最後の勇者のレゾンデートル〜スキルなし判定された俺が隠しユニークスキル「ゲノムコントロール」で闇社会の覇王となるまで〜

陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)

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プロローグ・すべての始まり編

第3話 アンデッドの軍団①

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「どうしたの?今日は調子悪そうだね?」
 魔法師団と共に森で鍛錬を行う為、森に向かう途中の道で、影森は様子のおかしいクラスメートの新井明音を気づかった。
 同じ魔法を使う者同士であれば、連携して訓練することもあるが、影森は火魔法、新井は水魔法なので、離れた場所でそれぞれ鍛錬しており、日頃お互いがどのように魔法の練習をしているのかが分からない。

 このところ毎日、森に連れて来られては各自一人ずつ森に散って自主練習をしている。
 最初は魔法師団が一人に一人ずつ、ついていたが、この森にはそこまで強い魔物が出ないからと、個人練習に切り替わった。なんでも王宮が管理している森なのだそうだ。
 危なければ支給された信号弾を上げれば、すぐに助けが来ることになっている。

 魔力が切れるまで魔物を倒した後は、グッタリして身動きも出来なくなるので、当然森の中で倒れてしまわぬよう、そこを見極めて帰って来なくてはならない。いくら王宮が管理している比較的安全な森とは言っても、魔物が多数生息している場所に代わりはない。
 信号弾を出せずに気絶してしまえば、誰にも気付かれず、助けも呼べない。魔物たちに食われるか殺されてしまうのだ。

 それでも毎日毎日、魔力切れ寸前まで戦わないと、王宮の中に入れては貰えない。
 王宮の入口で鑑定士が待っており、魔力切れ寸前なことを確認してから、ようやく安全な王宮の中へと戻れるのだ。なぜこんなにも酷使されるのか。それは魔力切れは電池切れと似ているが、それと違う点は、魔力切れをおこすまで戦うと、最悪痛みで気絶してしまう代わりに、MPのステータス上限値が上がるという、独自の特典があるからなのだ。

 これはHPにはおこらない。なぜかMPのステータスにだけおこる、不思議な現象。
 MPの上限値の上昇は、そのまま攻撃出来る回数や、使える魔法の威力向上へとつながる。魔法の威力は知力と攻撃力が基本となるが、ある一定以上のレベルから、MPを消費した分だけ攻撃力が上がるようになるのだ。
 その為魔法使いだと分かった生徒たちは、MPの上限値を上げるため、日々擦り切れるまで戦わされることになったのだ。

 本来は幼少期から繰り返し訓練をし、休みを挟みつつ行うもので、こんな風に一気に上げるものではないらしいが、一気に上げたほうが、上限値の上がったMPが満タンになる前に、また使い切ることが可能になる為、むしろステータス上げだけを目的にするのならば、このほうが効率がいいらしい。満タンになるまで休めば、体力の回復も早くなるのだが、当然その分使い切るのが遅くなる。
 
 転生勇者である自分たちは、もとからステータスがこの世界の人間よりも高いため、MPを使い切るのに、はじめから時間がかかるのだと説明を受けた。この世界の普通の人間なら、何も訓練をしていない子どもで1桁、魔法使いでない大人でも、ようやく2桁くらいなので、使い切るのに時間がかからないらしい。だが転生勇者の生徒たちは、はじめから100をこえる者がほとんどだった。
 
 はじめは弱い魔法しか使えなかった為、使い切るのに100回以上魔法をはなった。
 もちろん、1回の攻撃では魔物は死なないので、何度となく攻撃しなくてはならない。
 そのうちどの程度で倒せるのかが分かってくるようになってからは、王宮の魔法師団が森にまでついて来なくなった。
 その頃には王宮が管理する森の魔物は、既に3回で倒せるようになっていた。

「うん……。
 く、国峰君、どうなったかなって。」
 その言葉は影森の表情に影を落とす。
 ──あれから2ヶ月。何も音沙汰がないけれど、生きているとは到底思えなかった。
 訓練の他に仕事もしていた時は、体力の回復が遅い分、MPの回復も遅いのか、半日もすればすぐにMPが切れてズタボロになっていた。MPが満タンでないと体力の回復も遅い為、その逆もおこりうるのだろう。

 それなのに、最低でも訓練終了時間までは帰して貰えず、実戦であればそういうこともあるとして、最後は近接職でもないにも関わらず、ナイフで魔物と戦わされ、魔法なら余裕の魔物に対し、倒せないまま攻撃を繰り返した。その後に更に仕事と思うと、もうウンザリだったが、今は適度な疲れとともに眠りに落ち、快適な目覚めを迎える日々が続いている。気絶しないで魔力切れ寸前に持っていくコツも、だいぶ掴めてきた気がする。

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