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第36話:昼食会
定刻通り、ステラとアイザックは昼食会の会場に到着した。
すでに待っていたマルコとリリアナは緊張した面持ちで出迎える。
会場は宮殿の一階にある、ほどほどの大きさの部屋――"静饗の間"だ。
庭園に面する大きな窓があり、その名の通り静かで落ち着いた空間だった。
それほど巨大な部屋ではないが優雅な雰囲気に根強い人気があり、マルコとリリアナは裏で予約の取得に力を注いだ。
今日使いたかった高位貴族への根回しなど努力が伝わったアイザックは、さりげなく労いの言葉をかける。
「久しぶりに来たが、やはりここは良い部屋だな。予約を取るのは大変だったろう。感謝する、シャルテ子爵家」
たちまち、マルコもリリアナも表情に安堵の色が滲んだ。
(実は、パパ様は優しいのよね。目つきさえ直せばもっと人気が出るだろうに)
そう思ったところで、ティナとマチルダが合流した。
ステラの食事を運び入れ、短いながら濃密に彼女を愛でると屋敷に帰った。
ガーランドは彼の部下とともに扉の外で護衛に当たっている。
食事の準備が整ったところで、アイザックがみなに呼びかけた。
「では、食前の祈りを捧げよう」
その場にいる全員が瞳を閉じて両手を合わせる。
食事がある程度進んだところで、マルコが緊張した面持ちで切り出した。
「宰相閣下、今日は昼食に来ていただき誠にありがとうございます。実は、デルバー公爵についてお話したいことがありまして……。恥ずかしながら、我が家の先代はデルバー公爵家に多額の借金をしておりました」
「ああ、もちろん知っている。君が全て返済したこともな。あれだけの金額をこの年月で返せるなど、優秀な貴族だと思っていたところだ」
「身に余るお言葉、恐悦至極でございます。ただ、借金の返済は完了しても、先方は縁が切れたとは思っていないようでして……。事あるごとに嫌がらせをしてくるのです」
「ふむ……」
眉を潜めるアイザックに、マルコとリリアナは現状を簡単に説明する。
彼らは遠隔地での仕事を依頼されたり、夜会では使用人のように扱われたりと、様々な嫌がらせを受けていることがわかった。
二人は続けてさらなる現状を話す。
「最近のデルバー公爵は派閥の引き締めをより一層強めていまして、事あるごとに自分への忠誠を確かめるような行事を開きます」
「当然のように私たちにも参加要請が届きまして、それもまた負担になっております」
シャルテ子爵家だけでなく、他の弱小貴族にも似たようなプレッシャーをかけているようだ。
マルコとリリアナの神妙な顔つきから、彼らを取り巻く環境の難しさがよくわかった。
(貴族って、私が思う以上に体裁とか家と家の関係が大変なんだ。ギュスターヴはあくどい顔つき通り、まさしく悪徳貴族だったってわけね)
ステラはふんすと鼻息荒く思う。
一方、話を聞いたアイザックはこの昼食会の裏の目的を察した。
「つまり、私からデルバー公爵に話をつけてほしい、ということか?」
ステラもそうだろうと思っていたが、予想に反してシャルテ子爵夫妻は慌てた様子で否定した。
「い、いえ、違います! 僕たちは宰相閣下のお手を煩わせるつもりはありません! ただ……ステラお嬢様に勇気を貰えて嬉しかったのです。今日はそのお礼を言いたくてお二人をお誘いいたしました」
マルコの言葉を受け、ステラはぽかんとする。
勇気を与えるような行動をした覚えはなかった。
「わたち、何かしましたっけ?」
こてんと首を傾けると、マルコもリリアナも興奮した様子で捲し立てた。
「デルバー公爵に対する啖呵でございますよ。ステラお嬢様の毅然とした態度を見て、僕たちは勇気を貰いました。赤ちゃんがあんなにはっきりと自分の意見を言っているのに、何をしているのだろうと恥ずかしくなったのです」
「デルバー公爵は子爵よりずっと偉い貴族ではあります。でも、嫌なことは嫌だと、間違っていることは間違っていると、私たちの口から直接言わなければなりませんよね」
「しょういうことでちたか。お役に立てなりゃら良かったでしゅ」
あのときはアイザックが貶められたことに腹が立ち咄嗟に叫んだわけだが、意図せず良い影響を与えていたらしい。
何がどう転ぶかはわからなくて、人生はなんだか不思議だな、とステラは思うのだった。
「実は、この後僕たちはデルバー公爵に会う予定なのですが、本人に縁は切れたとはっきり言います。ステラお嬢様にお会いしなければ、きっといつまでもずるずると関係を続けていたでしょう」
マルコは語る。
その表情はどこか吹っ切れたように爽やかで、シャルテ子爵家の未来は明るいものになるのだろうと想像できた。
室内が和やかな空気に包まれたとき。
不意に、廊下が騒がしくなったのをステラは感じる。
アイザックも感じ取ったようで、表情が険しくなった。
続けて、扉がやや強めにノックされる。
顔を出したガーランドにアイザックが尋ねる。
「どうした、騒がしいな」
「ええ、それが……デルバー公爵がこちらに向かっているようでして」
(えっ、ギュスターヴが? なんで?)
無論、この昼食会に誘われてなどいない。
一同が疑問に思う中、マルコが申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にした。
「おそらく、デルバー公爵は僕たちの動向を探っていたのだと思います。どこかで僕たちの思惑が漏れていた可能性も……。詰めが甘くて申し訳ありません、宰相閣下」
「いや、むしろ良い機会だ。ここで直接言ってしまえばいい」
「でちたら、わたちも戦いましゅ。赤ちゃんでしゅけど味方になりましゅよ」
アイザックは淡々と言い、ステラはむんっと小さな手を握る。
力強い味方を、一気に二人も得たシャルテ子爵家。
彼らは少しばかりハッとしていたが、やがて朗らかな微笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
立ち回りが共有できたところで、アイザックはガーランドに合図を送る。
扉が塞がれることはなく、騒がしさの元凶が現れた。
「おい、シャルテ子爵家よ。私に断りもなく昼食会を開くとはどういう了見だ?」
デルバー公爵とその娘、クラリスが"静饗の間"に入る。
すでに待っていたマルコとリリアナは緊張した面持ちで出迎える。
会場は宮殿の一階にある、ほどほどの大きさの部屋――"静饗の間"だ。
庭園に面する大きな窓があり、その名の通り静かで落ち着いた空間だった。
それほど巨大な部屋ではないが優雅な雰囲気に根強い人気があり、マルコとリリアナは裏で予約の取得に力を注いだ。
今日使いたかった高位貴族への根回しなど努力が伝わったアイザックは、さりげなく労いの言葉をかける。
「久しぶりに来たが、やはりここは良い部屋だな。予約を取るのは大変だったろう。感謝する、シャルテ子爵家」
たちまち、マルコもリリアナも表情に安堵の色が滲んだ。
(実は、パパ様は優しいのよね。目つきさえ直せばもっと人気が出るだろうに)
そう思ったところで、ティナとマチルダが合流した。
ステラの食事を運び入れ、短いながら濃密に彼女を愛でると屋敷に帰った。
ガーランドは彼の部下とともに扉の外で護衛に当たっている。
食事の準備が整ったところで、アイザックがみなに呼びかけた。
「では、食前の祈りを捧げよう」
その場にいる全員が瞳を閉じて両手を合わせる。
食事がある程度進んだところで、マルコが緊張した面持ちで切り出した。
「宰相閣下、今日は昼食に来ていただき誠にありがとうございます。実は、デルバー公爵についてお話したいことがありまして……。恥ずかしながら、我が家の先代はデルバー公爵家に多額の借金をしておりました」
「ああ、もちろん知っている。君が全て返済したこともな。あれだけの金額をこの年月で返せるなど、優秀な貴族だと思っていたところだ」
「身に余るお言葉、恐悦至極でございます。ただ、借金の返済は完了しても、先方は縁が切れたとは思っていないようでして……。事あるごとに嫌がらせをしてくるのです」
「ふむ……」
眉を潜めるアイザックに、マルコとリリアナは現状を簡単に説明する。
彼らは遠隔地での仕事を依頼されたり、夜会では使用人のように扱われたりと、様々な嫌がらせを受けていることがわかった。
二人は続けてさらなる現状を話す。
「最近のデルバー公爵は派閥の引き締めをより一層強めていまして、事あるごとに自分への忠誠を確かめるような行事を開きます」
「当然のように私たちにも参加要請が届きまして、それもまた負担になっております」
シャルテ子爵家だけでなく、他の弱小貴族にも似たようなプレッシャーをかけているようだ。
マルコとリリアナの神妙な顔つきから、彼らを取り巻く環境の難しさがよくわかった。
(貴族って、私が思う以上に体裁とか家と家の関係が大変なんだ。ギュスターヴはあくどい顔つき通り、まさしく悪徳貴族だったってわけね)
ステラはふんすと鼻息荒く思う。
一方、話を聞いたアイザックはこの昼食会の裏の目的を察した。
「つまり、私からデルバー公爵に話をつけてほしい、ということか?」
ステラもそうだろうと思っていたが、予想に反してシャルテ子爵夫妻は慌てた様子で否定した。
「い、いえ、違います! 僕たちは宰相閣下のお手を煩わせるつもりはありません! ただ……ステラお嬢様に勇気を貰えて嬉しかったのです。今日はそのお礼を言いたくてお二人をお誘いいたしました」
マルコの言葉を受け、ステラはぽかんとする。
勇気を与えるような行動をした覚えはなかった。
「わたち、何かしましたっけ?」
こてんと首を傾けると、マルコもリリアナも興奮した様子で捲し立てた。
「デルバー公爵に対する啖呵でございますよ。ステラお嬢様の毅然とした態度を見て、僕たちは勇気を貰いました。赤ちゃんがあんなにはっきりと自分の意見を言っているのに、何をしているのだろうと恥ずかしくなったのです」
「デルバー公爵は子爵よりずっと偉い貴族ではあります。でも、嫌なことは嫌だと、間違っていることは間違っていると、私たちの口から直接言わなければなりませんよね」
「しょういうことでちたか。お役に立てなりゃら良かったでしゅ」
あのときはアイザックが貶められたことに腹が立ち咄嗟に叫んだわけだが、意図せず良い影響を与えていたらしい。
何がどう転ぶかはわからなくて、人生はなんだか不思議だな、とステラは思うのだった。
「実は、この後僕たちはデルバー公爵に会う予定なのですが、本人に縁は切れたとはっきり言います。ステラお嬢様にお会いしなければ、きっといつまでもずるずると関係を続けていたでしょう」
マルコは語る。
その表情はどこか吹っ切れたように爽やかで、シャルテ子爵家の未来は明るいものになるのだろうと想像できた。
室内が和やかな空気に包まれたとき。
不意に、廊下が騒がしくなったのをステラは感じる。
アイザックも感じ取ったようで、表情が険しくなった。
続けて、扉がやや強めにノックされる。
顔を出したガーランドにアイザックが尋ねる。
「どうした、騒がしいな」
「ええ、それが……デルバー公爵がこちらに向かっているようでして」
(えっ、ギュスターヴが? なんで?)
無論、この昼食会に誘われてなどいない。
一同が疑問に思う中、マルコが申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にした。
「おそらく、デルバー公爵は僕たちの動向を探っていたのだと思います。どこかで僕たちの思惑が漏れていた可能性も……。詰めが甘くて申し訳ありません、宰相閣下」
「いや、むしろ良い機会だ。ここで直接言ってしまえばいい」
「でちたら、わたちも戦いましゅ。赤ちゃんでしゅけど味方になりましゅよ」
アイザックは淡々と言い、ステラはむんっと小さな手を握る。
力強い味方を、一気に二人も得たシャルテ子爵家。
彼らは少しばかりハッとしていたが、やがて朗らかな微笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
立ち回りが共有できたところで、アイザックはガーランドに合図を送る。
扉が塞がれることはなく、騒がしさの元凶が現れた。
「おい、シャルテ子爵家よ。私に断りもなく昼食会を開くとはどういう了見だ?」
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