1ページ劇場①

ルカ(聖夜月ルカ)

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今年が終わる前に

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(どうしてこんなことに……
あと少しだったのに……)








「うん、良いよ。
よろしくね。」

「本当に…!?嬉しい!」



私は、同じ職場の林田に告白し、彼はそれを快く受け入れた。



私は間違っても美人と呼ばれるタイプじゃない。
スタイルだって良くないし、お金持ちでもない。
長所といえば、真面目で几帳面で意思力が強いことだと思うけど、そういうことは女性にとってはあまり評価はされない。
だから、私に出来ることといったら、いつも笑顔でいるとか、人に親切にすることを常に心がけていた。
でも、そんな程度じゃ、彼氏なんて出来ない。
今は、婚活しないと結婚出来ないと言われる時代だ。
行動力と意志力こそが、幸せへの道標なんだ。

今年になって告白したのは実はもう9人目。
今までは全部失敗し、この林田さんでようやくそれが成功した。
それは、もう煩い蝉が泣き始める頃だった。



気持ちは焦っているけれど、やっと最初の関門を突破した喜びにも私は打ち震えていた。



林田とはそれなりにうまく付き合うことが出来た。
正直いって、彼はそれほど格好良くもなければ仕事が出来るわけでもなく、会っていて楽しいということもない。
でも、きっと、私にはそのくらいの人が似合ってる。
高望みは禁物だ。



「ねぇ、そろそろ結婚しましょうよ。」

「け、結婚?
付き合い始めてまだそんなに経ってないじゃないか。」

「でも、職場は一緒だし、お互いのことはそれなりにわかってるはずよ。」

「会社ではそんなに話したこともなかったよ。」



彼は私のプロポーズになかなか良い返事をしなかった。








「な、何なんだよ!」

「なにって…一緒に暮らした方が合理的だからよ。」

私は、勝手に彼のマンションに自分の荷物を運び入れ、一緒に暮らし始めた。
彼は文句を言いながらも、私を追い出すようなことはしなかった。
でも、結婚の話になると、決して首を縦には振らない。



(なんとかしなきゃ……)


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