ヒヨクレンリ

なかゆんきなこ

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~番外編~

旦那様からのプレゼント 後編

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 入浴後、一足先に寝室に入った俺は、どきどきしながら千鶴さんを待った。
 今夜、彼女は俺が選んだ下着を身につけてくれる。
 二人で行った店で選んだ、白い下着。白は、可愛らしい千鶴さんによく似合うと思った。
 昨夜彼女が身につけていた下着よりも、ずっと…。
「…はぁ」
 ……まるでガキみたいだな、俺……。
 水無月に対抗意識を燃やして、独占欲を丸出しにして、我儘を言って…。
 我ながら、馬鹿だなぁと思う。
 思う、けれど…。
 それでもどうしようもなくなってしまうのだから、恋というものは恐ろしい、と。
 千鶴さんに出会って、結婚して初めて、俺は知った。
「…お、お待たせ…しました…」
 やがて、寝室の扉が開き。
 体に大きなバスタオルを巻き付けた千鶴さんが、いかにも恐る恐る…といった足取りでベッドに近付いて来る。
 頭まですっぽりと覆った、そのタオル姿。
 まるでおばけのようだと、思わず口元が笑んでしまう。
 …その、タオルは。
 俺が脱がしても、良いんですか…?
「…お待ち、してました」
 言って、俺はベッドから立ち上がり千鶴さんの目の前に。
 そして、彼女が両手で掴んでいるタオルの合わせ目にそっと手をやって、ゆっくりと脱がせていく。
「…………」
 ぱさりと音を立てて床に落ちたバスタオル。
 頬を真っ赤にして、俯く千鶴さん。
 …ああ、思った通りだ。
 白い可愛らしい下着は、千鶴さんによく似合っていた。
「…すごく、似合ってます…」
 俺はまじまじと見つめてしまって、素直な感想を口にする。
「…ほ、ほんとう…です…か?」
「はい。とても…、とても可愛いです」
「~っ!!」
 俺は口元を笑ませると、恥ずかしがる千鶴さんを抱き上げて、
「えっ」
 ゆっくりと、ベッドの上に押し倒した。
 大丈夫ですよ、千鶴さん。
 昨日のように、乱暴な真似はしません。
 無理やり下着を脱がしたりもしません。
 せっかく可愛く着飾ってくれたんですから、今日はその姿のままで…。
 優しく、愛してあげます。


「ひうっ…」
 ベッドにうつ伏せになっている千鶴さんの、その露わになった白い背中を舌で舐める。
 その度に、敏感な彼女はびくびくと体を震わせて。
 感じてくれているのが嬉しくて、ついつい調子に乗ってしまう。
「んんっ…」
 背中を舐めながら、手はゆっくりと腰、そしてお尻へ。
 透ける下着(ベビードールと言うらしい)の中に手を這わせて、ショーツの隙間から指を入れていく。
 ソコは、すでに濡れ始めていた。
「…可愛いですね、千鶴さん」
 彼女の耳に掛る髪を梳かして、耳にかけて。
 背中を愛撫していた唇を耳元に寄せて、囁く。
「…好きです」
「あっ…」
 ひくひくと、彼女のナカが動く。
 俺の言葉に、反応してくれているように。
「…好きです、千鶴さん」
「ぅぁ…っ」
「…ん。好き…です」
 ぴちゃり、とわざと音を立てて彼女の耳に舌を入れる。
 腕の中でびくびくと震える体。
 もっと感じてほしい。
 もっと、もっと…。
「…好きです…」
 ちゅっと、音を立てて彼女の頬に口付けを落として。
 俺は一度千鶴さんの秘所から指を離し、今度は両手で彼女の胸を愛撫する。
 少しだけブラジャーを下にずらせば、ぷるんと解き放たれる、彼女の乳房。
 やわやわと揉み上げて、指先で頂をコロコロと転がし、少しだけ摘まみ上げれば「ひゃあああっ…」と可愛らしい嬌声が上がる。
 …はぁ…。可愛い…。



 昨日とは違って、正宗さんは過ぎるほどに優しく私の体を蕩かしていく。
 下着を無理やり脱がせることも無く、(いやむしろこの着衣エッチ状態がすごいエロいと思うの私だけ!?)、いきなり挿入してくることもなく…。
 で、でも…。
「好きです、千鶴さん」
「ふぅ…っあ…ァ…」
 耳元で囁かれ続ける、低音ボイスの愛の言葉…っとか!!
 ゆっくりと、丁寧に施される愛撫…とか!!
 あ、頭…真っ白になっちゃうよおおおお…。
「ん…、少し、失礼します…」
「え…? うあっ…」
 それまで寝転がっている私の体を後ろからその…な、舐めたり弄ったりしていた正宗さんが、一言だけ断って身を離したかと思うと、私の腰に腕を回してぐっと…。
 ベッドの上に座る自分の膝の上に、お乗せになった。
 こ…これは…っ。
 背面座位!!(BLとか読みまくってると、無駄に体位に詳しくなるんだぜ…)
「ひあっ…」
 正宗さんは自分の膝の上に乗せた私の両足をぐっと開かせる。
 そして、ショーツ越しに、私のその…アソコの割れ目を…ですね。
 なぞる…から…っ。
「んんんっ」
 へっ、変な声出るのー!!!
 いっそ、すぐに指を突っ込まれた方が良い…って思うくらいもどかしい、優しい愛撫。
「ああああっ…」
 な、なんで…。
 もう十分濡れているのに、それこそ布に染みて正宗さんの指を汚してしまうくらい濡れているのに、正宗さんはゆっくりとわざとらしく、割れ目をなぞるだけ。
「…感じてるんですね。可愛いです…」
「いやっぁ…っ」
「大好きですよ…千鶴さん…」
 そ、そんな耳元で囁いちゃ駄目えええええ!!!
 いっぱい、いっぱい「好き」って、言わない…でぇ…!!
 きゃ、キャパ越えちゃう…!! もう、もういっぱいいぱいですうううう!!
「やっ…。そんなに…言っちゃ…だめぇ…」
「…どうしてです…?」
 あうっ…んん。
 ど、どうしてって…だって…。

「お、おかしく…なっちゃう…からぁ…っ」

 もどかしいくらいの、間接的な愛撫。
 耳元で囁かれる大好きな低い声の、愛の言葉。
 ああもう本当に。
 頭がおかしくなりそう!
「!? …あなたという人は…。本当に…」
 息を飲むような、正宗さんの気配。
 そして、一度正宗さんの指が離れたかと思うと。
「…本当に、愛しい…」
「っ!?」
 もどかしい刺激に敏感になっていた芯に、ショーツ越しに侵入してきた指が触れて。
「やっ…」
 きゅうっと、摘まみ上げられて。
「アッ…やぁアアアッ!!!」
 私は達してしまった。
 頭が、真っ白に…。
 な、なりました……。


 その後も、ですね…。
 達したばかりのアソコに、ショーツをぐっとずらしただけで正宗さんがその、い、挿れてきたり…。(いつもより密着している感じが…感じが…っ)
 とにかく、下着を着たまま。着っぱなしの状態で盛り上がってしまいまして…。
 …気付けば、新しい下着は二人の汗と体液でびっしょり濡れていて…。
 翌日真っ赤になりながら、手洗いする羽目になるのでした…。
 …この下着を見る度に、思い出すんだろうなあ…。
 宣言通り、優しく抱いてくれた正宗さんの蕩けるような愛撫と。
 …これでもか! ってくらい「好き」「好き」言われて、キャパ越えして頭真っ白になってしまった自分の痴態を…。
 うううううううううう!!! 叶うなら!!
 叶うなら!! この下着一式を箪笥の奥深くに沈めて忘却の彼方に送りたいくらい恥ずかしいいいいいいいいいいいいい!!! 


   

************************************************
今回は、ご要望いただいておりました「さりげなく、告白」のその後のお話に、読者様からリクエストいただきました、「正宗さんがこれでもか!ってくらいちーちゃんに好き好き言いまくってちーちゃんのキャパが超えるところ」をコラボさせていただきました。
リクエストありがとうございました!! 
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