勇者召喚の巻き添えで異世界に来ちゃった件

お好みナッツ

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聖戦士たち

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 オレ達3人が忍びの里を出て数日後、ルーデンハイム城の客室に十字聖教の英雄達が集められた。


 聖騎士長アインリッツはキリフ大神官と話し込んでいた。

「そういえば大神官殿、ユーゲンティアラ王国は我が聖教国が王国民を拉致しているなどとほざいているらしいな」

「ああそうだ。損害賠償を求めるとか言っているらしいぞワハハハハ」

「薄汚い亜人供の国なんぞ我ら十字聖教の力を見せつけて降伏においやりましょうぞ、そうすれば奴隷……労働力はさらに増え、我らはより栄華を…」

「ダメだ! 亜人など完膚なきまで叩き潰し皆殺しにするのだ。ヤツらこそこの世界のゴミよ」

 突然、目の前に聖闘士ハキドが現れ、2人に一言だけ言い放つと仲間の元へ歩いて行った。

 北の国から来た眼鏡の勇者、吉永直樹こと勇者ナオキは自らのパーティを引き連れて勇者ヨシキに会いに来ていた。

「噂は聞いたよ、世界の愛と平和を守る伝説の勇者様ともあろう者がたかがそこらの冒険者ごときに倒されるなんてな、夜の方がお盛ん過ぎて昼間は力を発揮できなくなったのかフフフッ」

「ナオキ……キサマ何しに来たんだ」

 ヨシキはナオキを睨みつけると2人の間にヨシキの仲間達が入って来た。

「勇者ナオキ様といえどヨシキに対する侮辱行為は許しませんよ」

 そこへヨシキの前にナオキのパーティが前に出てきた。

「おうおう勇者ヨシキ様はそんなにいいか
 今晩でもオレが忘れさせてやるぜ」

「ぶっ無礼者!」

「貴様、わきまえぬか下郎!」

 ヨシキの仲間の女は苛立ちが抑えきれず剣を抜き、そしてもう1人の娘もサーベルを構えた。

「俺も真ん中の剣がベッドで噴き出すぜ」

「オイオイ仲良くしようぜ下の大浴場でよ」

 しかしそこへスタスタと凄まじい闘気を放ちながら間に入って来た者がいた。

「あっアンタは」

「聖戦士様」

 聖戦士パク・ジェイフンとその部下達である

「跪け!いかに北の勇者といえども我ら誇り高き聖戦士や我が聖教国の勇者殿に対してその態度は無礼であろう」

 そしてそこに聖闘士ハキドとその仲間たちもいた

「ハギド殿か久しいな」

「ジェイフンよ! 我等が十字聖教に敵意を向ける逆賊は山賊を使って我が国の商人を襲い金品を奪ったり、我が国の労働力である奴隷供を勝手に解放したりしているとか?それは明らかな略奪行為である」

 皆がハキドの顔を見て頷いた。

 奥から大臣がきて王の勅令を見せた
「勅命に書いている通り、我が聖教国にとって大事な労働源である奴隷どもの供給を断とうとしておる輩供がおり、山賊供をたぶらかして国内に忍びこませ諜報活動をさせたり、以前にも我が聖教国内にテロリストを送り込み破壊と蹂躙を尽くした。
 我らの信じる神の名の元、逆賊供に天罰をあたえ、首謀者を捕らえよ!」

 そこへ枢機卿ライオネロと神官長ネイザンそして兵士長バーグがやってきた。

「逆賊と繋がりのあるリリアリーナとかいう女を捕らえ、先程拷問にかけて大まかな居場所を特定した。よいか!これより3時間後には国境を越えて逆賊討伐を開始する」

「パパ!」

 神官長ネイザンは勇者ヨシキの仲間である娘を抱きしめる。

「もう大丈夫だ我が愛娘よパパがついてるよ。酷い目にあったな、安心しなさい、奴等はパパ達の正義の……神の鉄槌が懲らしめてみせるさ」

 勇者達は黒髪眼鏡のメイドが机の上に置いたビスケットを摘みながら作戦を立て始めた。

 聖闘士ハキドは目の前の隅で立っている給仕
 を蹴り倒し、胸ぐら掴んだ。

「オレ様に葡萄酒《ワイン》持って来い!走れ!」

 黒髪眼鏡のメイドと給仕は一礼してそそくさと部屋を離れると舌打ちして壁を殴った。

「な…何をやっているんですかアッシュ殿」

「あのハキドとかいうヤツ……絶対つぶす…」
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