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プロローグ・すべての始まり編
第2話 ユニークスキル④
しおりを挟むわざわざ確認してくるということは、知らずに買い求める人が多いんだろう。ならペット用、従魔用、って、売り場にプレートでも提示しときゃいいのにな。
……親切なんだか、不親切なんだか。
従魔用は、すべてが金属で出来たものばかりだった。オマケに一番安いものでも銀貨20枚と、ちょっといいお値段がする。
漫画に出てくるブルドッグが付けているような、首輪の金属部分から、棘の飛び出した物が一番人気らしい。
確かに凶暴な見た目の魔物にこんなものついてたら、怖さが増すし、従えてる感あるだろうけど。
ユニフェイは可愛らしい、普通の犬の見た目だから、ちょっとこういうのは似合わないな。出来るだけシンプルで、目立たないのがいい。
俺は銀貨25枚の、金属部分にちょっと飾り彫りがされたやつを選んだ。一番安いやつは、ただの金属の輪っかって感じで、流石に味気がなさ過ぎて気に入らなかった。
手持ちが半分を切ってしまうことを考えるとそこは痛いが、ユニフェイがいないと狩りもクエストも受けられない。
背に腹は代えられなかった。
店に行く途中と帰り道の途中。その道々で俺は、人々の体にこっそりと触れていた。小さく俺の手が光る。
宿に戻り、ステータスを開く。
────────────────────
国峰匡宏
16歳
男
人間族
レベル:7
HP:3500
MP:18600
攻撃力:606
防御力:487
俊敏性:328
知力:1107
称号:<異世界転生者>、<すべてを奪う者>
魔法スキル:生活魔法レベル5、風魔法レベル3 new!、回復魔法レベル1 new!
スキル:テイマー(ユニフェイ:フェンリルの幼体)、鍛冶職人 new!、アイテムボックスレベル1 new!、調理 new!、解体 new!、再生 new!、食材探知 new!
固有スキル:
────────────────────
スキルを奪うだけでレベルが上がっていた。魔法はレアなのか、一般人は持っていないのか、あまり数が集まらなかった。
アイテムボックスはスキルの中ではレアなんじゃないか?なかなかにアツい。
俺はユニフェイに首輪をつけてやると頭を撫でた。すまんユニフェイ、もう一つ試してみたいことがあるんだ。
俺は風魔法を渡すと念じてユニフェイに触れた。
ステータスを見ると、魔法の一覧から風魔法が消えていた。
試しに一番いらないと思った鍛冶職人を渡すと念じる。
……やはりステータスから消えた。俺はツバを飲み込む。
俺はテイマー以外のすべてのスキルと魔法をすべてユニフェイに移し、回復魔法レベル1を奪うと念じた。
ステータスを見ると、鍛冶職人のスキルが移動していた。
──何度か試して分かったこと。
スキルや魔法を奪うのも与えるのも、直接相手に触れる必要があること。
奪うのはランダム。
与えるスキルや魔法は選択可能。
スキルを奪ったり与えるだけで自身のレベルが上がるということ。
レベルが10上がるごとに、レベル表示のあるものは、一緒に上がるということ。
レベルの上がったスキルや魔法を相手に渡しても、レベルが下がらないこと。
スキルや魔法の移動に魔力や体力を消耗しないこと。
──だった。
ただし上がり方に差があるのか、アイテムボックスはレベル1のままだった。
一度奪えば戦わずともレベルを上げることが出来る。
人に渡せるから、欲しい奴にスキルを売ってもいい。
努力をしないでたくさんのスキルや魔法が手に入るなんて、まさにチートだ。
眺めていただけのステータスに直接触れてなぞる。すると詳細が簡単に現れる。
ステータスをスクロールしていくと、右下に検索、という項目があった。そこでスキルの名称を入れると、更に詳細なスキルについての説明があった。スキルという言葉そのものを検索すると、書かれていることだけに限らない効力を持つもの、とあった。
つまり解体は単純に解体するだけのスキルではないという可能性があるということだ。
「何なんだろうな、これ……。」
固有スキルのところにたまたま指が触れた時、固有スキルの横に反応があった。触れるということは、何かがあるということだ。
そこを長押ししてみる。
すると、空白だと思っていた箇所が反転し、文字が浮かび上がる。
ゲノムコントロール。
それが空白の正体だった。
指を離すとまた空白に戻る。鑑定師に見えなかった理由が恐らくこれだ。
スキル遺伝子を奪い獲得する、と簡単に詳細が書かれている。
スキル遺伝子というのは、現代だと個人の才能やスキルが遺伝によってある程度決まるという考え方だ。約半分が遺伝、残り半分が育った環境で決まる、だったか。
だけど、この世界のスキルは鑑定などで目に見えるものだ。
他者の才能=スキル遺伝子を奪うことの出来るスキル。
俺は笑いに歪む顔をおさえることが出来なかった。
──奪ってやる。この世のすべてを。
とりあえず、俺を追い出したあいつらから。
────────────────────
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