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第5話 インフルエンサー達
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もうすぐGWになる。ああ、やっとアイツと離れられる。このウザ過ぎる周囲の人間達からも。
アイツらが俺を集合場所の目印にしているせいで、いつも沢山の人間に囲まれて…
今年の1年で最も注目株のアイツと、学内1モサいモブ男の日々をBL的視点で好き勝手に楽しんで嗤ってる。
アイツの仲間になった 漫研の連中のせいで、更に拍車がかかってるし。
マジで 腹が立って腹が立ってしょうがない。そんでもって…
「ねぇ~ナオく~ん、あのさ?漫画の資料用につなぎ着てるとことか見れたらなぁ~って思うんだけどさ~、まだつなぎ持ってる?」
「あ~それ俺らも見た~い♪」
「ナオちゃん作業してるとことか 写真ねぇのっ?」
「あ~作業中は授業中っち事やけん、写真は無えなぁ~危ねぇし。つなぎは、ばーちゃんかオカンが 雑巾にして無かったらまだあると思いますけど~」
「ぶっ…ぶはっ!雑巾⁈雑巾にしちゃうの⁈お母さん達⁈」
「そりゃ~するやろ。ただで捨てんのもったいねぇし。東京のオカンはせんの?古りぃタオルとか」
「あーうちは、100均で雑巾買ってたなぁ」
「うちもー」
「ふぁっ⁈マジでっ⁈」
「うん。そもそも、タオルとか人数分くらいしか無いからなぁ~」
「へっ?タオルとか貰わんの?」
「誰かに貰うの?タオルって…」
「え~?酒屋とか車屋とか、何か個人経営とか会社しよったらタオルくれるやろ~っ?店の名前と電話番号とか入ったやつをっ」
「えっ?そうなのっ?いや~こっちはあんま無いかなぁ~。ふふっでも良いね、そうゆうのって」
「ふーん…東京はそこも違うんかぁ~…」
「それ分かるぅ~~~っ!!」と言いながら外野に居た 地方の田舎出身者が乱入し、ド田舎トークで大盛り上がりし…
またアイツの仲良しの輪が広がった。
漫研をはじめ、俺以外は楽しんでいたけど。どんどん良いネタに資料に情報に…が流れて行くのに変な独占欲というか…この性格のせいで苛立ちだけが募っていった。
(別の日)
GWまであと2日となった。ああ…あと少しで…!と、今までの人生で一番GWを望む俺をよそにアイツらはガンガン盛り上がっている。
俺のポジション…物理的な立ち位置としては、いつもアイツが隣にいるけど、体以外の精神は遥か彼方にある。
輪の中心で傍観してる。苛立ちを表に出さないように。
GWという事もあり、実家に帰る連中が例のご当地商品比べの品を買って来ると張り切っていて、全員が楽しみだと言っている。
牛乳から始まって数回目…これからもアイツ中心で続いて行くんだと思える。
企画としては安価で不特定多数参加出来て、特別な場所も不要で、皆で楽しく共有し、争いにならないし。
新学期に限らず学内の人間と交友関係を結ぶのに丁度良い。
ご当地の数だけ名物や味の違いがあるのが日本だし、アイツが卒業するまで続いても、まだまだ商品はあるだろう。
小説とか文章を書く人間、漫画を描く創作側の人間からすると、良いネタ、良いコンテンツだ。
この様子や商品、地元出身者が語るご当地のリアル、違う都道府県出身の皆の商品に対する味のレビュー、アレンジ案…無限にネタがある。
皆がポロポロ言ってる事をまとめれば、なかなかの読者数が見込めそうな気がする。
日本人はグルメのネタが好きだし、故郷のご当地商品は気になる人も多い、少し旅する気分にもなるかもだし…学生時代の活動として履歴書にも書けそうだ…
ただ、やっぱり漫画に軍配が上がる。いくら文章が巧みでも、絵と文が組み合わさった漫画には敵わない。
漫画の方がちゃんと伝わる。商品も表情もリアルな反応も楽しそうな様子も全部。
読者も長文読解するより100%漫画の方が良いのは分かる。特に商品の紹介やグルメ、景色、スポーツとかならば尚更。
俺は今日も感情を表に出さずに傍観してるだけ。漫研の連中がこのネタを上手に活かして創作を…好きな事を仕事にしていく姿をただ傍観してるだけの大学生活を送るんだろう。
と、思っていたら、まだ創作をするグループが居た。
SNSの自分のチャンネルで1万人以上のフォロワーを持つインフルエンサー達だ。
ああ、確かに良いネタだろうよ。自分1人じゃ出来ない事だし、同じ学校のインフルエンサー達と動画を上げれば超お手軽コラボ企画だ。
徹夜で漫画を描くより早く、リアルタイムで 一気に数万人に届く。
企業側もこの上なかろう。
そもそも俺は、惜しいとか腹が立つとかすら思えるレベルじゃ無かった。同じ土俵に立ってすら無かった。
俺の隣で楽しそうにしてるアイツの所に2人の男がやって来た。俺と同学年で最近フォロワーが1万人を超えた2人だ。
2人は遠慮がちにやって来て迷わずアイツに声をかけた。あ~あ…これでネタは全部無し…と、まだ未練がましい俺自身が一番ウザいし苛立つ。
「あの~こんにちは~はじめまして~朝日君だよね?」
「はい そうですけど?」
「あ、あの皆さんで楽しんでる所に突然お邪魔してすみません」
「俺達は2年なんだけど、朝日君に聞きたい事があって…良いかな?今じゃ無くても時間がある時で大丈夫だから」
「?今で全然大丈夫ですけど…2年生って先パイ達の友達ですか?」
そう言ってアイツはキョトンとした顔で俺らを見たが、お前じゃ無いんだ。学内全員友達論はやめろ。
俺らモブ男とは最も遠い存在なんだよ。学校のヒエラルキートップにいる奴らだよ!!
…とも言えないので 当たり障り無く言うしかない。
「いや…学年は同じだけど…」
「うん。学部が違うから面識が無いよね~」
「ふふ でも、あの日。朝日君と嵯峨君が初めて会った場面を一番近くで見てたよ♪」
「あ…そう言えば…」
「え~~っホントですかぁ~っ?」
「うん笑 嵯峨君しか目に入って無かったみたいだからねぇ~?」
「あ~そうなんですよ~!もう、先パイ見つけた瞬間、マジでっ神様サンキュー!!今度こそ絶対ぇチャンスは逃さねぇ!!っち思って真剣走ったんで~。あ、もしかして、ぶつかったりしちゃいましたっ?」
「……………」
「ふふ…いやいや、全~然」
「ナオちゃん…笑」
「くぅぅぅぅう~~~~っ♡♡尊しゅぎりゅぅぅう~~~~~~~~っつ♡♡♡」
「ふふっ朝日君 足速いよね~陸上部だった?」
「いえ、帰宅部です~」
「えっ?そうなの?へ~、あ 俺らはサッカー部でね~」
と話が始まり、要約するとだ。
2人は違う県出身で面識は無かったが、お互いのSNSをフォローしていて、入学式でバッタリ出会い、同学年だしサッカー部だったしで意気投合した。
大学に入ったらYourRoute(ユアルート)で動画配信したいと思っている所も一緒で、それぞれ自分のチャンネルで動画配信をしつつコラボしつつで、つい最近フォロワー数1万人を突破した。
2人のチャンネルはそれぞれ好きな事、趣味を動画にしている。
運動部だったから礼儀正しく言葉遣いもしっかりしていて爽やかな好青年であり、同世代だけでは無く大人にも支持されている。
アンチは ほぼ居ない。どんなチャンネルかと言うと
1人目は「チャリ&チャーリー」というチャンネル名で、自分のあだ名が「チャーリー」だ。
田舎育ちでどこに行くにも自転車(チャリ)必須であり、中学・高校はもはや自転車通学の距離じゃ無いレベルだったが、サッカー部だし体力作り、とずっと自転車通学だった。
いつ見てもどこに行くにもチャリに乗っていたので、あだ名が「チャーリー」になったのだ。
東京に来て公共交通機関が発達していたけど人の多さに耐え切れず、愛車のチャリで自分の気になるスポットへ探検し上京した地方出身者目線でのチャリ旅が人気だ。
都内のディープな所や隣県の景色の良い場所を巡ったりして一緒にサイクリングしてる気分になれる。
それに休憩がてら入ったお店、カフェがかなり良い感じでカフェ巡り、パン屋巡りが趣味な人にも人気が高い。
2人目は「おそとだ」というチャンネル名で、苗字の「戸田」と趣味のアウトドア(外)をかけている。
この人も田舎育ちで山に囲まれた生活をしていて、家族も近所の人もバーベキューやアウトドアで自然と触れ合うのが普通の生活だったから、都内や近郊で登山や散歩、アウトドアを楽しむ動画が人気だ。
学生の財布事情で出来る範囲で誰でも真似しやすいし親しみやすい。
小さい頃からの経験があるので自然を甘く見たり無茶したりせず、同世代より大人の世代に人気が高い。
本当にアウトドアして来たからこその、ホットサンドやコーヒーを作る様子は手際が良いし、一緒に食べてみたいと思える。
2人はプライベートでも仲良しで一緒にサッカーしたりで視聴者からセットで人気がある。
そんな2人が目を付けたのは、九州の島育ちのアイツだ。2人は海無し県出身なので、ぜひ話が聞きたいらしい。
視聴者から、時々は海側進出して欲しいとリクエストが多々あるそうだ。
それに、アイツが工業科で機械科だからDIYとか愛車のチャリとかアウトドア用品の事とか詳しいのかも気になる所らしい。
2人は言わなかったが、アイツの容姿とキャラ、トークは人気が出るだろうから、早めに自分達のチームに入れておくのが吉、というやつだ。
うちの学校にはインフルエンサーがゴロゴロいるからな。正解だと思う。
当の本人と言えば、キョトンとして
「え?先パイ達は有名な人っち事ですか?」
「そっそうだよ!ナオちゃん!ユアルートってあるでしょっ?」
「うん。俺は見れんのやけど…え?学校に有名人がおるって事っ⁈すげぇなっ やっぱ東京はっ!!」
「うん…そだね…笑」
「ふふ…笑」
「いや~ 俺らは有名人とかじゃ無いよ~?」
「え~~っでもスゴイですよ~~っだって、応援してくれとん人が1万人以上おるんでしょ~~⁈1万人以上の人が先パイ達の動画を楽しみにしとんのでしょ~っ?スゴイやないですか~っ!」
「いやぁ~、うん。ありがたいことにねぇ~お陰様で~」
「ほんとに感謝だよね~応援してくれる皆様には~」
「スゴイわ~1万人以上かぁ~…島の人口とか5~600くらいやになぁ~」
「えっ?そんだけしか居ないのっ?」
「え、いや むしろもっと少ないのかと思ってた!」
コイツって…相手が誰でも変わらないっつーか…ブレないというか…。
人気急上昇中のインフルエンサー、学校のヒエラルキートップが相手でも、素のままで話題を攫うっつーか、人を惹きつける魅力がある…のか?
自分がSNSしない、ネットも見ない、有名になるのに興味無い、創作しない、承認欲求が無い…とかだろうなコイツ…。
俺もそうなら…な。俺は同じ年で好きな事してインフルエンサーになった2人に嫉妬みたいなのするし。
漫研の連中にはもっと苛立つし…。
本当にどうしようもない人間だ俺。
この一件でコイツは一気に学内のヒエラルキートップ集団に一歩足を踏み入れる事になった。
入学してから1ヶ月足らず…。スゲェ奴…だけど全くそんなのに気付いて無いのがコイツの一番凄い所かもしれない。
アイツらが俺を集合場所の目印にしているせいで、いつも沢山の人間に囲まれて…
今年の1年で最も注目株のアイツと、学内1モサいモブ男の日々をBL的視点で好き勝手に楽しんで嗤ってる。
アイツの仲間になった 漫研の連中のせいで、更に拍車がかかってるし。
マジで 腹が立って腹が立ってしょうがない。そんでもって…
「ねぇ~ナオく~ん、あのさ?漫画の資料用につなぎ着てるとことか見れたらなぁ~って思うんだけどさ~、まだつなぎ持ってる?」
「あ~それ俺らも見た~い♪」
「ナオちゃん作業してるとことか 写真ねぇのっ?」
「あ~作業中は授業中っち事やけん、写真は無えなぁ~危ねぇし。つなぎは、ばーちゃんかオカンが 雑巾にして無かったらまだあると思いますけど~」
「ぶっ…ぶはっ!雑巾⁈雑巾にしちゃうの⁈お母さん達⁈」
「そりゃ~するやろ。ただで捨てんのもったいねぇし。東京のオカンはせんの?古りぃタオルとか」
「あーうちは、100均で雑巾買ってたなぁ」
「うちもー」
「ふぁっ⁈マジでっ⁈」
「うん。そもそも、タオルとか人数分くらいしか無いからなぁ~」
「へっ?タオルとか貰わんの?」
「誰かに貰うの?タオルって…」
「え~?酒屋とか車屋とか、何か個人経営とか会社しよったらタオルくれるやろ~っ?店の名前と電話番号とか入ったやつをっ」
「えっ?そうなのっ?いや~こっちはあんま無いかなぁ~。ふふっでも良いね、そうゆうのって」
「ふーん…東京はそこも違うんかぁ~…」
「それ分かるぅ~~~っ!!」と言いながら外野に居た 地方の田舎出身者が乱入し、ド田舎トークで大盛り上がりし…
またアイツの仲良しの輪が広がった。
漫研をはじめ、俺以外は楽しんでいたけど。どんどん良いネタに資料に情報に…が流れて行くのに変な独占欲というか…この性格のせいで苛立ちだけが募っていった。
(別の日)
GWまであと2日となった。ああ…あと少しで…!と、今までの人生で一番GWを望む俺をよそにアイツらはガンガン盛り上がっている。
俺のポジション…物理的な立ち位置としては、いつもアイツが隣にいるけど、体以外の精神は遥か彼方にある。
輪の中心で傍観してる。苛立ちを表に出さないように。
GWという事もあり、実家に帰る連中が例のご当地商品比べの品を買って来ると張り切っていて、全員が楽しみだと言っている。
牛乳から始まって数回目…これからもアイツ中心で続いて行くんだと思える。
企画としては安価で不特定多数参加出来て、特別な場所も不要で、皆で楽しく共有し、争いにならないし。
新学期に限らず学内の人間と交友関係を結ぶのに丁度良い。
ご当地の数だけ名物や味の違いがあるのが日本だし、アイツが卒業するまで続いても、まだまだ商品はあるだろう。
小説とか文章を書く人間、漫画を描く創作側の人間からすると、良いネタ、良いコンテンツだ。
この様子や商品、地元出身者が語るご当地のリアル、違う都道府県出身の皆の商品に対する味のレビュー、アレンジ案…無限にネタがある。
皆がポロポロ言ってる事をまとめれば、なかなかの読者数が見込めそうな気がする。
日本人はグルメのネタが好きだし、故郷のご当地商品は気になる人も多い、少し旅する気分にもなるかもだし…学生時代の活動として履歴書にも書けそうだ…
ただ、やっぱり漫画に軍配が上がる。いくら文章が巧みでも、絵と文が組み合わさった漫画には敵わない。
漫画の方がちゃんと伝わる。商品も表情もリアルな反応も楽しそうな様子も全部。
読者も長文読解するより100%漫画の方が良いのは分かる。特に商品の紹介やグルメ、景色、スポーツとかならば尚更。
俺は今日も感情を表に出さずに傍観してるだけ。漫研の連中がこのネタを上手に活かして創作を…好きな事を仕事にしていく姿をただ傍観してるだけの大学生活を送るんだろう。
と、思っていたら、まだ創作をするグループが居た。
SNSの自分のチャンネルで1万人以上のフォロワーを持つインフルエンサー達だ。
ああ、確かに良いネタだろうよ。自分1人じゃ出来ない事だし、同じ学校のインフルエンサー達と動画を上げれば超お手軽コラボ企画だ。
徹夜で漫画を描くより早く、リアルタイムで 一気に数万人に届く。
企業側もこの上なかろう。
そもそも俺は、惜しいとか腹が立つとかすら思えるレベルじゃ無かった。同じ土俵に立ってすら無かった。
俺の隣で楽しそうにしてるアイツの所に2人の男がやって来た。俺と同学年で最近フォロワーが1万人を超えた2人だ。
2人は遠慮がちにやって来て迷わずアイツに声をかけた。あ~あ…これでネタは全部無し…と、まだ未練がましい俺自身が一番ウザいし苛立つ。
「あの~こんにちは~はじめまして~朝日君だよね?」
「はい そうですけど?」
「あ、あの皆さんで楽しんでる所に突然お邪魔してすみません」
「俺達は2年なんだけど、朝日君に聞きたい事があって…良いかな?今じゃ無くても時間がある時で大丈夫だから」
「?今で全然大丈夫ですけど…2年生って先パイ達の友達ですか?」
そう言ってアイツはキョトンとした顔で俺らを見たが、お前じゃ無いんだ。学内全員友達論はやめろ。
俺らモブ男とは最も遠い存在なんだよ。学校のヒエラルキートップにいる奴らだよ!!
…とも言えないので 当たり障り無く言うしかない。
「いや…学年は同じだけど…」
「うん。学部が違うから面識が無いよね~」
「ふふ でも、あの日。朝日君と嵯峨君が初めて会った場面を一番近くで見てたよ♪」
「あ…そう言えば…」
「え~~っホントですかぁ~っ?」
「うん笑 嵯峨君しか目に入って無かったみたいだからねぇ~?」
「あ~そうなんですよ~!もう、先パイ見つけた瞬間、マジでっ神様サンキュー!!今度こそ絶対ぇチャンスは逃さねぇ!!っち思って真剣走ったんで~。あ、もしかして、ぶつかったりしちゃいましたっ?」
「……………」
「ふふ…いやいや、全~然」
「ナオちゃん…笑」
「くぅぅぅぅう~~~~っ♡♡尊しゅぎりゅぅぅう~~~~~~~~っつ♡♡♡」
「ふふっ朝日君 足速いよね~陸上部だった?」
「いえ、帰宅部です~」
「えっ?そうなの?へ~、あ 俺らはサッカー部でね~」
と話が始まり、要約するとだ。
2人は違う県出身で面識は無かったが、お互いのSNSをフォローしていて、入学式でバッタリ出会い、同学年だしサッカー部だったしで意気投合した。
大学に入ったらYourRoute(ユアルート)で動画配信したいと思っている所も一緒で、それぞれ自分のチャンネルで動画配信をしつつコラボしつつで、つい最近フォロワー数1万人を突破した。
2人のチャンネルはそれぞれ好きな事、趣味を動画にしている。
運動部だったから礼儀正しく言葉遣いもしっかりしていて爽やかな好青年であり、同世代だけでは無く大人にも支持されている。
アンチは ほぼ居ない。どんなチャンネルかと言うと
1人目は「チャリ&チャーリー」というチャンネル名で、自分のあだ名が「チャーリー」だ。
田舎育ちでどこに行くにも自転車(チャリ)必須であり、中学・高校はもはや自転車通学の距離じゃ無いレベルだったが、サッカー部だし体力作り、とずっと自転車通学だった。
いつ見てもどこに行くにもチャリに乗っていたので、あだ名が「チャーリー」になったのだ。
東京に来て公共交通機関が発達していたけど人の多さに耐え切れず、愛車のチャリで自分の気になるスポットへ探検し上京した地方出身者目線でのチャリ旅が人気だ。
都内のディープな所や隣県の景色の良い場所を巡ったりして一緒にサイクリングしてる気分になれる。
それに休憩がてら入ったお店、カフェがかなり良い感じでカフェ巡り、パン屋巡りが趣味な人にも人気が高い。
2人目は「おそとだ」というチャンネル名で、苗字の「戸田」と趣味のアウトドア(外)をかけている。
この人も田舎育ちで山に囲まれた生活をしていて、家族も近所の人もバーベキューやアウトドアで自然と触れ合うのが普通の生活だったから、都内や近郊で登山や散歩、アウトドアを楽しむ動画が人気だ。
学生の財布事情で出来る範囲で誰でも真似しやすいし親しみやすい。
小さい頃からの経験があるので自然を甘く見たり無茶したりせず、同世代より大人の世代に人気が高い。
本当にアウトドアして来たからこその、ホットサンドやコーヒーを作る様子は手際が良いし、一緒に食べてみたいと思える。
2人はプライベートでも仲良しで一緒にサッカーしたりで視聴者からセットで人気がある。
そんな2人が目を付けたのは、九州の島育ちのアイツだ。2人は海無し県出身なので、ぜひ話が聞きたいらしい。
視聴者から、時々は海側進出して欲しいとリクエストが多々あるそうだ。
それに、アイツが工業科で機械科だからDIYとか愛車のチャリとかアウトドア用品の事とか詳しいのかも気になる所らしい。
2人は言わなかったが、アイツの容姿とキャラ、トークは人気が出るだろうから、早めに自分達のチームに入れておくのが吉、というやつだ。
うちの学校にはインフルエンサーがゴロゴロいるからな。正解だと思う。
当の本人と言えば、キョトンとして
「え?先パイ達は有名な人っち事ですか?」
「そっそうだよ!ナオちゃん!ユアルートってあるでしょっ?」
「うん。俺は見れんのやけど…え?学校に有名人がおるって事っ⁈すげぇなっ やっぱ東京はっ!!」
「うん…そだね…笑」
「ふふ…笑」
「いや~ 俺らは有名人とかじゃ無いよ~?」
「え~~っでもスゴイですよ~~っだって、応援してくれとん人が1万人以上おるんでしょ~~⁈1万人以上の人が先パイ達の動画を楽しみにしとんのでしょ~っ?スゴイやないですか~っ!」
「いやぁ~、うん。ありがたいことにねぇ~お陰様で~」
「ほんとに感謝だよね~応援してくれる皆様には~」
「スゴイわ~1万人以上かぁ~…島の人口とか5~600くらいやになぁ~」
「えっ?そんだけしか居ないのっ?」
「え、いや むしろもっと少ないのかと思ってた!」
コイツって…相手が誰でも変わらないっつーか…ブレないというか…。
人気急上昇中のインフルエンサー、学校のヒエラルキートップが相手でも、素のままで話題を攫うっつーか、人を惹きつける魅力がある…のか?
自分がSNSしない、ネットも見ない、有名になるのに興味無い、創作しない、承認欲求が無い…とかだろうなコイツ…。
俺もそうなら…な。俺は同じ年で好きな事してインフルエンサーになった2人に嫉妬みたいなのするし。
漫研の連中にはもっと苛立つし…。
本当にどうしようもない人間だ俺。
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