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学園編・1年生
8・決闘
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「私と決闘しなさい!」
ああ、いるんだよねこういう人。強い力を手に入れて威張り散らしたかと思えば、今度は人にその力を振るおうとする。
正直一番相手にしたくないタイプの人種だ。が---。
「いいんですね?」
「当然よ!」
この俺にケンカを売ったこと、後悔しないですね?…とは言ってやらない。確認の意思とでも受け取ればいいさ。
「では、勝負は始業式の後、この学園内にある『模擬試合場:3』で。お互いソウルファクトの使用はあり、ただしヴァーチャルです。ギャラリーはつけてくれて結構。自分の実力を大勢の人に見せたいなら、集めても構いません。何か質問は?」
「何であなたが勝手にルールを決めてるのかしら?こちらに知らせていない抜け道があるのではなくて?」
「自分の強さに絶対の自信がおありなんでしょう?俺が搦め手を使おうと、あなたは勝てる…。なら、いいじゃないですか」
「ぐぬぬ…。分かったわ。今のうちに尻尾を巻いて逃げ帰ってもいいのよ!」
「はいはい、口だけは達者ですね、お嬢様は。では、またあとで」
そう言ってこの場を立ち去る。こんな安っぽい挑発に乗ってくれるのは、こっちとしてもやりやすい。
この決闘は、普通かそれ以上の学生の強さを知るいい機会だ。こう言ってると俺が絶対的に強いように聞こえると思う。
実際その通りだ。
この学園の生徒全員を相手にしても、今の段階なら勝てるだろう。ただ、この学園生活の中で俺に追いつく人材がいるかもしれない。それを見極める。
--------
「なんなのかしら、あいつは!」
始業式で体育館へと向かう途中、水連氷華は憤っていた。
(今までは皆、Aランクと聞いただけで私に従ったのに…何よ!何よ!)
あんなに盛大にバカにされたのは初めてだ。大衆の前で恥を晒させないことには気が済まない。
そこで、取り巻きたちに銘じて、この決闘の話を広めておくことにした。水連氷華といえば、Aランクの異能を持っているということで既にこの学園でも有名だ。人は簡単に集まるはず。
(ふふふ…せいぜい決闘までの間、調子に乗っておくといいわ…)
--------
始業式は荘厳に執り行われ、代表生徒として水連氷華が前に出ていた。スピーチの内容はありきたりなものだったが、最後に爆弾発言を投下してくれた。
『-そして私、水連氷華は、今日この後、轟々雷句君と決闘を行うこととなりました!是非ともご覧いただければと思います!』
いや、なんでだよと。なんで始業式で決闘の宣言しちゃってんの?バカなの?死ぬの?教師と生徒全員から視線突き刺さったんだけど。物理的な痛みすら感じたわ。
…というわけで、今この決闘場の控え室に至るわけだ…。頭痛が痛い。ネタだからマジレスしないで。
あ、言い忘れていたが、ソウルファクトというのは魂を形取った武器のことだ。結構重要なんだが、いかんせん説明が面倒臭い。そういう武器があるんだー、ぐらいに思っといてほしい。
俺のソウルファクトの名前は【雷切】。刀なんだが、刀身は光の反射の角度によって龍が見えるようになっている。
相手のソウルファクトはなんだか知らないが、水を操るのに適した形状をしているだろう。
『まずは、ご存知我らのお嬢様!才色兼備、文武両道のAランク!水連氷華さん!』
いつの間に実況つけたんだ…?観客の盛況具合といい、もはや大会だな。
『それに対するは、珍しい異能【黒雷】を持った、轟々雷句君!ランクは--あれ?な、なんとぉ!轟々雷句君の異能はDランクのようだ!果たして勝負になるのか!?』
実況がそう言うと、観客がドッと笑いに包まれる。今となっては、堂々とSランクを名乗りたい気分だ。全員に下に見られていちいち突っかかってこられる方が、よっぽど面倒臭い。ファンタジー小説なんか読んでると、異世界では面倒ごとを避けるために力を隠す傾向があるが、そもそもここ異世界というか半分地球だし。
まあそんなことは置いておいて、だ。
出番だ。
俺は戦場へと足を踏み入れた。
ああ、いるんだよねこういう人。強い力を手に入れて威張り散らしたかと思えば、今度は人にその力を振るおうとする。
正直一番相手にしたくないタイプの人種だ。が---。
「いいんですね?」
「当然よ!」
この俺にケンカを売ったこと、後悔しないですね?…とは言ってやらない。確認の意思とでも受け取ればいいさ。
「では、勝負は始業式の後、この学園内にある『模擬試合場:3』で。お互いソウルファクトの使用はあり、ただしヴァーチャルです。ギャラリーはつけてくれて結構。自分の実力を大勢の人に見せたいなら、集めても構いません。何か質問は?」
「何であなたが勝手にルールを決めてるのかしら?こちらに知らせていない抜け道があるのではなくて?」
「自分の強さに絶対の自信がおありなんでしょう?俺が搦め手を使おうと、あなたは勝てる…。なら、いいじゃないですか」
「ぐぬぬ…。分かったわ。今のうちに尻尾を巻いて逃げ帰ってもいいのよ!」
「はいはい、口だけは達者ですね、お嬢様は。では、またあとで」
そう言ってこの場を立ち去る。こんな安っぽい挑発に乗ってくれるのは、こっちとしてもやりやすい。
この決闘は、普通かそれ以上の学生の強さを知るいい機会だ。こう言ってると俺が絶対的に強いように聞こえると思う。
実際その通りだ。
この学園の生徒全員を相手にしても、今の段階なら勝てるだろう。ただ、この学園生活の中で俺に追いつく人材がいるかもしれない。それを見極める。
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「なんなのかしら、あいつは!」
始業式で体育館へと向かう途中、水連氷華は憤っていた。
(今までは皆、Aランクと聞いただけで私に従ったのに…何よ!何よ!)
あんなに盛大にバカにされたのは初めてだ。大衆の前で恥を晒させないことには気が済まない。
そこで、取り巻きたちに銘じて、この決闘の話を広めておくことにした。水連氷華といえば、Aランクの異能を持っているということで既にこの学園でも有名だ。人は簡単に集まるはず。
(ふふふ…せいぜい決闘までの間、調子に乗っておくといいわ…)
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始業式は荘厳に執り行われ、代表生徒として水連氷華が前に出ていた。スピーチの内容はありきたりなものだったが、最後に爆弾発言を投下してくれた。
『-そして私、水連氷華は、今日この後、轟々雷句君と決闘を行うこととなりました!是非ともご覧いただければと思います!』
いや、なんでだよと。なんで始業式で決闘の宣言しちゃってんの?バカなの?死ぬの?教師と生徒全員から視線突き刺さったんだけど。物理的な痛みすら感じたわ。
…というわけで、今この決闘場の控え室に至るわけだ…。頭痛が痛い。ネタだからマジレスしないで。
あ、言い忘れていたが、ソウルファクトというのは魂を形取った武器のことだ。結構重要なんだが、いかんせん説明が面倒臭い。そういう武器があるんだー、ぐらいに思っといてほしい。
俺のソウルファクトの名前は【雷切】。刀なんだが、刀身は光の反射の角度によって龍が見えるようになっている。
相手のソウルファクトはなんだか知らないが、水を操るのに適した形状をしているだろう。
『まずは、ご存知我らのお嬢様!才色兼備、文武両道のAランク!水連氷華さん!』
いつの間に実況つけたんだ…?観客の盛況具合といい、もはや大会だな。
『それに対するは、珍しい異能【黒雷】を持った、轟々雷句君!ランクは--あれ?な、なんとぉ!轟々雷句君の異能はDランクのようだ!果たして勝負になるのか!?』
実況がそう言うと、観客がドッと笑いに包まれる。今となっては、堂々とSランクを名乗りたい気分だ。全員に下に見られていちいち突っかかってこられる方が、よっぽど面倒臭い。ファンタジー小説なんか読んでると、異世界では面倒ごとを避けるために力を隠す傾向があるが、そもそもここ異世界というか半分地球だし。
まあそんなことは置いておいて、だ。
出番だ。
俺は戦場へと足を踏み入れた。
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