クラスごと異世界転移して好きな女の子と一緒に別行動していたら魔王に遭遇したんですけど...

がいとう

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第2章 やっぱり俺の仲間が優秀なんですけど…

10話 剣と道化の街

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「おお、すげぇ!これが剣と道化の街ソーディアの道化か。シルビアさん、ほらあの人火の玉吹いてるぞ!」
「フーマ様、あっちも見てください!あの人たち剣を足で持って戦ってますよ!」
「あらあらあら、二人ともはしゃいで子供みたいやねぇ。」

 俺達が宿から出て大通りに向かうとそこは沢山の人々の行き交う噴水広場だった。
 ボタンさんから昨晩『剣と道化の街ソーディア』という謳い文句を聞いていたが、ようやくその意味が分かった。
 大広場ではたくさんの派手な人が見たこともないような物を売ったり、度肝を抜かれるような芸を披露している。
 これが道化の部分で間違いないだろう。

 日本にいた頃にマジックショーやサーカスを何回か見に行ったことのある俺でも楽しめるくらいソーディアの芸は派手で細かい。
 もしかすると日本で見たものより魔法があるこの世界の芸の方が凄いかもな。
 そんな事を思いながら様々な大道芸に心を奪われていると、ボタンさんがソーディアについて説明してくれた。

「ソーディアは街の中央にある闘技場で開かれる剣闘大会と大道芸が有名な街なんよ。なんでも、初代公爵はんが血と道楽が大層好きだった人らしくてなぁ、それに取り入ろうとやって来た人達の子孫が今もこうして芸を引き継いでやってるらしいんよ。」
「へー、それでこんなに沢山の大道芸人がいるのか。もの凄くイカした街だな。」
「はい。私も噂には聞いたことありましたが、こんなにも活気あふれる街だとは思いませんでした。」
「せやろう?うちも初めてソーディアに来たときは朝から晩まで芸を見て回ったんよ。」
「へーそいつは楽しそうだな。ってそうじゃなかった。早く服を買いに行かねえと。」

 あやうく本来の目的を忘れて街を回ってみようぜ!とか言っちゃう所だった。
 まず先に用を済ませなくちゃだな。
 俺の横で尻尾をブンブン振って目を輝かせていたシルビアさんもはっとした表情をしているし、どうやら俺だけがテンションが上がってしまった訳ではないらしい。
 普段は大人っぽく見えるのに、テンションが上がると尻尾に感情がもの凄い出るよな、この人。

「そうですね。それで、服はどこのお店に買いに行くのでしょうか?」
「服はこの広場から少し離れた静かな雰囲気の店で買うつもりなんよ。うちが案内するからついて来てなぁ。」
「ああ。迷子にならない様に気を付けて移動しないとな。」
「はい。私もフーマ様の匂いを見失わない様に気を付けます。」
「お、おう。」

 何で匂いなんだと思わなくもないが、何となく質問するのも面倒だったので適当に流した。
 ボタンさんの案内に従って大広間から離れて城の方に歩いていくと、人通りが少しずつ減り格式高そうな店が増えてきた。
 そんな店を眺めながらシルビアさんに匂いをかがれつつ歩くこともう数分、俺達はようやく目当ての店に到着した。

「へー。なんか凄い高そうな店だな。」
「そうですね。なんだか入る前から緊張してしまいます。」
「そんなに緊張せえへんでもうちらはお客なんやし、問題ないと思うんやけど。」

 ボタンさんにそんな呆れた声をかけられつつ、俺達はボタンさんを先頭に恐る恐る入店した。
 店内にはよく漫画やアニメで見るような貴族然とした男性用の洋服やドレスがズラリと並んでいる。
 俺とシルビアさんが雰囲気にのまれて足を止めていると、店員のお姉さんが俺達に声をかけにきた。

「ようこそいらっしゃいました。本日はどのような服をお探しでしょうか?」
「この二人に城に出向けるような服を用意しておくれやす。」
「そういえば、俺達そんなに金持って来てないぞ。」

 俺の今の所持金はローズが持たせてくれた金貨1枚と自分の財布に入っていた大銀貨3枚と銀貨2枚。
 日本円で13万2千円ほどしかない。
 こんなに高そうな店ではスカーフ一枚でも買えるか怪しい気がする。

「うちが二人の分買っててあげるから心配あらへんよ。」
「流石にそんな大金直ぐに返せる当てがないぞ?」
「はい。私も一庶民に過ぎませんし。」
「別に返してくれなくてもええんやけど、それなら剣の大会に出たらいいんやない?毎日開催されてる大会なら優勝すれば大金貨1枚もらえるし、3回も優勝すれば十分にお金も稼げると思うんよ。賭けも開かれてるし、フーマはんのリハビリにも丁度ええんやない?」

 流石にボタンさんに払わせるのは悪いと思っていたら、戦って稼げば良いとか言い出した。
 俺には対人戦闘の経験なんてローズとの訓練以外殆どないし、剣術のスキルのLVも未だに1のままだ。
 そんな調子の俺がリハビリ感覚で勝ち進めるとは毛ほども思えないのだが。

「俺がそこまで強くないの知ってるだろ。」
「別に魔法は攻撃に使わなければ使ってええんやし、十分に戦えると思うんよ。それに毎日やってる大会の参加者はそうレベル高くないしなぁ。」
「私もフーマ様が出るなら全財産をかけさせていただきます。」
「まぁ、返す当ても今のところないし服を買わない訳にもいかないからそうするか。」

 俺はそんな感じで特に何も考えずに剣闘大会への参加を決めた。
 流石に命がけの大会ではないだろうし、大丈夫だろ多分。

「それじゃあ決まりやね。」
「頑張ってくださいね!」

 こうして俺とシルビアさんはそれぞれ剣闘大会への出場と賭けで金を稼ぐ事が決まり、その様子を確認した店員さんが俺達に一礼をして服を用意しに行った。
 俺達が展示されている服を眺めながら店内をまわっていると、店員さんが再びやってきて俺とシルビアさんはそれぞれ別の試着室へと案内された。
 試着室はよくデパートとかにあるちんけなものじゃなくて、学校の教室くらいの広さがある。
 すげぇ緊張すんだけど。

 そんなどうでもいいことを考えながら店員さんの言うがままに服を着ていくと、俺のいる試着室にボタンさんが訪ねてきた。

「あらあらあら、結構男前やなぁ。フーマはんの魅力が溢れだして見えるわぁ。」

 ボタンさんが着替えた俺を見てそう感想を言った。
 俺の今の服装は黒い布地に金の刺繍を施されたロングジャケットに、真っ白のシャツと細身の黒いスラックスを合わせたゴージャスながらもいやらしさを感じさせない上品な感じだ。
 ただ、ネクタイの代わりに初めて貴族が首に着けているヒラヒラであるジャボっていうやつを付けたのだが、どうもこれが落ち着かない。

「んー、首元がなんかムズムズするがボタンさんがそう言うならこれでいいか。」

 そんな感じで俺の服は決まり、次はシルビアさんの番だ。
 俺も試着していた服を手早く脱いでボタンさんと共にシルビアさんのいる試着室に向かった。

「おお。すげぇ美人だ。」

 試着室に入りシルビアさんを見た俺は思わず見とれてしまった。
 大きな姿見の前に立つシルビアさんは青いタイトなドレスを着て短い髪を結いあげている。
 彼女の美しい美脚が誇張され大人っぽくてカッコいい女性の印象を受ける。
 忠犬になってしまった最近では中々見られない、クールビューティーなシルビアさんがそこにはいた。

「ど、どうでしょうか?」
「ああ。すげぇ似合ってるな。まるでどっかの貴婦人みたいだ。」
「そうやね。これなら並の貴族よりもドレスを着こなしてるかもしれへんなぁ。」
「そ、それなら良かったです。何分ドレスなど初めて着たもので、自分には過ぎたものではないかと心配だったのですが、そう言って頂けて安心しました。」

 シルビアさんは大人っぽい表情を浮かべながら上品にそう言ったが、尻尾にもろに感情が出てしまっている。
 なんか色々台無しだよ。

 そんな感じでそれぞれの服が決まった俺達は丈やウエストを合わせてもらう為に一時間程暇になってしまったので、今日の剣闘大会の申し込みに行く事にした。
 洋服にかかったお金は合わせて大金貨5枚と結構な高額だったが、ボタンさんが俺に賭けて勝った分はそこから差し引いてくれるそうなので頑張りたいと思う。

「そういえば、剣闘大会の申し込みの時にステータスカードを提示しなくちゃいけなかったりするか?」
「いや、申し込みには身分証は何も必要あらへんよ。なんでも脛に傷がある人でも実力者なら敬意を贈ろうっていうのがソーディアの剣闘大会の方針みたいやね。」

 剣闘大会でステータスカードを出す必要があるなら出場を控えようかと思っていたが、問題がなさそうでほっとした。
 今の俺のステータスカードはローズがしてくれた偽装工作が解けているし、勇者とか書かれているため流石に人様に見せられるようなものではない。

 せっかくステータスカードの話になったので俺はついでに気になったことを聞いてみることにした。

「そういえば、ステータスカードの偽装ってやっぱり難しいのか?」
「もちろんです。ステータスカードは神々が人族の為に自分の能力を把握してより成長しやすいように、ともたらしてくださったものですからね。神殿に行けば大銅貨一枚で購入できるものですが、欠陥のない完璧なものなのです。」

 俺はその話しを聞いて欠陥がないは言いすぎだろと思った。
 だってあれって結構スキルとかの説明が解りづらいし。
 俺がそんな罰当たりな事を考えているとボタンさんが俺の横にスススッと寄って来て小声でボソッと呟いた。

「って一般には広ってるけど、幾つかのスキルと魔力操作を駆使すれば改竄できなくもないんよ。うちも一応できるしなぁ。」
「あぁ、やっぱりできんのね。」

 神様が作った云々はまぁ置いとくとしても、ステータスカードには欠陥というか抜け道は存在するらしい。
 信心深そうなシルビアさんには聞かせられない大人な話だな。
 友達思いで純粋なままのシルビアさんでいてくれ。
 俺は心の中でそう願った。

 そんな感じで3人でテクテクと歩いていると、俺達はようやく闘技場にたどり着いた。
 かなり大きい闘技場の前の広場には半裸のゴツイおっさんの石像が立っている。
 俺が見上げていると過去にこの闘技場で1万連勝した英雄の石像だとボタンさんが教えてくれた。
 俺はその石像をほへーとか言いながら眺めつつ、今日の剣闘大会の受付に向かった。
 受付は闘技場に入ってすぐの所にあったので別に迷うこともなかった。

「今日の剣闘大会の受付をお願いします。」
「はい。出場名は何になさいますか?」
「じゃあ、チーズバーガーで。」

 俺は某有名ハンバーガーチェーン店に入った時のノリでそう答えてしまった。
 もう昼時で腹も減っていたししょうがないだろう。
 ぶっちゃけ名前なんてなんでもいいし。

「チーズバーガーですね。それと、」
「あ、ポテトはいらないです。」
「はい?」

 受付のお姉さんが怪訝そうな顔をしている。
 おっと、真面目に話を聞かなくては。

「いえ、なんでもないです。それで、なんでしたっけ?」
「はい。出場に銀貨3枚が必要です。」
「ああ、はい。お願いします。」
「はい。丁度ですね。剣闘大会は日暮れと共に始まりますので、その前には集合場所にいらしてください。それと、これが出場証ですので無くさないよう気をつけてくださいね。」
「わかりました。ありがとうございます。」

 俺はお姉さんから貰ったミサンガを手首につけて受付場を後にした。
 ボタンさんとシルビアさんが楽しげに話しをしながら待っている。
 あの二人結構仲良くなったんだな。

「お待たせ。剣闘大会って夜からなんだな。」
「そうやね、昼は道化で夜は剣っていうのが昔からのソーディアの風習なんよ。剣闘大会を酒を飲みながら見る人も多いしなぁ。」
「なるほどな。酒を飲みながら見物っていうのも楽しそうだな。」
「うちも美味しい酒を持って行って応援するから頑張ってなぁ。」
「まぁ、怪我しないように頑張るよ。」
「私も一生懸命応援します。」

 二人もこうして応援してくれるって言ってるし、出来る限り頑張りたいと思う。
 まぁ勝てたら儲けもんぐらいの気持ちでボチボチ頑張ろう。
 優勝出来なかったら地道に冒険者で金を稼いでボタンさんに返済していけばいいしな。

「ありがとな。さて、仕立て直しが終わるまで時間あるし昼飯に行こうぜ。腹減った。」
「そうですね。フーマ様を待っている間ちょうどその話しをしていたんですよ。なんでも、美味しいパスタの店があるらしいんです。」
「うちも何度か行ったことあるけれど、結構美味しかったんよ。」
「へぇ、それは楽しみだな。」

 こうして俺達は美味しいと評判のパスタ屋に行って昼食を食べた後、もう一度服屋に足を運んで城に行く準備を済ませた。
 なんか昼飯食ってる間にブルっときたのが心に引っかかる。
 あれなんだったんだ?
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