最後の勇者のレゾンデートル〜スキルなし判定された俺が隠しユニークスキル「ゲノムコントロール」で闇社会の覇王となるまで〜

陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)

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第1章・王宮復讐ざまぁ編

第6話 強盗(カモ)との遭遇②

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 冒険者は基本日中狩りかクエストで街にいないし、商人も基本店の中か馬車に乗って移動している。よく考えたら、昼間奴らに遭遇する筈などないのだった。
 まあ、大分暗かったから、俺も奴らの声とシルエットしか覚えていないし、向こうも覚えてないかも知れないが。

 俺も何とか商人の馬車に乗せて貰おうと、馬車を持っている商人を、商人ギルドにあたって貰ったが、俺の目的の街ガザンに行く予定のある商人は、最短でも2週間後とのことだった。

 何故ならガザンからこちらに来る予定の馬車があるから。その馬車に乗った商人と売り買いを済ませれば、こちらの商人があちらに行く必要が当分ない。

 その馬車に乗ることが出来ないか尋ねたが、出発時に乗るのは構わないが、商人ギルドの決まりとして、戻る際に新たに人を乗せることが出来ないのだと言う。

 出発時に、出発元の商人ギルドが、同乗者の身分や安全性を保証する。商人は到着先で3日は滞在するので、その間に同乗者は用事を済ませ、再び同じ馬車に乗ってもと来た街へと帰る。

 その時に見ず知らずの人間を新たに乗せると、犯罪に巻き込まれる率が高いからだ。
 護衛をつけているとはいえ、内部の人間に襲われたらひとたまりもない。その責任を商人ギルドは負うことが出来ない。

 言いたいことはわかるが、正直釈然としない。
 ただ言えることは、タイミングが悪かった。
 かくして2週間も待てない俺は、ユニフェイを伴い街道をひたすら徒歩で進んでいるのだった。

 実際とにかく真っすぐな道で、もう大分前から目印となる木が見えるのに、歩けど歩けど到着しない。
 あの木の根元で寝て、そこに死体があったのだと思うと、近付くにつれ、その場所を象徴する木自体を気持ち悪く感じてくる。

 ネクロマンサーを目指そうという男が何を言っているのかと思われそうだが、俺の中でアンデッドは元からそうした存在という認識で、人間が死体になるのとはワケが違うのだ。

 ましてや確実にこの日差しで腐敗が進んでいる筈だ。人の原型すらとどめていない可能性がある。
 例えていうなら、ゾンビみたいな、あんな見た目が崩れてる感じ。映画なら怖くもないが、実際あれが目の前にいたらビビるどころの騒ぎじゃないと思う。

 ようやくあの木の根元まで5メートルというところで、ふと、索敵に何か反応する。使えるスキルだと思っていたのが、正直案外そうでもないことが、この道すがらで段々と分かってきた。
 索敵とは、いわば野生のカンのようなものだ。こちらに敵意や警戒心を持っている生き物が存在した場合、その数や対象が何であるかを無視してこちらに知らせるアラートレベルの代物。
 半径5メートル以内ならば隠れていても分かるので、その方向に向けて準備や先制攻撃を仕掛ける事が出来る。

 対して食材探知はこちらから探す働きを持つ。試しに使ってみたところ、ウサギに一角獣の角がついたような魔物を発見し、ユニフェイに狩らせた。
 解体で肉と骨と角と毛皮にバラし、骨は捨ててあとは今は俺のバッグの中だ。

 新鮮な肉は後でユニフェイがおいしくいただくとして、こんな小さな魔物の毛皮が、果たして売り物になるのかは分からない。
 前世では小動物を使った毛皮のコートなんかもたくさん売られていたけれど、レッドグリーフは一体で人を覆える大きさがある。
 それぐらいじゃないと駄目かも知れないが、せめて角くらいは売れて欲しかった。

 索敵に引っかかった対象を食材探知で探して反応があれば、それは食べられる魔物という事になる。
 俺は索敵に引っかかった方向に食材探知を使った。……反応がなかった。

 だが索敵に引っかかったということは、こちらの命を奪おうとする敵意か、こちらに対する警戒心があるのは間違いない。怯える魔物にも反応するのが索敵なのだ。

 レッドグリーフのような、食べられない魔物か、それとも、──人か。
「ユニフェイ。あの木だ。」
 俺の言葉にユニフェイが目印の木めがけて風魔法レベル4を放った。

 さほど太くないが、それでも2リットルのペットボトルくらいの幅のある木が、ユニフェイの放った攻撃で切り倒される。
 街道とは反対方向に倒れゆく木に、根元に隠れていたらしい3人の男たちが、慌てた声を上げて散り散りに逃げる。

 そして街道に姿を現すと、手に手に刃物を持って、俺に迫った。道の幅いっぱいに広がって、完全に行く手を塞がれたかっこうだ。
 ──強盗か?


「こんな人気のないところを歩くなんてな。」
「殺されても誰がやったか分かんねえんだぜえ?」
「お前の持ちもん全部よこしな。」
 ああ、何ということだろう。
 コイツら、俺のセリフを全部取りやがった。

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