29 / 41
第29話:フツラト平野
しおりを挟む
「……どうやら、着いたみたいだね」
〔マスター、木がたくさん生えていますよ〕
〔平野ってよりは森みたい〕
エイメスの稲妻に乗り、俺たち一行はフツラト平野に着いた。
今は上空から様子を見ている。
木々が繁殖し、まるで密林のようだ。
痩せた荒れ地と聞いていたが、今は地面も見えない。
「これも、天の神剣って武器の影響なのかな?」
〔だとすると、その恩恵はとても強いものになりますね〕
〔こんな広範囲に力を与えるなんてすごいわ〕
俺たちの眼下には、辺り一面に生命力あふれる森が広がる。
ここが平野だったなんて、信じられないくらいだ。
「念のため、地図で場所を確認してみよう」
〔そうしましょう〕
〔どれどれ……〕
皆で地図を覗き込む。
コシーもすでに、俺たちと同じ大きさだった。
魔力のコントロールが上手くなって、俺の魔力を溜められるようになったらしい。
今では、自在に身体の大きさを変えられる。
地図を確認したが間違いなかった。
やはり、天の神剣の恩恵で森になってしまったようだ。
「すごい力なんだな……それに、普通の森と違う不思議なオーラがあるね」
森からは胸がざわつくような、異様な雰囲気を感じる。
上空にいても伝わるほどだ。
〔こんなに木が生えていると上からではよく見えませんね……。どうやって探しましょうか〕
コシーの言うように、地面は完全に木の葉で覆われている。
空から見つけるのは難しそうだ。
エイメスもまた、硬い表情で言う。
〔地道に歩いて探すしかなさそうね。でも、広い森だからこの中から探し出すのは大変よ〕
〔何か見つけやすい方法があれば良いのですが……〕
二人は悩むも、俺はある程度の目星をつけていた。
「たぶん、天の神剣は森の中心にあるんじゃないかな? 神剣に近いほど、恩恵の力は強くなると思うんだ」
単純な考え方だが、手掛かりが何もないよりはいいだろう。
〔確かに、アイトの言う通りかも〕
〔と、すると、あの辺りが怪しいですね?〕
コシーが南西を指さした。
そこだけ、背の高い木がたくさん生えている。
「あそこが森の中心みたいだ。行ってみようか」
〔〔了解〕〕
皆で向かおうとしたとき、下の方から何か聞こえてきた。
「……ん? なんだろう」
〔何か聞こえますね、マスター〕
〔人の声かしら?〕
モンスターの鳴き声というよりかは、人間が叫んでいるようだ。
「一度、森へ降りてみよう」
俺たちは地上に降りる。
木が多いせいか、湿気がムワッとするな。
おまけに鬱蒼としているので、声がこもって聞き取りづらい。
よく耳をすます。
木々の隙間を抜けるようにして、前方から聞こえる。
俺たちは声がする方へ走る。
近づいていくと、だんだん声が大きくなり、何と言っているのかはっきりしてきた。
「やめてください!」
「おい、離せよ!」
「誰か、助けてー!」
男女の悲鳴だ。
もしかしたら、凶暴なモンスターに襲われているのかもしれない。
最初はそう思っていた。
〔マスター、大変です!〕
〔ひどい!〕
「あ、あれはっ……!」
しかし、木々を抜けた先では、予想もつかないことが起きていた。
「うるせえ! 抵抗すんな!」
「おとなしくしろ!」
「痛い目に遭いてえのか!?」
あろうことか、冒険者が冒険者に襲われていた。
――……いや、違う! 襲っているのは、冒険者じゃない!
冒険者を襲う人間の身体には、逆十字の入れ墨が刻まれる。
闇オークションの仲介人だった。
〔マスター、木がたくさん生えていますよ〕
〔平野ってよりは森みたい〕
エイメスの稲妻に乗り、俺たち一行はフツラト平野に着いた。
今は上空から様子を見ている。
木々が繁殖し、まるで密林のようだ。
痩せた荒れ地と聞いていたが、今は地面も見えない。
「これも、天の神剣って武器の影響なのかな?」
〔だとすると、その恩恵はとても強いものになりますね〕
〔こんな広範囲に力を与えるなんてすごいわ〕
俺たちの眼下には、辺り一面に生命力あふれる森が広がる。
ここが平野だったなんて、信じられないくらいだ。
「念のため、地図で場所を確認してみよう」
〔そうしましょう〕
〔どれどれ……〕
皆で地図を覗き込む。
コシーもすでに、俺たちと同じ大きさだった。
魔力のコントロールが上手くなって、俺の魔力を溜められるようになったらしい。
今では、自在に身体の大きさを変えられる。
地図を確認したが間違いなかった。
やはり、天の神剣の恩恵で森になってしまったようだ。
「すごい力なんだな……それに、普通の森と違う不思議なオーラがあるね」
森からは胸がざわつくような、異様な雰囲気を感じる。
上空にいても伝わるほどだ。
〔こんなに木が生えていると上からではよく見えませんね……。どうやって探しましょうか〕
コシーの言うように、地面は完全に木の葉で覆われている。
空から見つけるのは難しそうだ。
エイメスもまた、硬い表情で言う。
〔地道に歩いて探すしかなさそうね。でも、広い森だからこの中から探し出すのは大変よ〕
〔何か見つけやすい方法があれば良いのですが……〕
二人は悩むも、俺はある程度の目星をつけていた。
「たぶん、天の神剣は森の中心にあるんじゃないかな? 神剣に近いほど、恩恵の力は強くなると思うんだ」
単純な考え方だが、手掛かりが何もないよりはいいだろう。
〔確かに、アイトの言う通りかも〕
〔と、すると、あの辺りが怪しいですね?〕
コシーが南西を指さした。
そこだけ、背の高い木がたくさん生えている。
「あそこが森の中心みたいだ。行ってみようか」
〔〔了解〕〕
皆で向かおうとしたとき、下の方から何か聞こえてきた。
「……ん? なんだろう」
〔何か聞こえますね、マスター〕
〔人の声かしら?〕
モンスターの鳴き声というよりかは、人間が叫んでいるようだ。
「一度、森へ降りてみよう」
俺たちは地上に降りる。
木が多いせいか、湿気がムワッとするな。
おまけに鬱蒼としているので、声がこもって聞き取りづらい。
よく耳をすます。
木々の隙間を抜けるようにして、前方から聞こえる。
俺たちは声がする方へ走る。
近づいていくと、だんだん声が大きくなり、何と言っているのかはっきりしてきた。
「やめてください!」
「おい、離せよ!」
「誰か、助けてー!」
男女の悲鳴だ。
もしかしたら、凶暴なモンスターに襲われているのかもしれない。
最初はそう思っていた。
〔マスター、大変です!〕
〔ひどい!〕
「あ、あれはっ……!」
しかし、木々を抜けた先では、予想もつかないことが起きていた。
「うるせえ! 抵抗すんな!」
「おとなしくしろ!」
「痛い目に遭いてえのか!?」
あろうことか、冒険者が冒険者に襲われていた。
――……いや、違う! 襲っているのは、冒険者じゃない!
冒険者を襲う人間の身体には、逆十字の入れ墨が刻まれる。
闇オークションの仲介人だった。
122
あなたにおすすめの小説
【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。
夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる