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20.王宮での記念式典(2)
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「楽しんでおるか」
「レオノーラ様……」
式典も中盤に差し掛かったくらい。
アシュリー達が一通りの貴族との挨拶を終えたタイミングを見計らって、レオノーラがアシュリーのもとを訪れている。
レオノーラも、式典ということでしっかりとしたドレスを着ている。
「素敵なドレスですね」
「そうか? こういう窮屈な服は好かんがの。早く着替えたいわ」
「レオノーラ様? こういう場でこそ王族としての自覚を……」
「止めるのじゃ侯爵。聞こえん……わらわには聞こえんぞー」
アシュリーは、レオノーラがここに来た途端に、さっきまで自分が感じていた会場のしっかりとした雰囲気が、嘘のように無くなるのを感じた。
まるで学園でのひと時のような空気感になるのを……
「相変わらずね。レオノーラ」
とレオノーラに声をかける女性。
その女性は、ゆったりとした足取りでアシュリー達の元にやってくる。
その女性を見たアシュリーの第一印象は、
「(どこかレオノーラ様に似ている……)」
容姿にとどまらず、佇まいや雰囲気がそう感じさせる。
「姉上……」
「レオノーラ様の……お姉様?」
レオノーラのつぶやきから、アシュリーはその女性がレオノーラの姉だと分かった。
「お久しぶりでございます。リディア様」
「ごきげんよう……隣の方は?」
挨拶も早々にアシュリーの方に視線を向けるリディア。
「お初にお目にかかります。アシュリー・クローネと申します」
「そう……貴方が『王家の面汚し』の王女ね」
「!?」
アシュリーは面と向かってそう呼ばれるのは、王国以来で久しぶりだったため、少しリディアに対し恐怖心を感じてしまう。
「姉上!!」
すかさずレオノーラがリディアに対し詰め寄る。
「何? 事実を言っただけでしょ? 所詮王国の話。帝国では関係ないわ」
「それはそうじゃが……」
「話は入っているわ。騎士科の試験で主席になったそうね」
「は、はい……」
「そう。それなら有能ってことね……」
リディアはアシュリーのことを全身くまなく見ている。
アシュリーはその視線に耐えきれなくなり……
「あの……リディア様……」
「貴女……私のものにならない?」
「えっ……?」
アシュリーは、リディアの言ったことに理解が追いついていなかった。
「有能なんでしょ? それなら私のものにならない?」
「いえ。私なんてそんな……」
アシュリーの様子なんかお構いなしで、リディアは彼女をじっと見つめている。
「近くで見ると中々かわいいわね……貴方」
「あ、あの……」
リディアの熱い視線にたじろいでしまうアシュリー。
「姉上! いい加減にせぬか!」
アシュリーとリディアの間に割って入るレオノーラ。
「アシュリーはわらわが先に見つけたのじゃ。姉上にはやらん」
「レオノーラ様……」
「あら。残念」
と言い残すとリディアはその場を去っていく。
「……一つ忠告よ。貴方に優れた能力があるなら、そんな出来損ないより、私といた方が貴方のためよ」
リディアは去り際にそう言い残して、その場を離れていった。
「レオノーラ様……」
式典も中盤に差し掛かったくらい。
アシュリー達が一通りの貴族との挨拶を終えたタイミングを見計らって、レオノーラがアシュリーのもとを訪れている。
レオノーラも、式典ということでしっかりとしたドレスを着ている。
「素敵なドレスですね」
「そうか? こういう窮屈な服は好かんがの。早く着替えたいわ」
「レオノーラ様? こういう場でこそ王族としての自覚を……」
「止めるのじゃ侯爵。聞こえん……わらわには聞こえんぞー」
アシュリーは、レオノーラがここに来た途端に、さっきまで自分が感じていた会場のしっかりとした雰囲気が、嘘のように無くなるのを感じた。
まるで学園でのひと時のような空気感になるのを……
「相変わらずね。レオノーラ」
とレオノーラに声をかける女性。
その女性は、ゆったりとした足取りでアシュリー達の元にやってくる。
その女性を見たアシュリーの第一印象は、
「(どこかレオノーラ様に似ている……)」
容姿にとどまらず、佇まいや雰囲気がそう感じさせる。
「姉上……」
「レオノーラ様の……お姉様?」
レオノーラのつぶやきから、アシュリーはその女性がレオノーラの姉だと分かった。
「お久しぶりでございます。リディア様」
「ごきげんよう……隣の方は?」
挨拶も早々にアシュリーの方に視線を向けるリディア。
「お初にお目にかかります。アシュリー・クローネと申します」
「そう……貴方が『王家の面汚し』の王女ね」
「!?」
アシュリーは面と向かってそう呼ばれるのは、王国以来で久しぶりだったため、少しリディアに対し恐怖心を感じてしまう。
「姉上!!」
すかさずレオノーラがリディアに対し詰め寄る。
「何? 事実を言っただけでしょ? 所詮王国の話。帝国では関係ないわ」
「それはそうじゃが……」
「話は入っているわ。騎士科の試験で主席になったそうね」
「は、はい……」
「そう。それなら有能ってことね……」
リディアはアシュリーのことを全身くまなく見ている。
アシュリーはその視線に耐えきれなくなり……
「あの……リディア様……」
「貴女……私のものにならない?」
「えっ……?」
アシュリーは、リディアの言ったことに理解が追いついていなかった。
「有能なんでしょ? それなら私のものにならない?」
「いえ。私なんてそんな……」
アシュリーの様子なんかお構いなしで、リディアは彼女をじっと見つめている。
「近くで見ると中々かわいいわね……貴方」
「あ、あの……」
リディアの熱い視線にたじろいでしまうアシュリー。
「姉上! いい加減にせぬか!」
アシュリーとリディアの間に割って入るレオノーラ。
「アシュリーはわらわが先に見つけたのじゃ。姉上にはやらん」
「レオノーラ様……」
「あら。残念」
と言い残すとリディアはその場を去っていく。
「……一つ忠告よ。貴方に優れた能力があるなら、そんな出来損ないより、私といた方が貴方のためよ」
リディアは去り際にそう言い残して、その場を離れていった。
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