静寂の3minutes

nandemoarisa

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5鏡

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あれから新たに三つ分かった事がある。
一つ目は、鏡に文字が現れるのは、お互いが鏡の前にいて、鏡に映っていなければいけない事。
二つ目は、お互い、最近鏡を譲ってもらったと言うこと。
三つ目は、結構、私たちは気が合うということだった。

三つ目に関しては、私が個人的に思っている事なので、紺はどう思っているか分からない。
けれど、案外話していて違和感なく、楽しい。どこに住んでるとか、そういう話はお互い用心深いのか全くしない。
それなのに、通話中も、メッセージのやり取り中も何度も二人で笑った。
私は、一緒に笑えるってことは、ツボが一緒ってことで、だから、そういう人が結構好きだ。

「でも、なんで映っちゃうかが分かんないよね。」

「それな。まあ、自分たちの意思で映せるから良いけどね。勝手に繋がるわけではないし。」

「確かにね。あ、ごめん。勝手に繋げてるわ、私が。」

「あ~そうね。わりとね。あなたが勝手に繋げてますよね。しかも、まあまあの確率で俺が着替えてる時ね。」

「しょうがないじゃん。大体さ、君が着替えてる時に鏡台の前で着替えるからダメなんじゃないの。」

「だって、鏡台の横に棚置いてて、そこに服入ってるんだし、しょうがなくない?横に鏡あったら見るでしょうが。」

「いやいや、着替えてから来なよ。着替え終わってから映りなよ。」

「へーへー、めんどくせえな。」

私たちは大体こんな意味のない会話を超貴重な3分間にしている。
もうこれで、かれこれ一週間経った。全然、話は進展しておらず、中学生みたいな会話が続いている。
仕方ない。相手は中学生くらいだしね。中3かギリ高1くらいかな。見た感じ。いや、中身も相まって。
 LINEのメッセージも意味ない会話が続いていて、お互いが寝る時とか、用事がある時は必ず[またね]スタンプが送られ、
どちらからともなく、また話し出す。この繰り返しだ。

 けれど、さっき鏡タイムが終わって、メッセージで会話をしていたのに本当に突然連絡が来なくなった。
最後のメッセージは「あ~ラーメン食いて」だ。「塩派?醤油派?」と返信したその後、連絡が途絶えた。
 私は、最初はラーメンでも作ってるんだろうかと思って「まあいっか」と思っていたのに、
だんだん不安になってきた。そもそも昼の14時にラーメンなんか食べるだろうか。
お昼は牛丼食べたと言っていたのに、まだラーメンまで食べるだろうか。
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