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第二章 大魔女の遺産
22, 帝國の密偵
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執務室を出て、王宮の石畳を進む”疾風の黒豹”の三人。リーダーのエグゼは終始無言だった。ベリルが何度か口を開きかけては閉じ、ルシアも表情を変えずに後ろをついていく。
「……くそ、腑に落ちねぇな」
ベリルがとうとうぼやくと、エグゼもつられるように肩をすくめた。
「仕方ねえさ。王族のご決定には逆らえねえ。ギルドだって今回ばかりは口出しできんだろ」
「……まあな」
ベリルが頭をかくと、そのまま空を見上げた。白い雲が、風に流されるように遠ざかっていく。
「今日は解散だ。またギルドで集まろう。しばらくは別行動でもいいだろ」
エグゼの言葉を合図に、三人は王宮の正門で自然に分かれた。ベリルは街の西へ、エグゼは東へと歩き去る。
残ったルシアは二人の背を見送り、無言のまま踵を返した。
誰にも気づかれぬように路地を抜け、王都北端の古い廃区画へと足を向けるルシア。石畳の裂けた裏路地、その奥にある無人の小聖堂へと。
扉に手をかざすと、見えない魔法陣が淡く輝き、低い軋み音とともに扉が開いた。階段を下り、冷たい空気に包まれた聖堂のような空間へと降りると、すでに一人の男が立っていた。フードを深く被り、その顔は影に隠れている。
「……遅かったな、ルシア」
冷たく乾いた声が響いた。ルシアは薄く、仮面のような笑みを浮かべて答える。
「王宮を出るタイミングを計っていたんです。無用な疑いを持たれたくありませんからね。王家は“我々を塔から排除する”という判断を下しました」
ルシアの声も、冒険者としての快活さなど欠片もなかった。無感情で機械的だ。
「つまり、表向きの調査は王族が直接動くということだな」
「アドニスとリディアの二人が交渉の名目で森へ向かうそうです。大魔女の遺産をただの伝承とは見ていない証拠です」
「なるほど。それで、以前お前が報告していた“森で出会った子供”について、何か判明したか?」
「確証は得られませんでした。ただ、二度目に森へ足を踏み入れた瞬間、魔力の流れが一変しました。あれは風の魔力――いや、もっと根源的な、“空気そのもの”をまとっているような感覚でした」
「空気そのもの……? まさか、気圏の素質を持つ者か? いや、そんな存在は伝説にしか……」
「ハッキリ分かったわけではありません。風の魔法を極限までコントロールしているだけかもしれません。まだ子供の姿をしていましたが、大魔女エアデの結界を難なく越えて行きました。ただものではなかったのは確かです。あれが自然ならば、塔の魔力と呼応しているとしか思えません」
「まだ幼いか?」
「見た目は……黒髪で六歳前後。ただ、体内の魔力量は完全に常人の域を超えているのではないかと思います。恐らく大魔女エアデとの血縁か、魂の継承体かと」
「……一瞬の邂逅だったのによく観察しているな、ルシア」
「それが私の任務です。冒険者としての“顔”も、そろそろ役目を終えるかもしれませんが……」
「塔の情報はすでに帝國評議に報告済みだ。お前の情報は貴重で、正確だった。再度森へ侵入することは可能か? 子供が近隣の町に紛れ込んでいる可能性は? なんとしてでもその黒髪の子供の正体を探れ」
「わかりました。あのエアデの塔から一番近いのはグランジェの町。普通の子供が魔獣の森の奥にあるあの塔から簡単に町に出られるとは思えませんが、もしも高度な魔法の使い手ならその限りではないでしょう。私は再びグランジェの町に向かい、その子供を探すことにします。可能ならば森の結界まで再度接触します」
「なるべく直接の連れ去りは避けろ。対象が森の結界と繋がっているならば、強硬手段は危険だ。だが、相手の心を開かせ、連れ出せるなら……」
ルシアは頷いた。仮面の男はそれを見届けると、ゆっくりと背を向けた。
「――この任務が終われば、しばらくの休暇と褒美をを与える」
「了解しました。……私は任務を果たします。すべては帝國の未来のために」
男の気配が消えると、聖堂の中には再び静寂が戻った。ルシアは壁に背を預け、深く息をつく。
灯りのない空間に、彼の呼吸音だけが響く。
帝國の未来のために──何度、自分にそう言い聞かせてきただろう。
気がついたときには、すでに帝國の中にいた。名前も、家族も、すべてを失っていた。覚えているのは、冷たい石の床と、教官の鋭い視線だけ。
高い魔力量を持っていた彼は、「ルシア」と名づけられ、無機質な教練室で暗殺、潜入、魔術、あらゆる技術を叩き込まれた。
彼にとって過去は空白だった。ただ、一度だけ夢に見た。どこまでも続く青い空と、誰かの腕に抱かれていた記憶……。
(俺は、本当はいったい誰なんだ?)
帝國に忠誠を誓い、任務を果たす。それが“ルシア”としての存在意義だ。そう教え込まれたはずだった。
だが、エアーレイ王国港町グランジェで見かけた風景の片隅に、胸がざわつく瞬間がある。
見知らぬはずの路地に、懐かしさを覚えたことがある。
誰かの言葉に、涙が滲む瞬間があった。
「この場所こそが、本当の故郷ではないか」──そんな想いが、心の奥底で燻り続けている。
「……もし記憶が戻ったら、俺は自分を赦せなくなるかもしれないな」
自嘲を込めて呟き、ルシアはフードを深く被った。
いつも何かが足りなかった。それは記憶の中に眠るものなのかわからない。たった一つの願い……過去を取り戻すこと。それは、彼にとって“任務”よりもずっと前から胸に巣食っている小さな棘だった。
帝國に与えられた使命を果たしながらも、その答えをどこかで探している。
ルシアは自分の右肩に左掌を添えた。
その肌には、帝國への服従を強いる呪紋が刻まれている。裏切りを試みれば、全身を貫く痛みによって命を落とすだろう。
子供を騙して連れ去ることは本意ではない。だが、逆らえば死が待っている。
あの子供──あの存在。 結界を越え、風そのものをまとって現れた、小さな影。
自分を遥かに超える、圧倒的な魔力を持つ存在。
もしも彼がこの状況を打破する“風”となるなら──。
胸の奥で、小さな光がふっと灯った気がした。
「……なんとしてでも、あの子供の正体を突き止める」
ルシアは静かに、小聖堂を後にした。
「……くそ、腑に落ちねぇな」
ベリルがとうとうぼやくと、エグゼもつられるように肩をすくめた。
「仕方ねえさ。王族のご決定には逆らえねえ。ギルドだって今回ばかりは口出しできんだろ」
「……まあな」
ベリルが頭をかくと、そのまま空を見上げた。白い雲が、風に流されるように遠ざかっていく。
「今日は解散だ。またギルドで集まろう。しばらくは別行動でもいいだろ」
エグゼの言葉を合図に、三人は王宮の正門で自然に分かれた。ベリルは街の西へ、エグゼは東へと歩き去る。
残ったルシアは二人の背を見送り、無言のまま踵を返した。
誰にも気づかれぬように路地を抜け、王都北端の古い廃区画へと足を向けるルシア。石畳の裂けた裏路地、その奥にある無人の小聖堂へと。
扉に手をかざすと、見えない魔法陣が淡く輝き、低い軋み音とともに扉が開いた。階段を下り、冷たい空気に包まれた聖堂のような空間へと降りると、すでに一人の男が立っていた。フードを深く被り、その顔は影に隠れている。
「……遅かったな、ルシア」
冷たく乾いた声が響いた。ルシアは薄く、仮面のような笑みを浮かべて答える。
「王宮を出るタイミングを計っていたんです。無用な疑いを持たれたくありませんからね。王家は“我々を塔から排除する”という判断を下しました」
ルシアの声も、冒険者としての快活さなど欠片もなかった。無感情で機械的だ。
「つまり、表向きの調査は王族が直接動くということだな」
「アドニスとリディアの二人が交渉の名目で森へ向かうそうです。大魔女の遺産をただの伝承とは見ていない証拠です」
「なるほど。それで、以前お前が報告していた“森で出会った子供”について、何か判明したか?」
「確証は得られませんでした。ただ、二度目に森へ足を踏み入れた瞬間、魔力の流れが一変しました。あれは風の魔力――いや、もっと根源的な、“空気そのもの”をまとっているような感覚でした」
「空気そのもの……? まさか、気圏の素質を持つ者か? いや、そんな存在は伝説にしか……」
「ハッキリ分かったわけではありません。風の魔法を極限までコントロールしているだけかもしれません。まだ子供の姿をしていましたが、大魔女エアデの結界を難なく越えて行きました。ただものではなかったのは確かです。あれが自然ならば、塔の魔力と呼応しているとしか思えません」
「まだ幼いか?」
「見た目は……黒髪で六歳前後。ただ、体内の魔力量は完全に常人の域を超えているのではないかと思います。恐らく大魔女エアデとの血縁か、魂の継承体かと」
「……一瞬の邂逅だったのによく観察しているな、ルシア」
「それが私の任務です。冒険者としての“顔”も、そろそろ役目を終えるかもしれませんが……」
「塔の情報はすでに帝國評議に報告済みだ。お前の情報は貴重で、正確だった。再度森へ侵入することは可能か? 子供が近隣の町に紛れ込んでいる可能性は? なんとしてでもその黒髪の子供の正体を探れ」
「わかりました。あのエアデの塔から一番近いのはグランジェの町。普通の子供が魔獣の森の奥にあるあの塔から簡単に町に出られるとは思えませんが、もしも高度な魔法の使い手ならその限りではないでしょう。私は再びグランジェの町に向かい、その子供を探すことにします。可能ならば森の結界まで再度接触します」
「なるべく直接の連れ去りは避けろ。対象が森の結界と繋がっているならば、強硬手段は危険だ。だが、相手の心を開かせ、連れ出せるなら……」
ルシアは頷いた。仮面の男はそれを見届けると、ゆっくりと背を向けた。
「――この任務が終われば、しばらくの休暇と褒美をを与える」
「了解しました。……私は任務を果たします。すべては帝國の未来のために」
男の気配が消えると、聖堂の中には再び静寂が戻った。ルシアは壁に背を預け、深く息をつく。
灯りのない空間に、彼の呼吸音だけが響く。
帝國の未来のために──何度、自分にそう言い聞かせてきただろう。
気がついたときには、すでに帝國の中にいた。名前も、家族も、すべてを失っていた。覚えているのは、冷たい石の床と、教官の鋭い視線だけ。
高い魔力量を持っていた彼は、「ルシア」と名づけられ、無機質な教練室で暗殺、潜入、魔術、あらゆる技術を叩き込まれた。
彼にとって過去は空白だった。ただ、一度だけ夢に見た。どこまでも続く青い空と、誰かの腕に抱かれていた記憶……。
(俺は、本当はいったい誰なんだ?)
帝國に忠誠を誓い、任務を果たす。それが“ルシア”としての存在意義だ。そう教え込まれたはずだった。
だが、エアーレイ王国港町グランジェで見かけた風景の片隅に、胸がざわつく瞬間がある。
見知らぬはずの路地に、懐かしさを覚えたことがある。
誰かの言葉に、涙が滲む瞬間があった。
「この場所こそが、本当の故郷ではないか」──そんな想いが、心の奥底で燻り続けている。
「……もし記憶が戻ったら、俺は自分を赦せなくなるかもしれないな」
自嘲を込めて呟き、ルシアはフードを深く被った。
いつも何かが足りなかった。それは記憶の中に眠るものなのかわからない。たった一つの願い……過去を取り戻すこと。それは、彼にとって“任務”よりもずっと前から胸に巣食っている小さな棘だった。
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もしも彼がこの状況を打破する“風”となるなら──。
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ルシアは静かに、小聖堂を後にした。
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