものだ。
*
「お待たせ~!」
満足気な顔をした渚が運んで来たのはカレーだった。
「俺、食欲が……」
「いいからいいから、口開けて!」
渚は俺の言葉を無視して、大きなスプーンを俺の口の中に突っ込んできた。
なんだ、なんだ?熱のせいで味はよくわからないけど、なんだかあやしい食感だぞ。
しかも、妙にしつこい気がする…
「これ食べたらすぐに元気になるよ!
栄養満点渚カレーだもん!」
「もういいよ…」
「だめ!もっと食べなきゃ元気になれないよ。」
またあの目だ…
今にも泣き出しそうな澄んだ大きな瞳を見ていると、俺は仕方なく口を開けてしまう。
吐きそうになるのを無理やり水で流しこんで、俺はなんとか一皿を食いきった。
我ながらすごい根性だ。
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