最後の勇者のレゾンデートル〜スキルなし判定された俺が隠しユニークスキル「ゲノムコントロール」で闇社会の覇王となるまで〜

陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)

文字の大きさ
90 / 175
第2章・勇者召喚の秘密編

第60話 かなしい2人①

しおりを挟む
「──って、マリィさん生理中じゃん!!」
 ていうか、生理中なのにヤんの?
 結構辛そうだったのに?
 どんだけ鬼畜なんだよあいつは。

 生理激重の母を持つ俺は、一度アシルさんと恭司と共に外に出たものの、すぐに取って返そうとした。だが、

「待った!」
 アシルさんが俺の二の腕を掴んで止める。
「……今止めに行ったら、マリィに恨まれるの、君だよ?」

「どういう事ですか?
 そりゃ、捨てられてもまだ好きな男に抱かれたら、マリィさんは嬉しいかも知れないけど、何も今じゃなくても……。」

 体調が万全の時に改めてすればいいだけの話だと思った。捨てた愛人とはいえ、仮にも長年付き合っていた相手なのだ。
 相手に対する配慮ってものがあってもいいだろう。

「う~~ん。
 マリィの個人的な内容だから、話すの悩むとこなんだけど、僕も彼女に恨まれたくはないし……。

 えっと、ね?
 マリィのあの様子だと、少なくとも4日目以降なんだよね。

 だから、多分、……一番して欲しい時期だと思うよ?」

 ?????
 サッパリ意味が分からない。

「あれじゃね?ホラ、藤木と小松みてえなさ……。」
 と恭司が言ってくる。
 それを聞いた俺はアッ!と思った。

 女性というものは、人によって、生理の前、生理の最中、生理の直後のいずれかに、妙にしたくなる事があるらしい。

 生理は排卵した卵を捨てる為のものだと思っていたが、生理の最中に排卵することもあるのだそうで、生理中だからと生で致すのも危険という、本当に個人差のあるものだなと思う。

 ちなみに小松英莉がそれで、生理の後半が最もしたくなる時期らしく、かつ、藤木が生理中の女とするのが一番好きという、特殊性癖ラブラブカップルなのだ。

 俺たちがやっかみ半分でラブラブさをからかった時に、小松からそれを説明され、ウチら固い絆で結ばれてっから別れねーし。と言われて驚愕したのを思い出す。

 ご褒美慣れしている大人との行為にドハマりはしてはいても、あの2人が別れない理由がそこにあるのだ。

 そして、多分、アシルさんいわく、マリィさんも小松と同じなのだろう。

 エンリツィオが藤木と同じ性癖なのかは分からないが、少なくともそれを分かっていて、わざわざ生理中のマリィさんを押し倒した訳だ。

 な、なるほど……。
 俺には受け止められる気がしないし、生理中の女は嫌だって男も多いだろうから、それだと自分が一番したい時に、して貰えないということになる。

 藤木と小松のように、そういう部分をNGなしで理解して受け止めてくれる相手の方が長続きするし、離れがたくなるというのは分かる。

 俗に男が1万人いたら、1万通りの性癖が存在すると言われるくらい、他人の性癖はみんな違うから、そこに口出しすることではないと思ってはいる。

 そもそもアイツ自身が普通の人間が受け止められない行為を好きそうだし、濡れてなくても入れやすくていいとか思ってそうだもんな。

 ちなみにどうやって時間に対する予想をたてているのかと言うと、サクッとお手軽に行為だけする場合、エンリツィオは殆ど自分自身が脱がないヤツなのだそうだ。

 それをわざわざ脱いで見せる時は、愛人に、今からオメェをグズグズになるまで抱くから、という視覚的アピールで、抱かれなれている女程、無意識に、パブロフの犬のように、それを思い出して力が抜けて柔順になってしまうらしい。

 時間をかけて女を蕩かす前提での、すぐ、なので、最低3時間、という判断になるんだよ、と説明してくれた。

 俺と恭司は、へー、とうなずきながら、知らなくてもいいエンリツィオの扱い方を、日々アシルさんに仕込まれていっているんじゃないかと首を傾げたのだった。

 2人の行為に納得した俺は、アシルさんと恭司とレストランで食事をしながら、雑談をしていた。

「けど、マリィさんて、ホントに凄いですよね。
 俺、自分が持ってて使ってみたから分かるけど、あの神速ってスキル、使いこなせる気がしないです。
 天は二物を与えずって嘘だなって分かりました。」

「──いや?
 マリィも最初は持て余してたよ?
 あのスキル。」

「そうなんですか?
 どうやって習得したんですか?
 やり方があるなら教えて欲しいです、俺。
 せっかくあるんだから、使えるなら使いたいし。」

「多分、コツとかないと思うよ?
 強いて言うなら、──執念、かな。」
 アシルさんが、何やら恐ろしげな事を言ってくる。

「マリィはそもそも、僕が組織に連れて来たんだ。
 強くて頭がキレてオマケに美人でスタイルもいい。潜入工作員にも護衛にも、うってつけだと思ったよ。

 最初は僕が釘をさしてあったこともあって、エンリツィオも手を出さなかったんだよね。
 あくまでも幹部候補生として育てるつもりだったし。

 マリィはさ、出会った頃は、神速を使いこなせていなかった。
 それでも、身体強化と頭の良さで、じゅうぶん戦力になる子だったんだ。

 それがある日、僕らを待ち伏せしてた奴らに、護衛が全員倒されて、僕とエンリツィオが戦おうとする前に、マリィが瞬殺しちゃったことがあってね。

 いつの間にか彼女、神速を使いこなせるようになってたんだ。
 言ってくれたらボディーガード兼秘書に即抜擢したのに、半年も黙ってたんだよ?

 神速って、凄く特殊なスキルでね。与えられたからって、誰でも使いこなせるものじゃない。

 ブレーキの踏めないF1カーに乗ってるようなもんで、使いこなせるようになる前に死ぬことだって多い。

 どちらかというと、両極端過ぎて、ハズレスキル扱いされてるくらいなんだ。だから持ってても扱えない人が殆どなんだよね。
 それをさ、黙って習得した理由、なんだと思う?」

「……ちょっと、分からないです。」

「彼女はこう言ったよ。
“私は貴方に守られるより、貴方の背中を守れる女でいたい”って。

 彼女はあの見た目だから、その気になれば、いくらでも愛人になれただろうけど、エンリツィオは女の本気にこたえたりはしない。

 ……だから、自分だけの特別が欲しかったんだと思う。
 彼女のその言葉は、──どんな愛の言葉より、愛してるって言ってるように見えたよ。

 エンリツィオの横に立てる人間でいたいっていう、彼女の強い意志を感じたし、知らない間にそんなにも、エンリツィオを愛していただなんて、思いもしなかった。

 だって一度だって、彼女はエンリツィオに迫ったことがなかったんだ。

 だから、それでも、エンリツィオが気持ちにこたえなきゃ、優秀な部下が手に入ったのに、悪りぃ、抱いちまった、って言われた時は殺意を覚えたよね。

 エンリツィオを守る必要のある場面がなければ、彼女は一生だって、自分の気持ちも含めて、黙ってただろうから。

 自分一人の為だけに、習得の過程で命の危険もあるようなスキルを、コッソリ極めておいて、いざという場面までそれを黙ってるような、マリィの気持ちにほだされちゃったってのは、分からないでもないけどさ。」

────────────────────

次世代ファンタジーカップエントリーしています。
応援よろしくお願いいたします。

少しでも面白いと思ったら、いいねをタップしていただけると幸いです。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~ Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

処理中です...