極悪な悪役貴族に転生したが、最弱設定の操作魔法を過剰な努力で極めて作中最強になる~俺を断罪するヒロインを助けたら、全員ヤンデレ化して離れない

青空あかな

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第94話:天空都市②

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「……まぁ、あなたたちの面構えは悪くないかしらね。それじゃあ、任務の説明をするわ。学園から聞いているでしょうけど、あたしたちの任務は"アデライト"の中心部に保管された高純度の魔石の回収よ」

 概ね、事前の説明通りだな。
 静かに話を聞く中、ジゼル隊長は説明を続ける。
  
「ただ一点、王国から厳しい条件が追加されているわ。それは……魔物との戦闘で建造物をまったく傷つけないこと。この天空都市は世界的に見ても貴重な資料の塊。傷つけることは許されない。だから、あたしたち"黒水晶"が担当しているってわけ。他の部隊はがさつな人たちが多いから、繊細はことはできないでしょうね」

 遺跡を傷つけないこと……か。
 まぁ、当たり前と言えば当たり前だな。
 "アデライト"にはこの世界の成り立ちに関する神話が刻まれた石版など、魔石以外にも重要な資料が多数ある。
 王国としては、そういった貴重な歴史遺産もこの機に回収したいのだ。
 説明が終了次第、騎士一人に生徒三人程度がつくような割合で、チーム分けが割り当てられた。
 ルカとネリーとは離ればなれになってしまったが、カレンとは一緒になれてよかったな。
 あと一人は誰だろうと思っていたら、ジゼル隊長が俺たち二人の近くに立った。

「あなたたちは二人でチームを組みなさ~い。担当はあたし、よろしくね~」
「「よ、よろしくお願いします」」

 緊張しつつも、俺たちはジゼル隊長と握手を交わす。
 しなやかだけど力強い戦士の手だった。
 カレンから先に自己紹介を始める。

「初めまして、カレン・ハルミッヒと申します」
「あら、可愛い名前~」

 ジゼル隊長はニコニコとカレンを誉めた。
 願わくば、俺の名前も気に入っていただきたいところだ。

「俺はギルベ……」
「あなたの名前は知っているわ、ギルベルト・フォルムバッハちゃん。長いからギルちゃんって呼ばせてもらうわね」
「あの、どうして俺の名前を……」

 初対面のはずなのに俺の名を知っていて、少し驚いた。
 そんな俺に対し、ジゼル隊長は意味深な笑みを浮かべて言う。

「どうしてって……色々と有名だもの。騎士団の中でもね」
「そうなのですか」

 王国騎士団まで俺の名が知られているなんて思わなかった。
 意味深な表情も気になる。
 だが、このすぐ後にその顔の意味するところを知ることになった。

「ねえ、ギルちゃん。あたしの本当の任務を教えてあげようかしら」
「は、はい」
 
 ジゼル隊長は微笑みを消すと、告げた。

「あたしの本当の任務……それは、あなたの実力を確かめること。噂の実力、この目で見させてもらうわね」

 俺の実力を確かめること……。
 その言葉は、俺のやる気を一段とみなぎらせる。
 緊張はするものの、自然と力強く答えていた。

「ええ、もちろんです!」

 ジゼル隊長に続き、俺とカレンは天空都市に足を踏み入れる。
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