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第3章
第531話 キリカの声の届かない場所
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キリカ!ここはどこなの!?
僕は頭の中で呼びかけたけど、なぜかキリカの反応がなかった。
キリカ……?
【オニ……チャン。
……阻害が……られています……。
オ……チャンの声……届き……。】
キリカの声が途切れ途切れに聞こえる。
キリカ!どうしたの!?
【オニイ……声が、遠い……。私の力……ばないところに……。気を付け……。
奴らは力を増して……。】
そんな!ここはなんらかのジャミング魔法がかけられている場所だということだ。
情報と通信の女神であるキリカも、認識阻害魔法なんかの影響を受けるんだ。
だから今まで奴らの場所がわからなかったんだ。だけど奴らは僕の顔と波長を占い師に覚えさせてしまった。だから僕らも、単体の認識阻害の魔法をミルドレッドさんにかけてもらっていたんだけど……。
単体の認識阻害の魔法は、そこにあると思って見ると効果のないものとされている。
範囲魔法はいるとおもって見ても認識することは出来ないけれど、生活に困る。
近くにいる人にまで僕の存在が見えないと困るから、範囲魔法じゃなく、あえて単体魔法を使ってもらっていたんだ。
飲んだ人間を眷族に変える、ザザ・アイワナ・バイツウェル2世の体液を使った能力向上の薬で、人間たちを自分たちの目にすることで、僕のことを探しているのは知ってた。
ルーデンス元王太子たちが、その体液を使った薬を飲んだことは知っていたし、ルリームゥ王国の販売ルートを通じて、薬が世界中に広まってるのも知ってはいたけど、それが既に城の兵士にまで浸透していただなんて。
それによって見つけられた挙げ句、眷族化した人々の体から、謎の力を発することまで出来るだなんて。完全に油断していた。
ここには叔父さんもいない。キリカの声も届きにくい。完全に僕1人の状態だ。
対して相手は、ザザ・アイワナ・バイツウェル2世に、リカーチェ・ゾルマイン。
そして、ザザ・アイワナ・バイツウェル2世の体液で、以前よりその能力が強化されたと思わしき、男たちが10人。
僕のスキルは、生命の海で出せるものと、至近距離に近寄られた時に出せる、血の海でしか戦うすべがない。
どうする?どうやって戦ったらいい?
ここは地下の空洞みたいだけど、僕もこの場にいるから、生命の海で大量の海の水を流して戦うには、少し狭過ぎる。
なんとか僕がここから出て、この場所に海の水を流し込めるなら別だけど。海のものを出して攻撃するにも、バラバラに襲って来られた場合、僕がそれに対応しきれない。
近くに来られば場合、血の海で対抗出来るけど、それだって僕のスキルで攻撃するスピードを上回れたらわからない。
どう戦ったらいいんだ!?
味方が欲しい。それも彼らを蹂躙出来るくらいの、──巨大な味方が。
「生命の海、クラーケン!!」
僕は生命の海を使って、クラーケンを呼び出すことにした。クラーケンはSSランクの魔物。叔父さんだって1人じゃ倒せない。
この洞窟内で暴れさせるには、ちょっと狭いかも知れないけど、僕に近づかせないようにするには、じゅうぶんな巨大さだ。
空中に木の扉が現れて、それが開いたかと思うと、船に巻き付いたクラーケンが、イメージの木の扉を越えて現れた。え?まだあの時のリーグラ王国の船を捕まえたままなの?
一瞬そう思ったんだけど、そうじゃなかったみたいだ。クラーケンが捕まえて絡まっていたのは、ドクロのマークの旗を掲げ、帆にもドクロのマークが描かれた船だった。
……海賊船?なんてもの連れて来るかな!
クラーケンを出そうとしたら、クラーケンが捕まえていた海賊船ごと、生命の海から呼び出されちゃったみたいだ。
「おかしら!変なところに出やしたぜ!」
「なんだと!ここはどこだ!」
甲板の上の人たちの騒ぐ声が聞こえる。
クラーケンに巻き付かれた船が、洞窟の硬い地面の上に着地した。
「やい、てめえら!俺たちに何しやがった!
てめえらは誰だ!」
大鉈タイプの斬馬刀のような武器を肩に担いだ、ウエーブのかかった肩にかかる黒髪の女の人、かな?ハスキーな声をした人が、リカーチェ・ゾルマインを睨んでいる。
それよりも少し明るい茶髪に近い、同じくウエーブのかかった髪を、ポニーテールのように一纏めにした男の人が、長剣を手に持ったまま、黒髪の女性の後ろに控えている。
兄弟か何かかな?ちょっと似た顔つきだ。
「すみません!貴方がたは空気の渦に巻き込まれたんです!僕はフルバティエ王国国王!
目の前の彼らを倒さないと、ここから逃げられないんです!ごめんなさい!」
「なに?フルバティエ王国……だと?」
黒髪の女の人が呟いた。え?フルバティエ王国を知ってるの?まだ新しい国なのに。
────────────────────
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僕は頭の中で呼びかけたけど、なぜかキリカの反応がなかった。
キリカ……?
【オニ……チャン。
……阻害が……られています……。
オ……チャンの声……届き……。】
キリカの声が途切れ途切れに聞こえる。
キリカ!どうしたの!?
【オニイ……声が、遠い……。私の力……ばないところに……。気を付け……。
奴らは力を増して……。】
そんな!ここはなんらかのジャミング魔法がかけられている場所だということだ。
情報と通信の女神であるキリカも、認識阻害魔法なんかの影響を受けるんだ。
だから今まで奴らの場所がわからなかったんだ。だけど奴らは僕の顔と波長を占い師に覚えさせてしまった。だから僕らも、単体の認識阻害の魔法をミルドレッドさんにかけてもらっていたんだけど……。
単体の認識阻害の魔法は、そこにあると思って見ると効果のないものとされている。
範囲魔法はいるとおもって見ても認識することは出来ないけれど、生活に困る。
近くにいる人にまで僕の存在が見えないと困るから、範囲魔法じゃなく、あえて単体魔法を使ってもらっていたんだ。
飲んだ人間を眷族に変える、ザザ・アイワナ・バイツウェル2世の体液を使った能力向上の薬で、人間たちを自分たちの目にすることで、僕のことを探しているのは知ってた。
ルーデンス元王太子たちが、その体液を使った薬を飲んだことは知っていたし、ルリームゥ王国の販売ルートを通じて、薬が世界中に広まってるのも知ってはいたけど、それが既に城の兵士にまで浸透していただなんて。
それによって見つけられた挙げ句、眷族化した人々の体から、謎の力を発することまで出来るだなんて。完全に油断していた。
ここには叔父さんもいない。キリカの声も届きにくい。完全に僕1人の状態だ。
対して相手は、ザザ・アイワナ・バイツウェル2世に、リカーチェ・ゾルマイン。
そして、ザザ・アイワナ・バイツウェル2世の体液で、以前よりその能力が強化されたと思わしき、男たちが10人。
僕のスキルは、生命の海で出せるものと、至近距離に近寄られた時に出せる、血の海でしか戦うすべがない。
どうする?どうやって戦ったらいい?
ここは地下の空洞みたいだけど、僕もこの場にいるから、生命の海で大量の海の水を流して戦うには、少し狭過ぎる。
なんとか僕がここから出て、この場所に海の水を流し込めるなら別だけど。海のものを出して攻撃するにも、バラバラに襲って来られた場合、僕がそれに対応しきれない。
近くに来られば場合、血の海で対抗出来るけど、それだって僕のスキルで攻撃するスピードを上回れたらわからない。
どう戦ったらいいんだ!?
味方が欲しい。それも彼らを蹂躙出来るくらいの、──巨大な味方が。
「生命の海、クラーケン!!」
僕は生命の海を使って、クラーケンを呼び出すことにした。クラーケンはSSランクの魔物。叔父さんだって1人じゃ倒せない。
この洞窟内で暴れさせるには、ちょっと狭いかも知れないけど、僕に近づかせないようにするには、じゅうぶんな巨大さだ。
空中に木の扉が現れて、それが開いたかと思うと、船に巻き付いたクラーケンが、イメージの木の扉を越えて現れた。え?まだあの時のリーグラ王国の船を捕まえたままなの?
一瞬そう思ったんだけど、そうじゃなかったみたいだ。クラーケンが捕まえて絡まっていたのは、ドクロのマークの旗を掲げ、帆にもドクロのマークが描かれた船だった。
……海賊船?なんてもの連れて来るかな!
クラーケンを出そうとしたら、クラーケンが捕まえていた海賊船ごと、生命の海から呼び出されちゃったみたいだ。
「おかしら!変なところに出やしたぜ!」
「なんだと!ここはどこだ!」
甲板の上の人たちの騒ぐ声が聞こえる。
クラーケンに巻き付かれた船が、洞窟の硬い地面の上に着地した。
「やい、てめえら!俺たちに何しやがった!
てめえらは誰だ!」
大鉈タイプの斬馬刀のような武器を肩に担いだ、ウエーブのかかった肩にかかる黒髪の女の人、かな?ハスキーな声をした人が、リカーチェ・ゾルマインを睨んでいる。
それよりも少し明るい茶髪に近い、同じくウエーブのかかった髪を、ポニーテールのように一纏めにした男の人が、長剣を手に持ったまま、黒髪の女性の後ろに控えている。
兄弟か何かかな?ちょっと似た顔つきだ。
「すみません!貴方がたは空気の渦に巻き込まれたんです!僕はフルバティエ王国国王!
目の前の彼らを倒さないと、ここから逃げられないんです!ごめんなさい!」
「なに?フルバティエ王国……だと?」
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