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第3話:スキル
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――こ、これは……もしかして、スキル発現の光!?
アルバティス王はネオンの誕生した時刻を正確に覚えておらず、"スキル判定の儀"は数時間ほど早かった。
つまり、ネオンはたった今12歳を迎えたのだ。
スキルが強いほど発現の光は強くなる。
ブリジットは目も開けられないほどの眩しさに確信した。
(ネオン様は……私のために無理やりスキルを発現してくださったのですね! 途方もなく強力なスキルを……!)
彼女が激しく勘違いする一方で、ネオンは頭に流れ込むスキルの知識に驚いていた。
【神器生成】
能力:どんな等級の素材からでも神の如き力を宿す、神器を生み出せる力。神器は生成主の意に反する使い方をしたり、所持したまま生成主から一定距離(およそ500m)離れると死より苦しい制裁を与える。
※生成主を信頼しながら過ごした時間が一定時間を超えた存在は、制裁対象から外すことができる。
――神器を作れるなんてすごい! 僕にピッタリのスキルだ! でも、"制裁"ってのが恐ろしい……。ブリジットは例外になるんだろうか?
ネオンがブリジットをジッと見ると、彼女の頭の上に【制裁対象から外す YES/NO】という文字が浮かんでいた。
YESと念じると、【制裁対象から外されています】という表記に変わった。
強い道具には相応のリスクがあるんだな、などとぼんやり思う。
とはいえ、今はブリジットしかいないことだし、領民が増えても注意点を伝えれば大丈夫だと考えた。
「僕のスキルは【神器生成】というクラフト系だったよ」
「【神器生成】ですか! それはまた強そうな素晴らしいお名前です!」
「まずは僕たちの家を作ろうと思うんだ。木の枝とか土とか材料が必要なんだけど、集めるの手伝ってもらってもいい?」
「もちろんでございます。私とネオン様の新居……ぐふふ」
ネオンが木の枝を折り小石を拾う間に、ブリジットは何本もの樹を剣で切り倒し、岩を素手で砕き、すぐに素材は集まった。
種々の素材の前に立ち、精神を集中させる。
――やり方はもうわかっている。頭の中で作りたい物をイメージして、魔力を込める。
瘴気も遮断して快適に暮らせる広い家が欲しい。
深呼吸した後、一気に魔力を込めた。
「《神器生成》!」
木材と岩石が白い粒子になり、また別の形に姿を変える。
十秒も経たぬうちに、二階建ての立派な屋敷が現れた。
<ネオンとブリジットの家>
等級:神話級
能力:瘴気を遮断する機能がある家。神話級以下の攻撃ではビクともしない堅牢な造り。4LDKの二階建て。お風呂や洗面台など、日常生活に必要な部屋もだいたい揃っている。
この世界の等級は、下からゴミ級、超低級、低級、中級、上級、超上級、伝説級、そして神話級と分類されている。
一般的な家庭用回復ポーションが概ね低級で、飛び地で採取した木の枝はゴミ級、国宝に認定される魔道具でやっと伝説級だ。
二人に物の等級などはまだ把握できないが、それでも極めて立派な家であることは明白だった。
ネオンはブリジットと一緒に家に入ると、即座にとある変化を感じ取った。
「肌がピリピリしないね!」
「さすがです、ネオン様! この家は瘴気を遮断しているのです! こんな素晴らしいスキル、王国にも……いえ、世界中どこにもありません!」
「ありがとう、どうにかできて……もががっ!」
また彼女の胸に埋もれてしまうわけだが、ネオンはスキルが使えて嬉しい。
――何はともあれ、うまくできてよかった!
神器生成が終わったところで、ネオンはブリジットに制裁の件を伝えた。
「……というわけで、ブリジットは対象から外してあるからね。大丈夫だと思うけど、一応注意してほしいんだ。何か異常を感じたらすぐ教えて」
「ありがとうございます、ネオン様。私は常にネオン様の半径2m以内におりますので、問題ないと思われます」
「あ、ありがとう、そうだったね。でも、お……」
「では、お食事にいたしましょう」
ブリジットが宮殿から隠し持ってきてくれた食糧で食事を済まし、早めに就寝することになった。
……のだが。
「ど、どうして、ブリジットが僕のベッドにいるの……!?」
家には彼女の寝室もあるのに、当の本人は当然のようにネオンのベッドに入り込んできた。
「飛び地に来たからといって、宮殿での習慣を止める必要はございません」
「こんな習慣なかったような……」
「気のせいでございます。それではおやすみなさいませ」
ブリジットは端的に告げると、すやすやと眠ってしまった。
こうなるともう彼女は自分の意思でないと起きない。
ネオンは諸々の柔い感触と良い匂いにドキドキしつつも、そっと目を閉じる。
今日は本当に色々あったな、と。
――思ってもない追放だったけど、明日が楽しみなのはいいな。この調子でどんどん領地を発展させるぞ。……目立たないようにね。
そう思いながら、久し振りの心地よい眠りに就いた。
アルバティス王はネオンの誕生した時刻を正確に覚えておらず、"スキル判定の儀"は数時間ほど早かった。
つまり、ネオンはたった今12歳を迎えたのだ。
スキルが強いほど発現の光は強くなる。
ブリジットは目も開けられないほどの眩しさに確信した。
(ネオン様は……私のために無理やりスキルを発現してくださったのですね! 途方もなく強力なスキルを……!)
彼女が激しく勘違いする一方で、ネオンは頭に流れ込むスキルの知識に驚いていた。
【神器生成】
能力:どんな等級の素材からでも神の如き力を宿す、神器を生み出せる力。神器は生成主の意に反する使い方をしたり、所持したまま生成主から一定距離(およそ500m)離れると死より苦しい制裁を与える。
※生成主を信頼しながら過ごした時間が一定時間を超えた存在は、制裁対象から外すことができる。
――神器を作れるなんてすごい! 僕にピッタリのスキルだ! でも、"制裁"ってのが恐ろしい……。ブリジットは例外になるんだろうか?
ネオンがブリジットをジッと見ると、彼女の頭の上に【制裁対象から外す YES/NO】という文字が浮かんでいた。
YESと念じると、【制裁対象から外されています】という表記に変わった。
強い道具には相応のリスクがあるんだな、などとぼんやり思う。
とはいえ、今はブリジットしかいないことだし、領民が増えても注意点を伝えれば大丈夫だと考えた。
「僕のスキルは【神器生成】というクラフト系だったよ」
「【神器生成】ですか! それはまた強そうな素晴らしいお名前です!」
「まずは僕たちの家を作ろうと思うんだ。木の枝とか土とか材料が必要なんだけど、集めるの手伝ってもらってもいい?」
「もちろんでございます。私とネオン様の新居……ぐふふ」
ネオンが木の枝を折り小石を拾う間に、ブリジットは何本もの樹を剣で切り倒し、岩を素手で砕き、すぐに素材は集まった。
種々の素材の前に立ち、精神を集中させる。
――やり方はもうわかっている。頭の中で作りたい物をイメージして、魔力を込める。
瘴気も遮断して快適に暮らせる広い家が欲しい。
深呼吸した後、一気に魔力を込めた。
「《神器生成》!」
木材と岩石が白い粒子になり、また別の形に姿を変える。
十秒も経たぬうちに、二階建ての立派な屋敷が現れた。
<ネオンとブリジットの家>
等級:神話級
能力:瘴気を遮断する機能がある家。神話級以下の攻撃ではビクともしない堅牢な造り。4LDKの二階建て。お風呂や洗面台など、日常生活に必要な部屋もだいたい揃っている。
この世界の等級は、下からゴミ級、超低級、低級、中級、上級、超上級、伝説級、そして神話級と分類されている。
一般的な家庭用回復ポーションが概ね低級で、飛び地で採取した木の枝はゴミ級、国宝に認定される魔道具でやっと伝説級だ。
二人に物の等級などはまだ把握できないが、それでも極めて立派な家であることは明白だった。
ネオンはブリジットと一緒に家に入ると、即座にとある変化を感じ取った。
「肌がピリピリしないね!」
「さすがです、ネオン様! この家は瘴気を遮断しているのです! こんな素晴らしいスキル、王国にも……いえ、世界中どこにもありません!」
「ありがとう、どうにかできて……もががっ!」
また彼女の胸に埋もれてしまうわけだが、ネオンはスキルが使えて嬉しい。
――何はともあれ、うまくできてよかった!
神器生成が終わったところで、ネオンはブリジットに制裁の件を伝えた。
「……というわけで、ブリジットは対象から外してあるからね。大丈夫だと思うけど、一応注意してほしいんだ。何か異常を感じたらすぐ教えて」
「ありがとうございます、ネオン様。私は常にネオン様の半径2m以内におりますので、問題ないと思われます」
「あ、ありがとう、そうだったね。でも、お……」
「では、お食事にいたしましょう」
ブリジットが宮殿から隠し持ってきてくれた食糧で食事を済まし、早めに就寝することになった。
……のだが。
「ど、どうして、ブリジットが僕のベッドにいるの……!?」
家には彼女の寝室もあるのに、当の本人は当然のようにネオンのベッドに入り込んできた。
「飛び地に来たからといって、宮殿での習慣を止める必要はございません」
「こんな習慣なかったような……」
「気のせいでございます。それではおやすみなさいませ」
ブリジットは端的に告げると、すやすやと眠ってしまった。
こうなるともう彼女は自分の意思でないと起きない。
ネオンは諸々の柔い感触と良い匂いにドキドキしつつも、そっと目を閉じる。
今日は本当に色々あったな、と。
――思ってもない追放だったけど、明日が楽しみなのはいいな。この調子でどんどん領地を発展させるぞ。……目立たないようにね。
そう思いながら、久し振りの心地よい眠りに就いた。
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