クラスごと異世界転移して好きな女の子と一緒に別行動していたら魔王に遭遇したんですけど...

がいとう

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第1章 俺もチートキャラになりたいんですけど…

7話 街へ

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「そうね、それで最初はどこに向かうのかしら?」
「うむ。ここから一番近い反応のある場所は...そうじゃな、ここから西へ10日程行ったところかの。おそらく冒険者の街ソレイドの辺りじゃ。」
「だ、そうよ。高音くん。お願いできる?」
「ん?またやるのか?」
「ええ。10日歩くぐらいの距離なら、最初の転移の時よりも大分短いはずよ。魔力切れにならずに行けるはずだわ。」
「えー。あれにはもうこりごりなんだが。」
「大丈夫よ。今度は私もしっかりと減速させるわ。」

 どうやら土御門さんは気まぐれ転移がお気に召したらしい。
 正直ローズの話を聞いた俺的にはもうあの転移を使いたくない。
 だがまあ、10日も歩きたくないのも事実な訳で。

「なあ、ローズ。ここから西に行く間に山とかあるか?」
「む?森を抜けた先も平原じゃし、特にそういったものはないが?それがどうしたのじゃ?」
「彼女もこう言っているし、早速行きましょう?」
「む?何を言っておるのだ?」

 土御門さんはローズの手を掴むと俺の左腕に抱きついてきた。
 なんか異世界に来てから土御門さんとの距離がぐっと近づいた気がする。
 ビバ異世界!!よーし跳んじゃうぞ!!

「よし、行くぞ!」
「お、おいお主らまさか?転移するつもりなのか?おいっ!このたわけ!!今の妾は力を殆ど封じられておるのじゃぞ?おいっ!!」
「こらこら、暴れないの。それじゃあ高音くん。お願い!!」
「よしきた。テレポーテーション!!」

 俺たちは冒険者の街ソレイドを目指し、転移した。



 _______________________________________________




 ラングレシア王国王城

 僕の名前は天満勇気。
 今まではごく普通の男子高校生として平和な日々を暮らしていたが、突如異世界にクラス全員で召喚されてしまった。
 なんでも、この国は魔王によって脅かされているらしい。
 この国に住む人々のために僕達はクラスみんなで勇者として戦う事を決意したんだ。

 けれども、昨日困った事が起きてしまった。
 僕のクラスメイトの高音風舞くんと土御門舞さんが突如としていなくなってしまったんだ。
 姫様が言うには高音くんの転移魔法で二人ともどこかへ行ってしまったらしい。
 土御門さんが高音くんに抱きついていたらしいから二人の意思でどこかに行ったのだと思う。

 クラスの女子はあの二人はきっと付き合っていたのよ!って昨日言ってたっけ。
 まあ、それはともかく。
 僕も姫様が言うようにきっと異世界に急に呼ばれてパニックになってしまった事が原因だと思うんだ。

 姫様は至急捜索隊を出してくれたけれども、僕も二人のことが心配だ。
 無事だといいんだけれど、



 _______________________________________________




 ソレイド上空


「ああぁぁぁぁぁぁぁー落ちる!!落ちるのじゃ!死んでまう!このままでは死んでまう!!すまぬ、フレンダ。妾はここまでのようじゃ。」
「いぃぃぃぃやっほーーう!!やっぱり空は良いわね!!ね、高音くん!!」
「ん、ああ。そうだな。今度は風魔法しっかりと頼むぞ。」
「ええ、まっかせといて!あ、あれがソレイドの街かしら?外周に壁もあってそこそこ広いし、それっぽいわね。」
「ん?ああ、それっぽいな。土御門さん。街の外のいい感じのところに頼む。最後は俺が転移魔法で止めるから。」
「わかったわ。」
「おい!!お主ら!!なんでそんなに余裕なんじゃ!!?落ちてるんじゃぞ?おい!!?」

 ローズが土御門さんに片手で抱えられながらギャンギャン吠えている。
 まったく。
 これが魔王だとは、とてもそうには見えないな。
 俺たちが転移してきたところは広い草原にある大きな円形の街の上空だった。
 さっきまでいた魔の樹海の端っこも見える。

 そんな感じで俺が周囲を見回していると、土御門さんが風魔法を使って街の外へと誘導してくれた。
 俺は土御門さんと手を繋ぎ、ローズは抱えられ、身体操作のある土御門さんが間に挟まれている状態だ。

「よし、高音くん。あのちょっとした丘の上に降りるわ。減速させるから最後はお願いね。」
「あいよ。」

 そうして特に問題はなく、俺たちはあっさり着地した。

「ふう、風が気持ちいいところね。」

 そう言って土御門さんは伸びをした。
 彼女の豊満な胸がたゆんと揺れる。
 その足元ではローズが四つ足をついていた。

「し、死ぬかと思ったのじゃ。やっぱり地面は最高じゃの。妾、地面大好き。」
「お前、魔王なんだろ。いくらなんでもビビりすぎだろ。」
「い、いや。今の妾のステータスじゃ余裕で死ぬからな!?それにあんな無茶な転移魔法聞いたこともないわ!!」
「まあまあ、生きているんだしいいじゃない。ね?ローズちゃん。」
「む、むう。もうあんな目に合うのはこりごりじゃからな。妾はもうヘトヘトじゃ。さっさと街に行って休むぞ。」

 土御門さんの笑顔には魔王も絆されるようだ。
 俺たちはローズの後ろについて街の門の方へ歩く。

「なあ、ローズ。お前そのままで魔族だってバレないのか?」
「うむ、目の色さえ変えればエルフと見分けもつかんし問題ないの。今の妾でもそのくらいの魔法は使えるのじゃ。」
「え?胸は...」
「ちょっと高音くん!!?」

 土御門さんはそう言うと俺のそばまで寄ってきた。
 確かに今のは女の子に聞く質問じゃなかったかもしれない。
 デリカシーがなかったか。
 そう思っていたら土御門さんは俺に小さい声で話しかけてきた。

「ねえ、高音くん。あなたこんなところでエルフの秘密を聞いていいのかしら?」
「秘密?」
「そうよ!!私はこの世界のエルフがエルフなのかエロフなのかは自分の目で確かめるべきだと思うのよ。」

 どうやら俺の思い過ごしだったらしい。
 土御門さんはあくまで土御門さんであった。

「なんじゃ?お主らどうかしたのか?」
「い、いや、なんでもない。な?土御門さん。」
「そうね、何も問題ないわ。」
「む、そうかの?」

 ローズは何やら不思議そうな顔をしていたが、特に興味はないのかそれ以上の追求はなかった。
 それといつの間に魔法を使ったのか目の色が赤から青に変わっている。
 どうやらこの世界のエルフの目は青いようだ。

「それで、この街はソレイドといったかしら?冒険者の街ということは冒険者ギルドがあるのよね?」
「うむ。そうじゃな。この街は中心にあるダンジョンによって栄えておる街じゃ。もちろん冒険者ギルドもあるぞ。冒険者ギルドは世界各国にある互助組合のようなものでな、この街は冒険者ギルドの管轄下にあるからどの国にも属していない中立地域なのじゃ。」

 おお、ダンジョンまであるのか。
 それは楽しみだな。
 宝箱から武器とか出てくるんだろうか?

「ダンジョン!?それって魔物とか宝箱があるあれかしら?」
「うむ。確かにダンジョンにそれらはあるの。」
「おおー!!私、ダンジョンが楽しみだわ!!」
「ダンジョンも良いが取り敢えず今日は家を買いに行くぞ。妾は野宿なんぞ耐えられんからの。」
「え、買う?」
「うむ。妾のこのピアスじゃがエンシェントドラゴンの角を加工したものでの。これくらいの大きさでも小さい家くらいなら買えるはずじゃ。どうせお主ら金持ってないんじゃろ?」
「「あ、ありがとうございます。魔王様!!」」
「うむ。苦しゅうない。」

 こうして俺と土御門さんは俺達より小さい魔王様に養ってもらうことになった。
 魔王様の経済力は偉大である。
 俺と土御門さんが魔王様にごまを擦りながら歩いていると門の方から兵士らしき人が三人走ってきた。

「おい、なんか兵士っぽい人が来たぞ?」
「そうね、何かしら。」
「ふむ。まあ妾に任せておれ。どうせお主らは言葉がわからんじゃろうしの。」
「おおー流石魔王様。」

 ローズはそういうと兵士達の方に歩いて行き、何やら話を始めた。
 声が聞こえてくるがやっぱり言語は理解できない。
 それから数分程ローズは兵士と話していたが、兵士がローズの頭を撫でたと思った矢先、三人揃って門の方へ逃げ出してしまった。

「まったく失礼なやつらじゃ。」
「どうかしたのか?」
「うむ。奴らは人が急に降ってくるのを確認したからその様子を見に来たらしい。それで妾達が風魔法で飛んできたと言ってやったら、奴らは妾達のような子供にそんな事できる訳がないと笑って妾の頭を撫でたから殺気を飛ばしてやったのじゃ。そしたらあの様よ。まったく不甲斐ないわい。」
「転移魔法のことは言わなかったのか?」
「うむ。人族に転移魔法を使えるやつはほぼおらんからの、無用な騒ぎを避けるために伏せておったのじゃ。」

 どうやらローズなりに色々考えていたらしい。
 それなら殺気を飛ばすようなことはしないで欲しかったが。
 そんな事を思ったものの、ここで立っていても仕方がないので、取り敢えず門の方に再び歩いて行く事にしたのだが門が近くなってきたあたりで鎧を着たクールビューティーな女性がやって来た。

「おいローズ。流石に街に入れないと困るから今度こそ頼むぞ。」
「ふん。奴の態度次第じゃ。」
「お願いね、ローズちゃん?」
「う、うむ。」

 土御門さんがローズに微笑みを向けるとローズは納得したのか女性の方へ歩いて行った。
 わかる。土御門さんのあの笑顔向けられるとなんでも言う事聞いちゃうよな。
 そうして、ローズと女性の話が始まった。

「ねえ、高音くん。」
「ん?どうした?」
「彼女、女騎士かしら?」
「いや、どうなんだろうな。この街は国家に属していないらしいから騎士って言うのかはわからないけど、ジョブみたいなかんじの騎士ならいるかもな。」
「そうよね。きっとそうよね。くっ殺せとかきっと言うわよね。」


 どうやら土御門さんは女騎士もお好きななようだ。
 俺の腕を掴みながら指をさして目をめっちゃキラキラさせている。
 コラコラ、人を指差しちゃいけません。俺が興奮する土御門さんを抑えているとローズと話しをしていた女騎士が突然ローズにだらしない顔で抱きつき頭を撫で始めた。

 おお、人気だなローズ。今日頭を撫でられるの2回目だぞ。
 ってそうじゃない。どうしてそうなった。
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