極悪な悪役貴族に転生したが、最弱設定の操作魔法を過剰な努力で極めて作中最強になる~俺を断罪するヒロインを助けたら、全員ヤンデレ化して離れない

青空あかな

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第93話:天空都市①

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「……ここが天空都市"アダライト"か。さすがの雰囲気だ」
「予想よりずいぶんと大きいわね」

 俺とカレンの言葉に、傍らのネリーとルカも静かにうなずく。
 学園の転送魔法で王国騎士団が管理する飛行場に転送された後、飛行ゴンドラという珍しい魔導具(要するに空飛ぶゴンドラ)に乗り、俺たちは"アダライト"にたどり着いた。
 今は入り口前の広場にいるので、都市の全貌が何となく見える。
 モノトーンな配色をした石造りの家々が立ち並び、遠方には巨大な塔の先端が見える。
 直径はおよそ4km、という広大な敷地だ。
 都市ではあるが遺跡を思わせる荘厳で不気味な静けさがあった。
 数十m先には鎧を来た数十人の騎士たちが見える。
 王国騎士団の面々だろう。

「あら~、早くおいで~。生徒さんたち~」

 先頭に立つ隊長と思しき女性がほんわかとした声で言う。
 王国騎士団の堅苦しいイメージとは違う声音に驚きつつも、俺はみんなを促し、タタタッと急いで駆けた。
 彼女の性格を考えると、のんびりしているのはまずい。
 だが、初めて見る天空都市に目を奪われてしまったのか、はたまた緩そうな雰囲気に当てられたのか、遅れる生徒がちらほらいる。

「「……うわっ、なんだ!?」」

 騎士たちの前に集合したとき、後方から何人もの生徒の声が聞こえ慌てて振り向いた。
 強固な結界が張られ、騎士団の待機場所と完全に遮断されている。
 遅れた生徒たちは、結界を激しく叩きながら叫ぶ。

「「いったい何ですかっ! 通してください!」」
「指示に従わない者を連れて行くつもりはないわ~。学園に帰りなさ~い」

 女隊長はニコニコと微笑みながらも、厳しい決断を告げる。
 引き下がるわけもなく、生徒たちは反対の意を示した。

「「ま、待ってください! 実習が受けられなかったら単位が取れません!」」
「これは実習じゃないの。……任務よ。そんなこともわからない人たちがいても邪魔なだけだわ」

 笑みが消えた顔つきからは、歴戦の猛者を思わせる破棄が感じられる。
 緩そうに見えても、この人もまた騎士団なのだなと思った。
 遅れた生徒はみな呆然としていたけど、結界の外に控えた騎士たちに連れられ、飛行ゴンドラの係留場所へと戻らされた。
 これは実習ではなく任務。
 この場においては、なんだかんだ守られてきた生徒ではないのだと、突きつけるような言葉だ。
 生徒たちもその意味の重さを実感したのか、俯きながら係留場所へと歩く。
 女隊長は残った俺たちを見ると、最初のようなにま~とした笑みを浮かべた。

「は~い、注目~。自己紹介が遅れちゃったわね~。あたしはジゼル。王国騎士団特務隊、"黒水晶"の隊長よ」

 "黒水晶"と聞き、俺たちの中からざわめきが生まれる。
 傍らのカレンも小声で俺に話した。

「……思ったよりすごい人ね」
「ああ、予想以上の大物だな……」

 ――王国騎士団特務隊、"黒水晶"

 エリートが集まる騎士団の中でも、さらに特殊な任務を担う精鋭部隊だ。
 原作でも、関われるのはストーリーの後半だった。
 ジゼル隊長は俺たちをゆっくりと見渡す。 
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