弱国の転生王子は三大強国間の飛び地を神器生成スキルで世界最強領地にする~目立ちたくないのに、実は領民は強国のスパイで僕の活躍を国に報告してた

青空あかな

文字の大きさ
3 / 115

第3話:スキル

しおりを挟む
 ――こ、これは……もしかして、スキル発現の光!?

 アルバティス王はネオンの誕生した時刻を正確に覚えておらず、"スキル判定の儀"は数時間ほど早かった。
 つまり、ネオンはたった今12歳を迎えたのだ。
 スキルが強いほど発現の光は強くなる。
 ブリジットは目も開けられないほどの眩しさに確信した。

(ネオン様は……私のために無理やりスキルを発現してくださったのですね! 途方もなく強力なスキルを……!)

 彼女が激しく勘違いする一方で、ネオンは頭に流れ込むスキルの知識に驚いていた。


【神器生成】
 能力:どんな等級の素材からでも神の如き力を宿す、神器を生み出せる力。神器は生成主の意に反する使い方をしたり、所持したまま生成主から一定距離(およそ500m)離れると死より苦しい制裁を与える。
 ※生成主を信頼しながら過ごした時間が一定時間を超えた存在は、制裁対象から外すことができる。


 ――神器を作れるなんてすごい! 僕にピッタリのスキルだ! でも、"制裁"ってのが恐ろしい……。ブリジットは例外になるんだろうか?

 ネオンがブリジットをジッと見ると、彼女の頭の上に【制裁対象から外す YES/NO】という文字が浮かんでいた。
 YESと念じると、【制裁対象から外されています】という表記に変わった。
 強い道具には相応のリスクがあるんだな、などとぼんやり思う。
 とはいえ、今はブリジットしかいないことだし、領民が増えても注意点を伝えれば大丈夫だと考えた。

「僕のスキルは【神器生成】というクラフト系だったよ」
「【神器生成】ですか! それはまた強そうな素晴らしいお名前です!」
「まずは僕たちの家を作ろうと思うんだ。木の枝とか土とか材料が必要なんだけど、集めるの手伝ってもらってもいい?」
「もちろんでございます。私とネオン様の新居……ぐふふ」

 ネオンが木の枝を折り小石を拾う間に、ブリジットは何本もの樹を剣で切り倒し、岩を素手で砕き、すぐに素材は集まった。
 種々の素材の前に立ち、精神を集中させる。

 ――やり方はもうわかっている。頭の中で作りたい物をイメージして、魔力を込める。

 瘴気も遮断して快適に暮らせる広い家が欲しい。
 深呼吸した後、一気に魔力を込めた。

「《神器生成》!」

 木材と岩石が白い粒子になり、また別の形に姿を変える。
 十秒も経たぬうちに、二階建ての立派な屋敷が現れた。


<ネオンとブリジットの家>
 等級:神話級
 能力:瘴気を遮断する機能がある家。神話級以下の攻撃ではビクともしない堅牢な造り。4LDKの二階建て。お風呂や洗面台など、日常生活に必要な部屋もだいたい揃っている。


 この世界の等級は、下からゴミ級、超低級、低級、中級、上級、超上級、伝説級、そして神話級と分類されている。
 一般的な家庭用回復ポーションが概ね低級で、飛び地で採取した木の枝はゴミ級、国宝に認定される魔道具でやっと伝説級だ。
 二人に物の等級などはまだ把握できないが、それでも極めて立派な家であることは明白だった。
 ネオンはブリジットと一緒に家に入ると、即座にとある変化を感じ取った。

「肌がピリピリしないね!」
「さすがです、ネオン様! この家は瘴気を遮断しているのです! こんな素晴らしいスキル、王国にも……いえ、世界中どこにもありません!」
「ありがとう、どうにかできて……もががっ!」

 また彼女の胸に埋もれてしまうわけだが、ネオンはスキルが使えて嬉しい。

 ――何はともあれ、うまくできてよかった!

 神器生成が終わったところで、ネオンはブリジットに制裁の件を伝えた。

「……というわけで、ブリジットは対象から外してあるからね。大丈夫だと思うけど、一応注意してほしいんだ。何か異常を感じたらすぐ教えて」
「ありがとうございます、ネオン様。私は常にネオン様の半径2m以内におりますので、問題ないと思われます」
「あ、ありがとう、そうだったね。でも、お……」
「では、お食事にいたしましょう」

 ブリジットが宮殿から隠し持ってきてくれた食糧で食事を済まし、早めに就寝することになった。
 ……のだが。

「ど、どうして、ブリジットが僕のベッドにいるの……!?」

 家には彼女の寝室もあるのに、当の本人は当然のようにネオンのベッドに入り込んできた。

「飛び地に来たからといって、宮殿での習慣を止める必要はございません」
「こんな習慣なかったような……」
「気のせいでございます。それではおやすみなさいませ」
 
 ブリジットは端的に告げると、すやすやと眠ってしまった。
 こうなるともう彼女は自分の意思でないと起きない。
 ネオンは諸々の柔い感触と良い匂いにドキドキしつつも、そっと目を閉じる。
 今日は本当に色々あったな、と。

 ――思ってもない追放だったけど、明日が楽しみなのはいいな。この調子でどんどん領地を発展させるぞ。……目立たないようにね。

 そう思いながら、久し振りの心地よい眠りに就いた。 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。 しかし職業は最強!? 自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!? ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

大国に囲まれた小国の「魔素無し第四王子」戦記(最強部隊を率いて新王国樹立へ)

たぬころまんじゅう
ファンタジー
 小国の第四王子アルス。魔素による身体強化が当たり前の時代に、王族で唯一魔素が無い王子として生まれた彼は、蔑まれる毎日だった。  しかしある日、ひょんなことから無限に湧き出る魔素を身体に取り込んでしまった。その日を境に彼の人生は劇的に変わっていく。  士官学校に入り「戦略」「戦術」「武術」を学び、仲間を集めたアルスは隊を結成。アルス隊が功績を挙げ、軍の中で大きな存在になっていくと様々なことに巻き込まれていく。  領地経営、隣国との戦争、反乱、策略、ガーネット教や3大ギルドによる陰謀にちらつく大国の影。様々な経験を経て「最強部隊」と呼ばれたアルス隊は遂に新王国樹立へ。 異能バトル×神算鬼謀の戦略・戦術バトル! 圧倒的不利な状況を武と知略で切り抜ける! ☆史実に基づいた戦史、宗教史、過去から現代の政治や思想、経済を取り入れて書いた大河ドラマをお楽しみください☆

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

RPGのストーリー開始前に殺されるモブに転生した俺、死亡フラグを回避してラスボス助けたら女主人公が現れてなぜか修羅場になった。

白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
――死亡フラグのあるモブに転生した。なぜか男主人公の姿で。 王国に孤児院の子供達を殺された少女ミュライトがラスボスのRPG『プリテスタファンタジー』。 物語後半でミュライトと主人公は互いに孤児院出身であることが分かり、彼女を倒した主人公がその死を悲しむ絶望的なエンディングからいわゆる「鬱ゲー」と呼ばれているゲームでもある。 そして、そんなゲームの物語開始前にミュライトと同じ孤児院に住んでいた子供に転生したが…その見た目はなぜか男主人公シュウだった。 原作との違いに疑問を抱くものの、このままストーリー通りに進めば、ミュライトと主人公が戦って悲惨なエンディングを迎えてしまう。 彼女が闇落ちしてラスボスになるのを防ぐため、彼女が姉のように慕っていたエリシルの命を救ったり、王国の陰謀から孤児達を守ろうと鍛えていると、やがて男主人公を選んだ場合は登場しないはずの女主人公マフィが現れる。 マフィとミュライトが仲良くなれば戦わずに済む、そう考えて二人と交流していくが― 「―あれ? 君たち、なんか原作と違くない?」 なぜか鉢合わせた二人は彼を取り合って修羅場に。 こうして、モブキャラであるはずのシュウは主人公やラスボス達、果ては原作死亡キャラも助けながらまだ見ぬハッピーエンドを目指していく。 ※他小説投稿サイトにも投稿中

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...