25 / 115
第25話:スパイのお茶会1
しおりを挟む
ある日の昼過ぎ。
領地の一角で、お茶会を開いている人物がいた。
ルイザ、ベネロープ、キアラの三人だ。
出会ってすぐ意気投合した彼女たちは、親睦をより深めるためお茶会を開いたのだ。
ルイザがティーポットとカップを片手持ちで運んできた。
「お~い、茶が湧いたぞ~」
「ありがとう、ルイザ君。ちょうどお菓子が焼けたところさ」
「わたくしがナイフで切り分けますわ」
テーブルに並ぶは、畑で採れた茶葉を湧かしたネオン茶(ブリジット命名)と、野菜や果物で作った菓子だ。
お茶会を始めるにあたって自然と役割分担し、とても豪華なアフタヌーン・ティーとなっていた。
今回はルイザが代表してカップを掲げる。
「それじゃあ、あたしらの親睦を祈願して……ティータイムといこう!」
「「仲良くしましょう!」」
一緒にネオン茶を飲むと、思わずはぁぁ~とため息をついた。
紅茶より渋みが少なく、まろやかな口当たりがおいしい。
ベネロープの作ったお菓子を食べると、ルイザもキアラも目を見開いた。
「うまい! 生地がめっちゃサクサクだ!」
「控えめな甘さが上品ですね! お料理がお上手で羨ましいです!」
「ありがとう。お菓子作りはボクの数少ない趣味なのさ」
笑顔の三人は話しながら思う。
(なんか、こいつらとは妙に気が合うんだよなぁ)
(この二人とは仲良くなれそうな気がする)
(親近感を覚えるのはなぜでしょうか)
スパイ同士なのだから、当然と言えば当然である。
茶を飲みながら話していたら、自然とネオンの話題に移り変わった。
ルイザはカップを置くと、やや得意げな表情で話す。
「それにしても、ネオンは立派な領主だな。最近、二人っきりで話すことが多いんだが、話せば話すほど人徳あふれた人間だとわかるぜ」
鋤の一件以来、話す機会が増えたのは事実である。
ネオンの隣にはブリジットが常にいるので、二人っきりというのには語弊があったが……。 ルイザの話を聞き、ベネロープとキアラはピクリと顔が険しくなった。
「……ふ~ん、よかったじゃないか。まぁ、ボクもネオン君と話す機会が増えているけどね。ついさっきも領地開拓について意見を交わしたところさ」
「それを言うなら、わたくしだって今朝ネオンさんと挨拶いたしましたわ。おはようって言ってくださいました」
三人はネオンとの関係について、さりげなくも歴とした牽制を始める。
(あたしが一番……)
(ボクが一番……)
(わたくしが一番……)
((仲良くなる!))
本国のために、そして自分のために……。
論争が白熱し始めたとき、渦中のネオンがブリジットと一緒にやってきた。
自分たちに気づくと、お~いと手を振ってこちらに来る。
「皆さん、仲がよろしいんですね~。うわぁ、おいしそうなお菓子~」
「ネオン!」
「ネオン君!」
「ネオンさん!」
我先にと駆け寄るが、ずいっ……と何者かに阻まれた。
……ブリジットだ。
「こらっ、休憩時間はもう終わりですよ。さっさと働きなさい。働かない者に住む場所はありませんからね」
「「……ぐぎぎ」」
「まぁまぁ、領地もだいぶ発展してきたんだし、のんびり楽しく暮らそうよ」
「まったく、ネオン様は優しすぎます。甘やかすともっとティータイムしかねません」
ブリジットからネオンの近くに寄りすぎないよう追加の注意をもらい、午後のお茶会はお開きとなった。
時間としてもちょうどいい。
ルイザ、ベネロープ、キアラは席を立ち、仕事の準備を進める。
「さて、今日も頑張ろうぜ」
「そうだね。一日一日を大切に過ごそう」
「領地の発展はやりがいのある仕事です」
簡単な挨拶を交わし、それぞれの領民(部下)の元へと向かう。
((難民だなんて……大変だなぁ~))
三人は互いにスパイ同士だと気づかぬまま、今日も領地開拓に精を出す。
領地の一角で、お茶会を開いている人物がいた。
ルイザ、ベネロープ、キアラの三人だ。
出会ってすぐ意気投合した彼女たちは、親睦をより深めるためお茶会を開いたのだ。
ルイザがティーポットとカップを片手持ちで運んできた。
「お~い、茶が湧いたぞ~」
「ありがとう、ルイザ君。ちょうどお菓子が焼けたところさ」
「わたくしがナイフで切り分けますわ」
テーブルに並ぶは、畑で採れた茶葉を湧かしたネオン茶(ブリジット命名)と、野菜や果物で作った菓子だ。
お茶会を始めるにあたって自然と役割分担し、とても豪華なアフタヌーン・ティーとなっていた。
今回はルイザが代表してカップを掲げる。
「それじゃあ、あたしらの親睦を祈願して……ティータイムといこう!」
「「仲良くしましょう!」」
一緒にネオン茶を飲むと、思わずはぁぁ~とため息をついた。
紅茶より渋みが少なく、まろやかな口当たりがおいしい。
ベネロープの作ったお菓子を食べると、ルイザもキアラも目を見開いた。
「うまい! 生地がめっちゃサクサクだ!」
「控えめな甘さが上品ですね! お料理がお上手で羨ましいです!」
「ありがとう。お菓子作りはボクの数少ない趣味なのさ」
笑顔の三人は話しながら思う。
(なんか、こいつらとは妙に気が合うんだよなぁ)
(この二人とは仲良くなれそうな気がする)
(親近感を覚えるのはなぜでしょうか)
スパイ同士なのだから、当然と言えば当然である。
茶を飲みながら話していたら、自然とネオンの話題に移り変わった。
ルイザはカップを置くと、やや得意げな表情で話す。
「それにしても、ネオンは立派な領主だな。最近、二人っきりで話すことが多いんだが、話せば話すほど人徳あふれた人間だとわかるぜ」
鋤の一件以来、話す機会が増えたのは事実である。
ネオンの隣にはブリジットが常にいるので、二人っきりというのには語弊があったが……。 ルイザの話を聞き、ベネロープとキアラはピクリと顔が険しくなった。
「……ふ~ん、よかったじゃないか。まぁ、ボクもネオン君と話す機会が増えているけどね。ついさっきも領地開拓について意見を交わしたところさ」
「それを言うなら、わたくしだって今朝ネオンさんと挨拶いたしましたわ。おはようって言ってくださいました」
三人はネオンとの関係について、さりげなくも歴とした牽制を始める。
(あたしが一番……)
(ボクが一番……)
(わたくしが一番……)
((仲良くなる!))
本国のために、そして自分のために……。
論争が白熱し始めたとき、渦中のネオンがブリジットと一緒にやってきた。
自分たちに気づくと、お~いと手を振ってこちらに来る。
「皆さん、仲がよろしいんですね~。うわぁ、おいしそうなお菓子~」
「ネオン!」
「ネオン君!」
「ネオンさん!」
我先にと駆け寄るが、ずいっ……と何者かに阻まれた。
……ブリジットだ。
「こらっ、休憩時間はもう終わりですよ。さっさと働きなさい。働かない者に住む場所はありませんからね」
「「……ぐぎぎ」」
「まぁまぁ、領地もだいぶ発展してきたんだし、のんびり楽しく暮らそうよ」
「まったく、ネオン様は優しすぎます。甘やかすともっとティータイムしかねません」
ブリジットからネオンの近くに寄りすぎないよう追加の注意をもらい、午後のお茶会はお開きとなった。
時間としてもちょうどいい。
ルイザ、ベネロープ、キアラは席を立ち、仕事の準備を進める。
「さて、今日も頑張ろうぜ」
「そうだね。一日一日を大切に過ごそう」
「領地の発展はやりがいのある仕事です」
簡単な挨拶を交わし、それぞれの領民(部下)の元へと向かう。
((難民だなんて……大変だなぁ~))
三人は互いにスパイ同士だと気づかぬまま、今日も領地開拓に精を出す。
113
あなたにおすすめの小説
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
大国に囲まれた小国の「魔素無し第四王子」戦記(最強部隊を率いて新王国樹立へ)
たぬころまんじゅう
ファンタジー
小国の第四王子アルス。魔素による身体強化が当たり前の時代に、王族で唯一魔素が無い王子として生まれた彼は、蔑まれる毎日だった。
しかしある日、ひょんなことから無限に湧き出る魔素を身体に取り込んでしまった。その日を境に彼の人生は劇的に変わっていく。
士官学校に入り「戦略」「戦術」「武術」を学び、仲間を集めたアルスは隊を結成。アルス隊が功績を挙げ、軍の中で大きな存在になっていくと様々なことに巻き込まれていく。
領地経営、隣国との戦争、反乱、策略、ガーネット教や3大ギルドによる陰謀にちらつく大国の影。様々な経験を経て「最強部隊」と呼ばれたアルス隊は遂に新王国樹立へ。
異能バトル×神算鬼謀の戦略・戦術バトル!
圧倒的不利な状況を武と知略で切り抜ける!
☆史実に基づいた戦史、宗教史、過去から現代の政治や思想、経済を取り入れて書いた大河ドラマをお楽しみください☆
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
RPGのストーリー開始前に殺されるモブに転生した俺、死亡フラグを回避してラスボス助けたら女主人公が現れてなぜか修羅場になった。
白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
――死亡フラグのあるモブに転生した。なぜか男主人公の姿で。
王国に孤児院の子供達を殺された少女ミュライトがラスボスのRPG『プリテスタファンタジー』。
物語後半でミュライトと主人公は互いに孤児院出身であることが分かり、彼女を倒した主人公がその死を悲しむ絶望的なエンディングからいわゆる「鬱ゲー」と呼ばれているゲームでもある。
そして、そんなゲームの物語開始前にミュライトと同じ孤児院に住んでいた子供に転生したが…その見た目はなぜか男主人公シュウだった。
原作との違いに疑問を抱くものの、このままストーリー通りに進めば、ミュライトと主人公が戦って悲惨なエンディングを迎えてしまう。
彼女が闇落ちしてラスボスになるのを防ぐため、彼女が姉のように慕っていたエリシルの命を救ったり、王国の陰謀から孤児達を守ろうと鍛えていると、やがて男主人公を選んだ場合は登場しないはずの女主人公マフィが現れる。
マフィとミュライトが仲良くなれば戦わずに済む、そう考えて二人と交流していくが―
「―あれ? 君たち、なんか原作と違くない?」
なぜか鉢合わせた二人は彼を取り合って修羅場に。
こうして、モブキャラであるはずのシュウは主人公やラスボス達、果ては原作死亡キャラも助けながらまだ見ぬハッピーエンドを目指していく。
※他小説投稿サイトにも投稿中
異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない
成瀬一
ファンタジー
HOTランキング1位感謝です!(2/3)
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー)
ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。
神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。
そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。
ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。
早く穏やかに暮らしたい。
俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。
【毎日18:00更新】
※表紙画像はAIを使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる