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第3章

第519話 予言の内容

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 そこにロモノコが発する光が、双子の上に降り注いだ。双子は手を繋いだまま、一度目を閉じて、スッと半分だけ目を開けた。

「「──神の子よ。」」
 双子の声が合わさる。
「「ことわりの定め、今ここに聞き給え。
 言いつむげ、光あれ!」」

 双子が詠唱すると、光の粒子が空に向かって立ち上っていき、双子は歌のようなものを歌い始めた。綺麗な歌声だ。
 でも、何だか切ない気持ちになるな……。

「あなたの命はおびやかされる。
 国壊れし時、その身はきたり。
 溢れし水鞠は仇と、はらから。
 汚泥と澄みはぶつかり合いし。」

 双子がスッと目を閉じる。
「「こんなん出たよ~?」」
「えっと、どういう意味なのかな……?」
「解説してくれ、レイ、リィ。」

「うんっとね、直接的に命を狙われるってことみたい、あなたが。」
「死にかけるか、死ぬってことだね!」
「ええっ!?い、いつ!?」

「どこかの国が終わる時?」
「どこかはわかんな~い。」
「だからいつかもわかんな~い。あはっ。」
「あはって……。襲ってくるのは誰なの?」

「それもよくわからないよ~。」
「予言は抽象的なことが多いから~。」
「私たちも推測するしかないんだもん。」
「「ねー。」」 

「そ、そんな……。」
 僕が殺されかける、または殺されるという不吉な予言なのに、詳しいことがまったくわからないよ!

【ザザ・アイワナ・バイツウェル2世のことではないですか?あれは水の魔物です。】

 そこにキリカが話しかけてくる。
 ザザ・アイワナ・バイツウェル2世が、直接僕の命を狙ってくるということ?

【おそらくは。──オニイチャンが操るのは海、つまり水です。汚泥のようなザザ・アイワナ・バイツウェル2世と、澄んだ水であるオニイチャンが、直接戦うことになる、という意味かも知れませんね。】

 キリカにもわからない?

【彼らは認識阻害を使っていますから。
 私に集められる情報は限られています。
 彼らの現在の居場所もわかりませんし。】

 そうか……。でも、キリカの言う通りかも知れない。僕を狙っているのは、今のところザザ・アイワナ・バイツウェル2世だけだ。

 彼が汚泥であるというのなら、僕の仇であるし、スキル〈海〉は僕の味方──はらからだ。同じ水だけど、敵味方として、いずれ対決するということだね。

 でも、壊れる国って、どこなんだろう?

【ひとつわかることは、ルーデンス王太子が仲間たちに配っていた、ザザ・アイワナ・バイツウェル2世の体液が、世界中に広まりつつあるということですね。】

 え!?今もう、そんなことになってるの?

【あれは能力向上の力を持ちますが、同時にザザ・アイワナ・バイツウェル2世の使役下に入るもの。国々が掌握されつつあります。

 どの国が壊れても、おかしくないかも知れませんね。この国もだいぶ汚染されつつあるようですよ。国壊れし時、というのが、どの国になってもおかしくはありません。】

 そんなことになっていたのか……。
 僕がルーデンス王太子に対抗する為に国を作っている間に、敵は着々と水面下で勢力を広げつつあったみたいだ。

「わかりました、ご忠告ありがとうございます。出来るだけ気をつけたいと思います。」
「じゃあ私たちもそろそろ連れてってね?」
「え?どこに?」

「神の国の入口の国にだよ?」
「神の国の入口の国、フルバティエ、そこに向かえって予言が出たんだもん!」
「「ね~。」」

「ええっ!?それも予言で出たの?」
「お前たちは神の役に立つ存在って言われたの~。英雄候補なんだって!」
「「ね~。」」

「そ、それは随分とはっきり、予言されたんだね……。確かに2人は英雄候補だけど。」
「なんだと!?本当に、うちの天使と妖精が英雄候補だって言うのか?アレックス!」

 最初に言われた時に、なんとなく聞き流してたけど、バウアーさん、自分の娘さんたちを、天使と妖精って呼んでるの?
「はい、賢神候補と聖女候補ですね。」

「なんてこった……。さすが俺の娘たちだ。
 アレックス、娘たちを預けるのはいいが、心配だ。ミューレに同行を頼みたいんだが。
 彼女がいれば安心だからな。」

「あ、それはむしろ、こちらからお願いします。僕はエリクソンさんに、英雄候補たちの師匠をお願いするつもりでいるので。以前に軽く了承はいただいているんですが。」

「それは俺からも頼んでおこう。
 元賢神のミューレ・エリクソンの指導があれば、娘たちは立派な英雄になってくれるだろう!どうかうちの天使と妖精を、次世代に名を轟かせる英雄にしてやってくれ!」

「英雄になれるように頑張ってくるよ~。」
「私も頑張る~。」
「「ねー。」」
 な、なんか軽いなあ……。

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