ボクは転生者!塩だけの世界で料理&領地開拓!

あんり

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第1章 カイト、五歳までの軌跡

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うわっ、全然弱風じゃないよ、強風よ、うわー、ちょっ、ちょ、ストーップ。

「うおーっ、あちっ、危ない。カイト様、いきなりなんてことするんですか?私はもうすぐ丸焦げでしたよっ」

ボクが出した風は思っていたより強く吹き出して、その風は目の前の炎を纏い、その先にいるハーレン団長へ襲いかかるところだった。火が襲う前にハーレン団長はその場から一瞬で避けたから何ともなかったんだけど。

1部だけ、ほんの少し焼けたシナモンの木は森に甘い香りを振りまいていた。


「ごめんなさい。ハーレン団長、大丈夫?怪我してない?」

「大丈夫です、すぐ避けましたから、気をつけてくださいよ」

おわっ、驚いた。なんだ、今何が起きた?
向こうにいるあの子は風を出したのか?
なんて威力だ。

「うん、気をつける。本当にごめんね。弱い風送るつもりだったんだけど、もっと弱い風送るね。さっきみたいな風は送らないからハーレン団長、シナモンを麻袋に入れて、袋の口は開けたまま火に向けて持ってて」

ん?シナモン?ああ、さっき採取した木の皮のことか。

「わかりました。充分気をつけて下さい」

「うん、わかった、じゃ、次はもっと弱くするね」

危なかったー、扇風機の弱風をイメージしてあの威力、やばいよ。
えっと、えっと、扇風機の弱風がダメなら、なんだ?うちわ?いや、うちわはなかなか風強いよ。
えっと、あ、そうだ。そよ風をイメージしよう。
軽く頬に触れるくらいの、肌をゆっくり撫でるくらいの風をイメージして、そよ風くらいかな?

今のイメージをしながら風を起こしてみる。
うん、次は上手くいったみたい。

送った風は、ハーレン団長が起こした火を微かに揺らしながら、向こう側にいるハーレン団長の所へと揺らいでいく。

「カイト様、なんだか温かい風が来ましたよ、これで何をするんです?」

「えっとね、もう少し風を強くするね。その風をシナモンに当てて欲しいの。」

「それをどうするんですか?」

「袋に温風を当ててシナモンの乾燥を早めるの。乾燥したら使えるようになるんだっ」

使う?何に使うんだ?
用途がさっぱり分からないが、指示に従うしかない。

「カイト様、このシナモンてやつを乾燥させたらどうするんですか?」

「え?食べるけど?」

「はえ?」
食べるだと?木をかじれと言うのか?
思わず変な声が出たのも気づかない。

「あははっ、なあに?はぇって。ハーレン団長、はぇって、可笑しい、あははっ」

いや、変な声になった、け、ど、も!
恥ずかしさを隠すぞ。誤魔化すぞ。

「カイト様、笑わないで下さい。教えて下さい。この木を食べるんですか?気が触れましたか?」

あれー、ハーレン団長、ギャグも言えるの?

「あははははっ。を食べる?が触れた?あはは」

いつも笑ってないハーレン団長の焦る顔が可笑しくてボクは笑いのツボにハマっちゃたよね、ハーレン団長面白いねー。

「笑い事じゃありません」

いや、怖い顔しても無駄だよ、もうハーレン団長、ボクの中ではちょいと面白いおじさん認定だよね。

いつの間にか、家族と離れた寂しさもほんの少し軽くなって、王太子妃と浮気をしたイケナイおじさんというハーレン団長のイメージも薄くなっていた。

そして、ボクの中では、あの橋の上でボクを助けてくれた人、ゴリランの群れからボクを守ろうとしてくれたこと、軍馬で走る時ボクを抱えて揺れを軽減してくれたこと、そして今シナモンを文句も言わず取り出してくれて、そしてギャグも言う、そんなハーレン団長の事が人として好きになっていった。

「本当に食べるのですか?」

「うん、凄く美味しいと思う。それをこれから証明したいと思うの」

そう、ボクにはあのレシピが頭にある。
もうお昼もだいぶ過ぎちゃってお腹がすいてしょうがない。

 「作る?」

何を作るって言うんだ?あ、でも腹も空いたな。
ベアとダークウルフと戦った時に食料の入った袋は置いてきたままだ。
この子のいたマーシュ領はたしか最近変わった食べ物があるって聞いたことがあったな、しかもどれも美味しと言っていたか?
もしかしたら何か美味いもんが食えるのか?このシナモンてやらはどう使うんだ?
うーん、考えてもさっぱり、想像もつかない。

私はまたいつの間にかこの子のペースに乗せられて、この子に絆されたのか?
いや、そうじゃないはずだ!
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