太陽と月

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そして未来へ

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陽は快感に弱い。若いのだから当然だ。しかも朔也がそうなるよう躾てもいる。
横臥させた身体を後ろから拘束し、鋭い抽挿のリズムで陽の華奢な身体も揺れる。

『陽、愛してる』

嘘偽りのない本心ではあるが、その言葉を免罪符に体力のない陽に無理をさせている自覚はある。

白く薄い背中にいくつもの所有の徴を残しながら、再び陽の茎に指を絡めれば、しっかりと芯を持っているのがわかる。

『んっ  あぁ  はぁっ  あっ  さく  やっ』

少し苦しそうな、大いに熱の籠った声で呼ばれれば、朔也の硬さが増す。

大きなストロークで陽の中を余すことなく擦り続け朔也自身も限界が近くなる。
ここまで来れば同じタイミングで吐精することは容易だ。陽のどこをどうすれば気持ちよくなるのか本人よりも朔也の方がよく解っているのだから。

陽の奥の奥に剛直を押し付けるように腰をグラインドさせながら、茎の裏側を少しだけ強く撫でてやれば、陽の全身に力が入る。

1度目よりも薄く量も少ない白濁を朔也の手で受け止めた瞬間、朔也もゴム越しではあるが陽の肉襞に欲を叩きつけた。

それなのに。

朔也の剛直は力を失わないままだ。陽に煽られ興奮しきりの朔也にはよくあることだ。

しかし、これ以上陽に無理をさせるわけにはいかない。少し残念にも思うが未だ力を失わない剛直を1度抜き去る。
陽を仰向けに寝かせ白濁で汚れた茎と腹をティッシュで拭い、朔也の自身からも先端に白い欲の溜まったゴムを外した。

本当はもう1度、肉襞の中に剛直を埋めたいのだが

『いや。ダメだ』

目の前の陽の負担は手に取るようにわかる。2度の吐精で疲弊しきった陽にこれ以上はダメだ。

そして朔也も己のことはよくわかっている。相手が陽であれば、何度だってできてしまう。

しばらくすれば昂りは収まるだろう。陽に無理を強いるか己が堪えるか、どちらかを選ばなければならないのだ。答えなど決まりきっている。

今必要なのはクールダウン。己にそれを言い聞かせ、陽の隣に横になる。
腕の中に陽を囲い肌を密着させる。その行為が我慢をより辛くさせるのだが、隣に陽がいるのに抱き締めない選択肢などない。

少し落ち着いたら2人で風呂に入り、朝まで陽をゆっくり休ませよう。
理性を総動員させている朔也の隣で、もぞもぞと動き居心地のいい場所を見つけたのだろう。陽がピタリと動きを止めたのだが

『朔也の、まだ硬い』

あろうことが朔也の剛直をユルユルと擦り始めたのだ。陽の手を止めようと手首を掴んだところで、悪魔な天使は更に朔也を煽るのだ。

『もう1度、入れて』

陽を傷つけぬようにと思ったのは朔也の独りよがりだったのだろうか。
陽が望むのなら、もう一度交わることも許されるのだろうか。

『今日はこれでおしまいだ』

陽に言い聞かせているのか、自身に言い聞かせているのか、わからなくなる朔也だった。
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