最後の勇者のレゾンデートル〜スキルなし判定された俺が隠しユニークスキル「ゲノムコントロール」で闇社会の覇王となるまで〜

陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)

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第1章・王宮復讐ざまぁ編

第7話 初めての対人戦①

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 俺は王宮暮らしの中で、外は魔物や盗賊や強盗だらけで、危険なのだと説明を受けていた。
 だから元クラスメートたちも、騎士団や魔法師団の同行なしには、外に訓練には行かない。

 外に出て最初に驚いたのが、それがまったくの嘘だと知ったことだった。
 むしろ昼間に出る魔物は、冒険者たちが自分から狩りにいった時に反撃する程度で、角のあるウサギの魔物なんて、俺たちの姿を見てすぐに逃げたくらいだ。

 だから冒険者たちは日中は、魔物が必ずいる、時間わきのダンジョンにこもる。
 わく時間が一定で、ダンジョンクリア後に数時間でわくもの、一日かかるもの、ランダムにわくものと様々だ。

 わくまでの時間が長い方が強い魔物が出て、滅多にわかないランダムダンジョンともなると、このあたりの冒険者では倒せない魔物がわくこともあり、入るまでボスが何か分からない、まさにランダムなのだ。

 何の為にそんな嘘をつくのか。
 ──それは俺たちを騙す為。
 ダンジョンで他の冒険者たちにまざってではなく、王宮近くの森で経験値を上げているのも、おそらくはその為だろう。

 外に出て、他の冒険者たちと知り合い、話す機会が増えれば、自ずと俺のように、この世界での常識を知ることになる。
 そうすれば、遅かれ早かれ、自分たちの異質さに気付いてしまう。

 だって、魔物をちょっと狩りに行ってそれを売れば、俺を含む元クラスメートたちは、働く必要なんてなかった。
 毎日訓練と称して魔物を狩って経験値を上げているのに、どうしてそれで事足りなかったのか。

 魔族が攻めてきている=戦争なんだと、何となく俺たちはイメージしてたけど。
 戦時中はろくな食べ物も水もないから、その中に子ども1人とはいえ、食い扶持を増やすのがどれだけのことであるのか。
 そう思っていた。
 きっとこの国の人たちは、みんな俺と同じような食生活で我慢してるのだと。

 けど、発展こそしていなかったけれど、街の人たちは普通に暮らしてた。
 宿屋にはタップリのお湯があって、普通にお金を出せばご飯が食べられて。
 当たり前の営みがそこにはあった。

 俺を、あんな座敷牢みたいなとこに閉じ込めて、毎日薄いパン粥を食わせて、体を拭くお湯もろくに渡せないくらい、この世界の人たちが貧困にあえいでいる、ってわけじゃなかったのだ。

 特定の仕事につけなくても、魔物の素材を売れば生活できるし、つきたい仕事のスキルがなくちゃ、その仕事が出来ないわけでもない。

 特定の職業スキルがあると、神の与えた祝福に反するとして、逆に他の仕事につけなくなるっていう、宗教上の決まりがあるくらいで、職業選択の自由だってある程度ある。
 学のある人とそうでない人で差や、選べる幅がちょっと違うってくらいだ。

 魔法スキルがある人でも、必ず魔法使いを選ぶわけでもない。
 育てるのが大変な魔法スキルだったり、かつ、本人に冒険者や王宮勤めをするつもりがなければ、魔法使いにすらならないのだという。
 攻撃魔法スキル持ちで、魔法使いにはならない。
 これはかなり俺にとっては衝撃だった。

 攻撃魔法スキル持ちは、重要な戦力だ。戦時中なら、本来国をあげて、まずそいつらを育てようとするだろう。
 それでもかなわなくて、強い異世界人を召喚する。それが普通の流れだと思う。
 けど、この世界の人たちは、戦いたくなければ、戦わなくてもいいのだ。

 商人になろうが、料理人を選ぼうが、何をしたっていいし、みんな自由なのだ。
 火魔法使いや水魔法使いで、料理人として名をはせる人なんてのもいるらしい。
 勇者を異世界から召喚してまで、国民一丸となって、今すぐ魔王と戦わなくてはいけない、なんて空気は、街の人たちの誰にも存在しないものだった。
 俺は緊迫感のなさが、不思議で仕方がなかった。

 だからそんな暮らしの中でわざわざ強盗や泥棒を選ぶ人は限られている。
 よほどスキルがろくでもなくて、苦労してまで仕事に付きたくないか。
 人を襲う方が魔物を襲うよりも、楽で怖くないと思っているか。
 強盗や泥棒の職業スキルを付与されてしまったかのいずれかだ。
 目の前の3人も、きっとそのいずれかなんだろう。

 はっきり言って新人のテイマーなど、他の冒険者から見てたかが知れている。
 本人が魔法を使えないことが殆どで、テイム出来る魔物も弱い。魔物ではなく動物をテイムしている事も多い。

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