最後の勇者のレゾンデートル〜スキルなし判定された俺が隠しユニークスキル「ゲノムコントロール」で闇社会の覇王となるまで〜

陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)

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第1章・王宮復讐ざまぁ編

第7話 初めての対人戦②

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 だから新人のテイマーが旅をする時は基本馬をテイムしている。荷物持ちだったり自分が乗る為だ。
 舐めてかかって当然だと思うが、まさか犬をテイムするような新人が、レベル4の風魔法を使ってくるとは思っていなかっただろう。

 回復魔法と違い、攻撃魔法はレベル1でも連続で当てれば、街周辺の魔物くらいならソロでも倒せる。
 レベル2で数発、レベル3なら一発で倒せる火力だ。

 ちなみにレベル3の魔法が使える冒険者は、当然本人のレベルが20台で、そのレベルになると、殆どがもっと強い魔物を求めて街を出て行く。
 つまりここいらの冒険者が使える魔法はレベル1ないし2。ごくまれに3だ。
 レベル3があれば、新人冒険者との対人戦など、赤子の手をひねるが如くだ。

 レベル3でここいらの魔物を一撃なら、ではレベル4は?
 ちなみに本人のレベルは30を超えると急に上がりにくくなる。まるでレベル30が転職基準であるかのようにだ。

 魔法レベルが1からのスタートの場合、レベル30台がレベル4の魔法持ちとなるわけだが、本人のレベルが上がりにくくなることが指し示す通り、レベル4から上位魔法になるのだ。

 魔王討伐の為の勇者として、召喚された元クラスメートたちも、レベル5の魔法が使えるようになることを、目指して訓練させられている。

 だが異世界転生特権なのか、スタートが魔法レベル1というのは誰もいなかった。
 ほぼ全員がレベル3からのスタート。唯一ダブルスキル持ちの野見山だけが、レベル2の土魔法と、レベル3の風魔法持ちというだけだ。

 本人レベルが1からのスタートで、レベル3の魔法を持っていれば、新人冒険者が街を出る程度の経験値を積めば、レベル5持ちが大量に出来上がる。

 通常新人は、高レベルパーティーに入れた者で半年、同レベルパーティーであれば一年は街にとどまるところを、王宮は短期間で仕上げようとしていた。
 奴らの魔法がレベル5になるのに、恐らくはあと2ヶ月もあれば充分だ。──それを根こそぎ奪う。

 人専門にこの近辺で、強盗を働いている奴らが魔法を使えた場合、少なくともレベル1はあり得ない。少なくともレベル2。3の可能性だってある。

 隠密は探知にも索敵にも引っかからないので、こいつらが隠密を持っている可能性はないが、近接職以外がいた場合、奪える魔法のレベルが高い可能性を考えて俺はワクワクしていた。
 どいつだ?どいつが持ってる?さすがに全員近接職はやめてくれよ?

 だが全員が杖ではなく、刃物を構えているところを見ると、全員近接職なのかも知れない。俺は落胆を隠し切れずに強盗たちを一人ずつ見る。

 強盗たちはお互いの目を見合って、何かサインを送り合っているようだった。
 右端の男が、背中に回していた手に掴んでいた木の枝を、ユニフェイに向かって投げつける。ユニフェイが風魔法でそれを切り裂いた。

 コイツら意外に頭使うじゃないか、と俺は思った。
 犬は目の前に見えているものを、1つの体として見なして警戒する。犬相手に武器で攻撃する場合、初めは武器を見せないのがセオリーなのだ。
 俺に対して刃物で牽制しながら、しっかりユニフェイ対策も用意していたのだ。

 そして──魔物は連続で魔法を放つことが出来ない。
「ファイアーボール!」
「キャン!」
 風魔法を放った直後のユニフェイに、左端の男が火魔法を放つ。攻撃直後の隙を付かれてユニフェイはまともに火魔法をくらった。

 だが、男が呪文を唱えた瞬間、俺が回復魔法レベル2をユニフェイにかけていた。
 いいねえ、異世界らしくなってきたじゃないか。
 ほぼ被弾直後に回復したので、ユニフェイは一瞬強い痛みを感じたものの、それが勘違いだったかのようにキョトンとしている。

 その隙に真ん中の男が俺に襲いかかってくる。俺は真っすぐ突き出されたナイフをカバンで受けた。
 おいおい、穴があいちまったじゃねーか。

 そのままカバンをグイッとひねると、男の腕が一緒にねじれ、いててて!と悲鳴をあげる。
 その腕を掴み、奪う、と念じた。俺の手が小さく光る。立て続けに奪う、奪う、と繰り返し念じた。光は合計3回で止まった。もう、こいつに用はない。

「ユニフェイ!」
 俺の声に、ユニフェイが俺の前の男に風魔法を放った。男の腕がキレイに切断される。
 カバンに刺さっていたナイフが、腕の重みで抜ける。うっわ、気持ち悪りぃ……。
 俺は思わずそれを見ながら後退った。

「──再生。」
 カバンに再生を使い、穴を塞ぐ。
 足元で腕を掴んだ男が転げ回っている。
「こいつ、よくも──!」
 右端の男が俺に襲いかかってくる。
 俺のお目当てはお前じゃねえんだけどなあ。
 やれやれ。

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