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自称天使レア
女騎士を落札する
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奴隷オークションが始まった。
リサにとっては待ちに待ったメインイベントだ。
これまで一品ずつ運ばれていたが、奴隷は一斉にお披露目らしい。
裸に剥かれた奴隷たちが、鎖に引かれ舞台に並ぶ姿は、リサを興奮させた♡
「1番。エルフ。彼女は優れた弓士であります。艶のある金髪! おっぱいがでかい! くびれた腰っ! 自慢の体で、お客様の心を射抜けるか!?」
ブラックジョークに会場が爆笑の渦に包まれた。
エルフにとって誇りであるはずの弓の腕前など、誰も気にしていない。
当事者のエルフは悔しそうに手を握ったが、それがまたいい。
「2番。没落貴族。彼女は未調教です。生意気な生娘を、自分好みの変態に育てたい紳士淑女の方は、ぜひ入札してください!」
かつては人を顎で使う地位にいたのに、今は人に売られる運命だ。
明日にでも大事に残していた処女をぶち抜かれるだろう。
息子にやるか、よく働く下男にやるか……貴族たちは今後の予定を考えていた。
「3番。戦争奴隷のお姫様。どこの国とは申し上げませんが、かの小国が滅亡したのは記憶に新しい。その第二王女がこちらの奴隷です。そして隣で震えている少女こそ、第三王女……王女姉妹を”可愛がり”真の王となりたい方におすすめです!!」
いかに高貴な血筋でも、滅んだ小国など大した価値はない。
だが、人はどうしたって肩書に惹かれてしまうものだ。
飽きてしまえば、長女の”元”に送ってやってもいいのだから、使いやすい。
「さぁ、どんどん参りましょう。お次は――」
多種多様な肩書を持つ奴隷たちが紹介されていく。
初めはいいが、どうしても中だるみしてしまう。
そんなとき、リサは気になる奴隷を見つけた。
「10番。犯罪奴隷です。なんと、女騎士でありながら、魔剣を盗もうとして捕まったどうしようもないクズ女! 然るべき罰を与えてあげてください!!」
金髪の長髪で、後ろはポニーテール。青い瞳は宝石のようだ。
おっぱいはでかいし、無駄な筋肉も付いていない。
ドレスを着させれば、名家の令嬢《れいじょう》と言われても納得するほどの美女だった。
すべての紹介が終わると、一斉に入札が始まる。
リサのお気に入りは、10番。女騎士だ。
他の奴隷たちが高値を更新するなか、リサは落ち着いて手を上げた。
「10番。1000万」
「10番。1500万だ」
リサが値をつけたと同時に、隣の男が食いついてきた。
仮面で顔は隠れているが、いかにも変態そうな太ったおじさんだ。
リサは即座に反撃する。
「10番。2000万」
「10番。2500万だ」
リサと隣の男は競うように入札し、4000万までつり上がる。
隣の男が涼しい顔で入札をしようとしたとき、リサは隣の男に抗議をした。
「ちょっと! あれは俺のものなんだけど?」
「ふん、この場の正義とは金よ。そもそも、容姿、肩書……もっといい奴隷がいるではないか」
「それはこっちのセリフだよ。あんたこそ別のやつを買えばいいじゃん」
「ほぅ、例えば、どれだ?」
「あー、最初のエルフとかでいいんじゃない? 俺はいらないけど」
自分が一番いらないと思う奴隷をおすすめしたリサ。まさに外道。
「わしもいらん。エルフなど、耳が尖っただけのメスではないか。永遠の美などともてはやされているが、老いれば新たに若い娘を買えばいいだけのこと」
「くっ、分かりみが深いっ」
「ほぅ……まさか分かるとは思わなんだ。貴様はなぜ、あの女騎士に固執する? 返答によっては、同士《へんたい》のよしみとして譲ってやってもいい」
「あの強気な表情を見てよ。精一杯の強がりに見えるね。あと絶対アナルに弱い。いや、弱くする。ガバガバにする。ついでに戦力として計算できる騎士は、俺には好条件なわけ」
「よかろう。譲ってやる……わしは10番から降りる。代わりに、3番。1億」
勝ちを譲られたリサだが、男の財力の底は見えない。
男の気まぐれがなければ、女騎士を落札できなかっただろう。
「そこの娘よ、名は?」
「……リサ。錬金術師だよ」
「わしはドスケベスキー伯爵《はくしゃく》。いずれまた、会うことになるだろう。さらばだ」
舌を出して拒絶するリサだったが、それは同族嫌悪からだろう。
このドスケベスキー伯爵が、やがてパトロンとなることをリサはまだ知らない……。
そもそも、おっさんの話などどうでもいい。そんなことより女騎士だ!!
諸々の手続きを済ませ、女騎士を自分の所有物としたリサは、さっそく宿に戻ってきた。
道中、彼女は無口だったが、リサにはどうでもよかった。
羽織らせていた上着を脱がし、今にも飛びかかろうとするリサに、女騎士はようやく顔をあげ、口を開いた。
「私が犯罪奴隷になったのは手違いだ。今すぐ自由にしてくれないか?」
リサにとっては待ちに待ったメインイベントだ。
これまで一品ずつ運ばれていたが、奴隷は一斉にお披露目らしい。
裸に剥かれた奴隷たちが、鎖に引かれ舞台に並ぶ姿は、リサを興奮させた♡
「1番。エルフ。彼女は優れた弓士であります。艶のある金髪! おっぱいがでかい! くびれた腰っ! 自慢の体で、お客様の心を射抜けるか!?」
ブラックジョークに会場が爆笑の渦に包まれた。
エルフにとって誇りであるはずの弓の腕前など、誰も気にしていない。
当事者のエルフは悔しそうに手を握ったが、それがまたいい。
「2番。没落貴族。彼女は未調教です。生意気な生娘を、自分好みの変態に育てたい紳士淑女の方は、ぜひ入札してください!」
かつては人を顎で使う地位にいたのに、今は人に売られる運命だ。
明日にでも大事に残していた処女をぶち抜かれるだろう。
息子にやるか、よく働く下男にやるか……貴族たちは今後の予定を考えていた。
「3番。戦争奴隷のお姫様。どこの国とは申し上げませんが、かの小国が滅亡したのは記憶に新しい。その第二王女がこちらの奴隷です。そして隣で震えている少女こそ、第三王女……王女姉妹を”可愛がり”真の王となりたい方におすすめです!!」
いかに高貴な血筋でも、滅んだ小国など大した価値はない。
だが、人はどうしたって肩書に惹かれてしまうものだ。
飽きてしまえば、長女の”元”に送ってやってもいいのだから、使いやすい。
「さぁ、どんどん参りましょう。お次は――」
多種多様な肩書を持つ奴隷たちが紹介されていく。
初めはいいが、どうしても中だるみしてしまう。
そんなとき、リサは気になる奴隷を見つけた。
「10番。犯罪奴隷です。なんと、女騎士でありながら、魔剣を盗もうとして捕まったどうしようもないクズ女! 然るべき罰を与えてあげてください!!」
金髪の長髪で、後ろはポニーテール。青い瞳は宝石のようだ。
おっぱいはでかいし、無駄な筋肉も付いていない。
ドレスを着させれば、名家の令嬢《れいじょう》と言われても納得するほどの美女だった。
すべての紹介が終わると、一斉に入札が始まる。
リサのお気に入りは、10番。女騎士だ。
他の奴隷たちが高値を更新するなか、リサは落ち着いて手を上げた。
「10番。1000万」
「10番。1500万だ」
リサが値をつけたと同時に、隣の男が食いついてきた。
仮面で顔は隠れているが、いかにも変態そうな太ったおじさんだ。
リサは即座に反撃する。
「10番。2000万」
「10番。2500万だ」
リサと隣の男は競うように入札し、4000万までつり上がる。
隣の男が涼しい顔で入札をしようとしたとき、リサは隣の男に抗議をした。
「ちょっと! あれは俺のものなんだけど?」
「ふん、この場の正義とは金よ。そもそも、容姿、肩書……もっといい奴隷がいるではないか」
「それはこっちのセリフだよ。あんたこそ別のやつを買えばいいじゃん」
「ほぅ、例えば、どれだ?」
「あー、最初のエルフとかでいいんじゃない? 俺はいらないけど」
自分が一番いらないと思う奴隷をおすすめしたリサ。まさに外道。
「わしもいらん。エルフなど、耳が尖っただけのメスではないか。永遠の美などともてはやされているが、老いれば新たに若い娘を買えばいいだけのこと」
「くっ、分かりみが深いっ」
「ほぅ……まさか分かるとは思わなんだ。貴様はなぜ、あの女騎士に固執する? 返答によっては、同士《へんたい》のよしみとして譲ってやってもいい」
「あの強気な表情を見てよ。精一杯の強がりに見えるね。あと絶対アナルに弱い。いや、弱くする。ガバガバにする。ついでに戦力として計算できる騎士は、俺には好条件なわけ」
「よかろう。譲ってやる……わしは10番から降りる。代わりに、3番。1億」
勝ちを譲られたリサだが、男の財力の底は見えない。
男の気まぐれがなければ、女騎士を落札できなかっただろう。
「そこの娘よ、名は?」
「……リサ。錬金術師だよ」
「わしはドスケベスキー伯爵《はくしゃく》。いずれまた、会うことになるだろう。さらばだ」
舌を出して拒絶するリサだったが、それは同族嫌悪からだろう。
このドスケベスキー伯爵が、やがてパトロンとなることをリサはまだ知らない……。
そもそも、おっさんの話などどうでもいい。そんなことより女騎士だ!!
諸々の手続きを済ませ、女騎士を自分の所有物としたリサは、さっそく宿に戻ってきた。
道中、彼女は無口だったが、リサにはどうでもよかった。
羽織らせていた上着を脱がし、今にも飛びかかろうとするリサに、女騎士はようやく顔をあげ、口を開いた。
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