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好きな人は
第一話
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暁人と暮らしていたマンションを出てしばらく、大学近辺のネットカフェを渡り歩きながら新しい部屋を探す日が続いた。
出て行くことを考えてはいたが、奨学生が払える家賃での物件は年度の変わり目でもないと中々空きが出ない。
「陸くん、暁人と住むのやめたって本当かい?」
放浪生活にすっかり疲れてきた頃、聡介が眼鏡の奥の目をまん丸にしてそう尋ねてきた。はいと素直に答えて、別れましたとも伝えると、深いため息をついて恩師が頭を抱えてしまう。
「あの、先生にお気遣いいただくことはありませんから」
「違うよ。君ねえ、あのバカ息子に押し切られて、僕が紹介したアパート出ちゃったんでしょう。近ごろなんかやつれてきたなと思ってたけど、今どこで寝泊りしてるの」
「ええと、ネットカフェを転々と」
「そういう事はもっと早く相談しなさいッ」
いつも穏やかな人の怒鳴り声に、びっくりするとともに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。すみませんと重ねて謝ると、困ったような顔で頭を撫でられた。
「大きな声を出したりしてごめんね。でもネットカフェは駄目だよ。とりあえず部屋が見つかるまで、僕の所に来なさい。陸くん一人が転がり込むくらい、なんて事ないから」
「でも、先生にご迷惑をかけるのは」
「このまま難民される方が、よっぽど僕の心臓に悪い。荷物はネットカフェに置いているのかい」
「いえ、コインロッカーです。すみません、なるべく早く部屋を見つけます」
「いいから、いいから。春まで条件の良い物件なんて空かないよ。知り合いにも頼んでおくから、のんびりと探そう。気になるなら、だらしないおじさんの家政婦でもしてもらえると助かるな」
「それは、喜んで」
「よし、そうと決まれば今日は早めに切り上げて、必要なものを買い揃えに行こう」
明るい笑顔でそう言ってくれる恩師に、申し訳なさと同時に嬉しくて泣きたくなった。何処にも行くところがない。暗くて狭い仮初の空間で過ごす度に、じくじくと膿んで痛んでいた傷が癒されていく。
家族の中に居場所を求めてもがいていた学生時代、陸に手を差し伸べてくれたのは聡介だった。あくまで同じ古生物を愛する仲間として、学生と教師として、付かず離れずの距離を保ちながらも、聡介は両親よりも温かい手で支え続けてくれた。
「先生、ありがとうございます」
いくら感謝しても仕切れない感情を、不器用なだけのひと言に乗せる。それに分かったように微笑んでくれる聡介が、こんな自分を気にかけてくれる人がいる事実が、ただ嬉しくて胸が熱くなった。
これまでのことが嘘のように、聡介の元に身を寄せてからの陸の時間はゆったりと過ぎていた。
詳細を話した訳ではないが、何となく察しているらしい恩師は、陸に自宅でできる仕事を多く割り振ってくれる。授業以外は不定期に研究室に通いながら、せめてもと家事にも精を出す毎日。聡介が居る空間は、何処もあの離れに通じているように穏やかで静かだった。
「いつ帰ってくるの?」
うっとおしい梅雨が明けた夏空の下。煩いばかりのアブラゼミの声が鳴り響くある日、研究室への通り道に暁人が立っていた。
あの日、最後の繋がりが切れたと感じた瞬間から約一ヶ月。思い出ごと捨てるつもりで買い替えた端末の新しい番号は、聡介にしか教えていない。
「陸、いつ帰るのかって聞いているんだけど」
「もう帰るつもりはない」
真っ直ぐに此方を見つめる暁人の目には、手酷く人を裏切った人間の後ろめたさは微塵も感じられなかった。
だがどんなに彼にとってはその他大勢と変わらなくても、ほんの遊びのつもりの行為であったとしても、自分たちが使っていたベッドで彼と弟がセックスに興じた事実は変わらない。暁人が忘れて離れてしまっても、陸と佳の間には永遠に血縁という鎖が付き纏う。
「俺は、自分の気持ちは伝えていた。裏切ったのはお前たちだ。しばらく、顔を見たくない」
もう永久にと心の中でだけ呟くと、少し離れた建物の影で佳が動くのが分かった。その見知った気配に、今すぐ殴りつけて唾を吐きかけてやりたい衝動だけがあった。
「兄貴ッ。ごめん、俺……俺、そんなつもりじゃなかったんだ。兄貴を裏切るつもりなんて、俺」
耐え切れないといった風情で飛び出してくると、佳は陸を見上げる姿勢で目を潤ませた。ごめんと口では言いながら、自分は悪くないのだと全身で訴えてくる弟が、昔から嫌いで嫌いで仕方なかった。苛立ちとも怒りとも違う、言葉にできない煮詰められた感情が、陸という器から溢れて地面を汚していく。
利き腕が上がったのは無意識だった。少しの手心もなく振り下ろした手は、佳の前に飛び込んできた人物を殴りつける。
「ッッ、い、痛っ」
バランスを崩して地面に手をついた暁人が、打たれた頬を押さえながら血を吐き出す。口の中が切れたのか、鮮やかな赤が灰色の敷石の上に落ちるのを、どこか他人事のように眺めていた。
「暁人、大丈夫か?!」
慌てて暁人にすがりつく佳に、これは一体なんの茶番だと笑い出しそうになる。兄の恋人を寝とった弟と、恋人の弟と関係を持った男を前に、許されない恋に落ちた二人を責めるピエロにでもなれというのか。
「気持ち悪いんだよ、お前ら」
溢れ出た憎悪は、簡単に人を蔑める言葉を形にする。そうすることで逆に、自分が傷ついたのだと悟らせてしまうのに止められなかった。
「陸、俺は陸と別れない」
「……いい加減にしろ」
ようやく傾きかけた太陽を察知した蝉たちが、雌を誘うために彼方此方で声を張り上げている。
一体何様のつもりだと睨みつける視線に敵意を込めると、陸は二人に背を向けて歩き出した。腹立たしいのか、憎いのか、情けないのか、悲しいのか、寂しいのか。ぐちゃぐちゃになった感情に、どれが本音なのかも分からなくなる。
ただ二人の存在から逃げたくて、彼らのいない世界に行ってしまいたくて、止まることなく足を動かした。目の奥に走る感情的な痛みを認めたくなかった。
母の記憶は、いつも頬を叩かれる衝撃から始まる。
五歳年下の佳が生まれる以前も、陸と母の関係はあまり良いものではなかった。長男だった陸の教育は、当時隣に居を構えていた祖母が主導していた。
小学校の校長職についていた祖母は、いつも折り目正しく隙がなく、仕事も家庭も疎かにしない完璧な人だった。そんな祖母を、実の親子でありながら疎んでいる。それが陸の母だった。
『陸はおばあちゃんっ子だから』
箸の持ち方から就学前の学習まで、あらゆることを祖母から躾けられた陸のことを、母はそう言って遠ざけた。そして弟ができたと分かるや、今度こそ自分だけの子にしようと溺愛し、あらゆる面で兄と差をつけるようになった。
大人しい子どもだった陸とは反対に、佳は少しもじっとしていないやんちゃな子どもだった。繋いだ手を振り払って走り出した佳が転ぶと、母は陸の頬を叩いた。決して強い力ではなかったはずなのに、痛くて泣きそうになったのを覚えている。
ちゃんと佳を見てあげなさい、お兄ちゃんでしょう。母が陸と会話をするときは、いつだって話の中心は佳だった。弟を守ることだけが、母から兄に与えられる要求だった。
無口な父は面倒な親子の諍いなど見て見ないふり。そんな両親の愛に飢えながらも、どこかで軽蔑の眼差しを向けていた陸は、確かに母の子ではなくあの祖母の子どもだったのかもしれない。
「それ、温くなっちゃってるよ」
肩を叩かれて我に帰ると、ぼんやりと眺めていた窓の外はすっかり暗くなっていた。開けっ放しのカーテンから入る街灯に照らされた聡介が、手に握り締めたままだったラムネの瓶をそっと取り上げる。
「僕も飲みたくなっちゃったから、冷えてるのと交換してくるね」
「す、すみません。夕食の準備とかまだ何も」
「いいから、いいから。座ってて」
明かりをつけることなく冷蔵庫まで歩くと、聡介はここでも常備している青い瓶を二本取り出した。そのまま街灯と月明かりだけが頼りの窓際に座り込むと、専用のオープナーを使い軽快な音と共にビー玉を落下させる。
「このガラスの感触を楽しめるのもあと少しか」
「それ、十年前にも言われてましたよ」
「え、そうだっけ。おじさんになるわけだなぁ」
ほんの少し和んだ空気に、陸の顔にもわずかに笑みが浮かぶ。聡介は変わらない。十年前からずっと、まるで変わることのないあの離れの化石のように、いつもそこに居てくれる。
「楽になるなら、話しなさい」
溢れた炭酸が瓶を伝い、フローリングの床をわずかに汚した。しゅわしゅわと泡の弾ける音が、静かになったリビングを満たしていく。
「先生、俺は、俺は本当に、どうしようもない人間です」
一度決壊してしまうと、涙は後から後から溢れ落ちた。いい歳をした男がみっともないのは百も承知だ。
けれど本当に、もうどうしようもなく、痛くて辛かった。自分で罠を仕掛けておきながら、裏切らないで欲しいとこんなにも望んでいた現実に、今さら涙が止まらなかった。
「そんなことはない。君は悪くない。もっと怒って、詰って、泣いて、全部吐き出して……忘れてしまいなさい」
溢れたラムネのものなのか、そっと頬を撫でる聡介の手からは微かに甘い匂いがした。
出て行くことを考えてはいたが、奨学生が払える家賃での物件は年度の変わり目でもないと中々空きが出ない。
「陸くん、暁人と住むのやめたって本当かい?」
放浪生活にすっかり疲れてきた頃、聡介が眼鏡の奥の目をまん丸にしてそう尋ねてきた。はいと素直に答えて、別れましたとも伝えると、深いため息をついて恩師が頭を抱えてしまう。
「あの、先生にお気遣いいただくことはありませんから」
「違うよ。君ねえ、あのバカ息子に押し切られて、僕が紹介したアパート出ちゃったんでしょう。近ごろなんかやつれてきたなと思ってたけど、今どこで寝泊りしてるの」
「ええと、ネットカフェを転々と」
「そういう事はもっと早く相談しなさいッ」
いつも穏やかな人の怒鳴り声に、びっくりするとともに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。すみませんと重ねて謝ると、困ったような顔で頭を撫でられた。
「大きな声を出したりしてごめんね。でもネットカフェは駄目だよ。とりあえず部屋が見つかるまで、僕の所に来なさい。陸くん一人が転がり込むくらい、なんて事ないから」
「でも、先生にご迷惑をかけるのは」
「このまま難民される方が、よっぽど僕の心臓に悪い。荷物はネットカフェに置いているのかい」
「いえ、コインロッカーです。すみません、なるべく早く部屋を見つけます」
「いいから、いいから。春まで条件の良い物件なんて空かないよ。知り合いにも頼んでおくから、のんびりと探そう。気になるなら、だらしないおじさんの家政婦でもしてもらえると助かるな」
「それは、喜んで」
「よし、そうと決まれば今日は早めに切り上げて、必要なものを買い揃えに行こう」
明るい笑顔でそう言ってくれる恩師に、申し訳なさと同時に嬉しくて泣きたくなった。何処にも行くところがない。暗くて狭い仮初の空間で過ごす度に、じくじくと膿んで痛んでいた傷が癒されていく。
家族の中に居場所を求めてもがいていた学生時代、陸に手を差し伸べてくれたのは聡介だった。あくまで同じ古生物を愛する仲間として、学生と教師として、付かず離れずの距離を保ちながらも、聡介は両親よりも温かい手で支え続けてくれた。
「先生、ありがとうございます」
いくら感謝しても仕切れない感情を、不器用なだけのひと言に乗せる。それに分かったように微笑んでくれる聡介が、こんな自分を気にかけてくれる人がいる事実が、ただ嬉しくて胸が熱くなった。
これまでのことが嘘のように、聡介の元に身を寄せてからの陸の時間はゆったりと過ぎていた。
詳細を話した訳ではないが、何となく察しているらしい恩師は、陸に自宅でできる仕事を多く割り振ってくれる。授業以外は不定期に研究室に通いながら、せめてもと家事にも精を出す毎日。聡介が居る空間は、何処もあの離れに通じているように穏やかで静かだった。
「いつ帰ってくるの?」
うっとおしい梅雨が明けた夏空の下。煩いばかりのアブラゼミの声が鳴り響くある日、研究室への通り道に暁人が立っていた。
あの日、最後の繋がりが切れたと感じた瞬間から約一ヶ月。思い出ごと捨てるつもりで買い替えた端末の新しい番号は、聡介にしか教えていない。
「陸、いつ帰るのかって聞いているんだけど」
「もう帰るつもりはない」
真っ直ぐに此方を見つめる暁人の目には、手酷く人を裏切った人間の後ろめたさは微塵も感じられなかった。
だがどんなに彼にとってはその他大勢と変わらなくても、ほんの遊びのつもりの行為であったとしても、自分たちが使っていたベッドで彼と弟がセックスに興じた事実は変わらない。暁人が忘れて離れてしまっても、陸と佳の間には永遠に血縁という鎖が付き纏う。
「俺は、自分の気持ちは伝えていた。裏切ったのはお前たちだ。しばらく、顔を見たくない」
もう永久にと心の中でだけ呟くと、少し離れた建物の影で佳が動くのが分かった。その見知った気配に、今すぐ殴りつけて唾を吐きかけてやりたい衝動だけがあった。
「兄貴ッ。ごめん、俺……俺、そんなつもりじゃなかったんだ。兄貴を裏切るつもりなんて、俺」
耐え切れないといった風情で飛び出してくると、佳は陸を見上げる姿勢で目を潤ませた。ごめんと口では言いながら、自分は悪くないのだと全身で訴えてくる弟が、昔から嫌いで嫌いで仕方なかった。苛立ちとも怒りとも違う、言葉にできない煮詰められた感情が、陸という器から溢れて地面を汚していく。
利き腕が上がったのは無意識だった。少しの手心もなく振り下ろした手は、佳の前に飛び込んできた人物を殴りつける。
「ッッ、い、痛っ」
バランスを崩して地面に手をついた暁人が、打たれた頬を押さえながら血を吐き出す。口の中が切れたのか、鮮やかな赤が灰色の敷石の上に落ちるのを、どこか他人事のように眺めていた。
「暁人、大丈夫か?!」
慌てて暁人にすがりつく佳に、これは一体なんの茶番だと笑い出しそうになる。兄の恋人を寝とった弟と、恋人の弟と関係を持った男を前に、許されない恋に落ちた二人を責めるピエロにでもなれというのか。
「気持ち悪いんだよ、お前ら」
溢れ出た憎悪は、簡単に人を蔑める言葉を形にする。そうすることで逆に、自分が傷ついたのだと悟らせてしまうのに止められなかった。
「陸、俺は陸と別れない」
「……いい加減にしろ」
ようやく傾きかけた太陽を察知した蝉たちが、雌を誘うために彼方此方で声を張り上げている。
一体何様のつもりだと睨みつける視線に敵意を込めると、陸は二人に背を向けて歩き出した。腹立たしいのか、憎いのか、情けないのか、悲しいのか、寂しいのか。ぐちゃぐちゃになった感情に、どれが本音なのかも分からなくなる。
ただ二人の存在から逃げたくて、彼らのいない世界に行ってしまいたくて、止まることなく足を動かした。目の奥に走る感情的な痛みを認めたくなかった。
母の記憶は、いつも頬を叩かれる衝撃から始まる。
五歳年下の佳が生まれる以前も、陸と母の関係はあまり良いものではなかった。長男だった陸の教育は、当時隣に居を構えていた祖母が主導していた。
小学校の校長職についていた祖母は、いつも折り目正しく隙がなく、仕事も家庭も疎かにしない完璧な人だった。そんな祖母を、実の親子でありながら疎んでいる。それが陸の母だった。
『陸はおばあちゃんっ子だから』
箸の持ち方から就学前の学習まで、あらゆることを祖母から躾けられた陸のことを、母はそう言って遠ざけた。そして弟ができたと分かるや、今度こそ自分だけの子にしようと溺愛し、あらゆる面で兄と差をつけるようになった。
大人しい子どもだった陸とは反対に、佳は少しもじっとしていないやんちゃな子どもだった。繋いだ手を振り払って走り出した佳が転ぶと、母は陸の頬を叩いた。決して強い力ではなかったはずなのに、痛くて泣きそうになったのを覚えている。
ちゃんと佳を見てあげなさい、お兄ちゃんでしょう。母が陸と会話をするときは、いつだって話の中心は佳だった。弟を守ることだけが、母から兄に与えられる要求だった。
無口な父は面倒な親子の諍いなど見て見ないふり。そんな両親の愛に飢えながらも、どこかで軽蔑の眼差しを向けていた陸は、確かに母の子ではなくあの祖母の子どもだったのかもしれない。
「それ、温くなっちゃってるよ」
肩を叩かれて我に帰ると、ぼんやりと眺めていた窓の外はすっかり暗くなっていた。開けっ放しのカーテンから入る街灯に照らされた聡介が、手に握り締めたままだったラムネの瓶をそっと取り上げる。
「僕も飲みたくなっちゃったから、冷えてるのと交換してくるね」
「す、すみません。夕食の準備とかまだ何も」
「いいから、いいから。座ってて」
明かりをつけることなく冷蔵庫まで歩くと、聡介はここでも常備している青い瓶を二本取り出した。そのまま街灯と月明かりだけが頼りの窓際に座り込むと、専用のオープナーを使い軽快な音と共にビー玉を落下させる。
「このガラスの感触を楽しめるのもあと少しか」
「それ、十年前にも言われてましたよ」
「え、そうだっけ。おじさんになるわけだなぁ」
ほんの少し和んだ空気に、陸の顔にもわずかに笑みが浮かぶ。聡介は変わらない。十年前からずっと、まるで変わることのないあの離れの化石のように、いつもそこに居てくれる。
「楽になるなら、話しなさい」
溢れた炭酸が瓶を伝い、フローリングの床をわずかに汚した。しゅわしゅわと泡の弾ける音が、静かになったリビングを満たしていく。
「先生、俺は、俺は本当に、どうしようもない人間です」
一度決壊してしまうと、涙は後から後から溢れ落ちた。いい歳をした男がみっともないのは百も承知だ。
けれど本当に、もうどうしようもなく、痛くて辛かった。自分で罠を仕掛けておきながら、裏切らないで欲しいとこんなにも望んでいた現実に、今さら涙が止まらなかった。
「そんなことはない。君は悪くない。もっと怒って、詰って、泣いて、全部吐き出して……忘れてしまいなさい」
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