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第30話 2人の夏休み⑦
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「パセリって…まぁ…うん。分かるけど…確かにな」
「お前 ホント喋って無いもんな…」
「だろ?」
「確かに 嵯峨先輩ナオちゃんと話して無いですね…」
「ナオくん すんげー懐いてるけど…」
「嵯峨君は…ナオくんがBLとかR18とか知っても大丈夫と思う?」
「嵯峨は あの場に居なかったから分かん無いかもだけどッ!凄い殺気みたいなオーラっつーかッ凄かったんだ!」
「そうそうそうそうッ!」
「…アイツの事を俺に聞かれても…」
「まあ、そうなんだけど!さっきホラ、言ってくれたでしょ?創作の事とか…!」
「……。創作するなら、応援してくれる人間を 大切に優先させる方が良いんじゃないですか?」
「え?嵯峨それって…」
「アイツの考えは知りませんけど、その場にも居ませんでしたし。その時に アイツ自身に気持ちを聞いても無い訳でしょ?全員。怖いから。」
「あ…」
「創作するなら…俺の周りは美大とか色々創作してる人多いけど。誰でも自分の頭の中とか腹の中とか、他人に覗かれるのは無理な人が多いでしょ。他人の反応が怖いし。だから匿名で正体も明かさず創作を発表するのは良いと思いますよ。そっちの方が自由に自分らしく表現出来る人が多いだろうし。自分の作品を応援してくれる人を 一番に考えるべきじゃないですか?それで成功したいなら。ただ大学の間だけ サークルが一緒の人間を気にして作風とか変えて、本当に表現したい事もせず。ま、世の中どれがヒットするか分からないから、そうした事によってプラスに働くかもですけど。それで応援してくれる存在が離れて チャンス潰したら、後悔しません?」
「あ………」
「アイツの事は知らないけど、自分のせいでチャンス潰したり 他人の邪魔になるような事は したく無いタイプな感じだし。頑張る人とか応援しようとするタイプだから チャーリー達の動画にも協力したわけでしょ。何も分かって無かったから、荷物持ちとか裏方手伝う感じに思ってて、実際は出演で。騙された訳じゃ無いけど…おかげで知らない人間から狙われて。こんな結果になるかも、とか分かってたのは周りだけ。アイツは まだ分かって無い感じじゃない?話聞いてると」
「確かに…そうなんだよな…」
「ナオちゃん 何で皆が自分の事 知ってるんだろう?ってよく言ってるし」
「有名な人の動画に出たからだよって説明しても…「え?何で?」って」
「テレビとかで 通行人の人とか一般人がインタビューされたりしても、有名にならないのに?って感じに思ってるんだよね」
「ナオ君…自分の顔が もの凄くイケメンって思って無いんだよな~ キャラも良いから人気出るとかも」
「SNSもYourRoute(ユアルート)も全く知らなくて、島っていう特殊環境で育てば、そうなると思うけど。アイツの日常聞いてても 全く常識も違うし、東京が標準で 関東圏の人間は慣れてるけど。俺らが 北海道とか沖縄にポンっと置いて行かれて右も左も分かんないのと同じだろ」
「確かに……」
「クロエ先輩には さすがに言えなかったとしても、チャーリー達になら…直接言え無いにしても、一言 動画に出るって どういう事かを アイツに誰か教えた?」
「…いや……」
「コンテンツ的にも、アイツのキャラ的にも学内の反応からバズるって分かってただろ?インフルエンサーの動画出るんだし。しかもクロエ先輩の動画の後に」
「まあ…うん……」
「保護者的なポジションするつもりなら、一言 教えてやれば良かったじゃん?出た動画は引っ込ま無いんだから」
「あ……」
「………」
「別に、責めてる訳じゃねぇよ。俺も思ってて何もしなかったし。関わるつもりも 保護者するつもりも一切無いから、そうしなかっただけ」
「え…関わるつもり無いって……!」
「見てて分かると思うけど。一切 自分から何もして無いし、連絡先も交換して無いし、一緒に遊びに行ったりもして無い。一応、大学の「先輩」だから「後輩」から学内の事とか、学業とか聞かれて 教えられる範囲なら教えるよ?「先輩」だから。でも、プライベートまでは 知らない。お客さんだから、バイト先に来るのは 全然構わないけど、大学じゃないんだから、あんな風に来られたら困るし。お前らも そうだろ?バイト中に飛びついて来られたらさ」
「…確かにそうだけどさ…つーか、アレ お前にしか して無いし……ナオくんだからさ?」
「そうそう、嵯峨だって ナオくんのキャラとか分かってるだろ?昼間に一緒に居るから」
「分かってるけど。それが適切かどうかは別の話だろ。これは大学でアイツに注意しなかった俺が悪い。面倒だから流してたし、前回来た時は 弁えてたと思ったから。ちゃんと言っとけば良かったと思ったよ。俺の為にも、バイト先の為にも、アイツの為にも」
「………」
「アイツだからって擁護したり、問題無いとか……皆よく言って笑ってるけど。実際アイツはどう思ってるか 聞いたことある?」
「え?」
「俺、昼に皆が話してるの聞いてるだけだけど。アイツは普通の事 言ってるつもりだけど、皆に笑われてるばっかじゃん?よく「何で そんなに笑うかな?面白いかな?」って言ってんの聞くけど。それで皆に「何で笑ってるの?」って聞いてるのに、明確な返事を誰もして無いけど。俺がアイツの立場なら 腹立つと思うし、話すのも 一緒に居るのも嫌だけど。芸人みたいに 笑わせようとか思ってる訳じゃ無いのに、地元の事 聞かれて素直に事実を言ったら笑われて、理由も分からず、聞いても「いいのいいの」で教えてもくれず。ずっと それのループだろ」
「あ……うん……」
「アイツの話は 関東とかの人間には 特にもの珍しくて面白いけど、裏を返せば それだけ常識も環境も違う所から 一人で上京して来てて、色々分かって無い訳だろ?笑われてるから、そうされ無いために気をつけようって 思うのが 普通と思うけど。だから、何となく はじめの時より 方言とか出さなくなったなって思ったし、アイツが 誰かと話してて お互い楽しそうに会話してる様に見えるのは 関東以外の…地方出身の人とじゃないか?」
「あ…確かに…」
「チャーリー達とか、あの北海道と沖縄の先輩とか。出身地が近いとか田舎育ちで 話が合うとかも分かるけど、皆 地方から来て自分でも通ってきた道だから、バカにした様な笑い方はして無いし、自分達の地元では…って情報交換してるし、家族とか友達とかの話も アイツと同じだけ返してる。アイツの一方通行で見世物みたいに笑って無いし、東京ではね…って、ちゃんと教えてるだろ?地方出身者が困った事で共感するから」
「…そうだな…」
「そう…ですね…」
「別に お前らが悪いとか言ってねぇよ。ずっと関東で育つと これが普通と思ってるから、別の地域の人が 何に困ってるかとか 分かんねぇから。それにアイツの地元とか家族の話は面白いし、笑うのも分かるし」
「うん…」
「アイツと今後も付き合っていくつもりなら、関わっていけば良いし、何か 殺気とか何かで怖いなら、手に負えなさそうなら距離を置けばいいだけだろ」
「えっ!距離置けって……!」
「置け、とは言って無いだろ?自分で決めたらいいじゃん。パセリ ポジションの俺に相談とかせずに。俺は 学内でも関わる気 無いって、「先輩」「後輩」での一般的な学業面でしか関わらないって、はじめに言っただろ?」
「でも…!ナオくん お前に一番懐いてるじゃんっ?」
「俺らから見ても そう思います…!嵯峨先輩には他と違うって」
「私達にも…そう見えるけど…」
「俺は「人違い」って言ってるし、今日も来て、「東京暑い」と「九州の方が涼しい」しか言われて無いし、何で 皆が笑ってるかって 質問された事も無い。アイツも 相談する部類のカテゴリーに入れて無いんだろ?」
「それはっ…昼の時間しかお前と会わないからじゃん?他に人がいっぱい居るし」
「そうそう!そんな相談したり出来る雰囲気じゃ無いし」
「ナオちゃん、いつも先輩と遊びたがってます…今回も海に来るかと思ってたみたいだったし…」
「…「先輩」だから、困ってる事とか相談されたら可能な範囲で 対応はするけど、聞かれても無いのに 何かしたりはしない。自分自身で責任取れない範囲は しないようにしてるから。もし俺に 相談とかあれば、連絡先知らなくても、お前ら経由でいくらでもアポ取る手段があるだろ?」
「それは…」
「アイツの事 知らない一面あって 怖いと思う事もあったかもだし、距離置きたいなら全然 誰も責める権利は無いと思うけど。今の話を聞いて、アイツは お前らが悪く言われて怒った感じみたいじゃん?」
「うん。それだ」
「俺は義理人情とかに厚くないから、普段から 訳も分からず笑われてたら…俺だったら腹立つから、そんな人間のために喧嘩してやろうとか思わないけど」
「…うん」
「アイツは お前らのために 怒ったんなら、一言フォロー入れるなり、これから付き合い続けるんなら、笑うだけじゃ無くて 予想されるトラブルとかに 要らんこと巻き込まれ無いように教えてやるくらいは してやったら?もう 動画は拡散されてんだから。クロエ先輩が一番 力あるけど、立場上…ビジネスとして、何があっても100%アイツの味方には ならない…なれ無いから。喧嘩とかになったら」
「そう…だな…」
「チャーリー達よりフォロワー数多い人間は 学内だけでも居るし。未然に防げるように アイツに言っとかないと、100%不利な状況にさせられるぞ?」
「うん……」
「アイツがそんな状況になった時、お前らも巻き込まれる事だってあるんだからな?」
「あ…」
「じゃ、俺はこれで…」
「嵯峨…!」
「俺は今までとスタンスは変わらない。自分に不利益がありそうなら フェードアウトするし、アイツから「先輩」に質問とかあれば「後輩」に出来る範囲でしてやらない事もない。その程度だから。介入するって決めたなら、やれよ。中途半端はアイツが一番キツイぞ?島とは人との距離感 全く違うんだから。人との距離感とか、それなりに流す方法掴めたら 楽になるかもだけど。今は 一人で東京に居る術なくて、一番最初に仲良くなった人間に笑われつつも一緒に居るしか…かもなんだから。ま、元々の性格とかあるし、本心は分からねえけどな、皆」
「……うん…」
そう言って、一人で喫茶店を出て、むせかえる様な…息をすれば肺の中まで熱気と湿気とコンクリートの匂いが入ってくる暑さの中 帰宅した。
あんなに言うつもりは無かったのに…適当に流すつもりだったのに…所々自分と重なる部分があって…言い過ぎてしまった…けど
言った言葉はもう引っ込まないし グダグダ考えてもしょうがない。
離れて行く人間は それまでだ。
そして、やっぱり俺は俺だ。今日 気になった事を調べたいと思う。
そういう人間だから仕方ない。
九州と沖縄の方が涼しいなんて、夏に窓を開けて寝れるなんて…信じられ無いけど…全国版天気予報を見て衝撃だ。
九州・沖縄の方が…どこよりも涼しいじゃん!元祖避暑地はどうした?南の方が避暑地なんだけど。
更に、地学分野にまで手を伸ばし…住んでる場所にはよるが
島や半島、海と山が近い所、住宅が密集して無い所、地面が舗装されて無い所が多いと
アイツが話していたように 夏でも室内はクーラー要らずで風だけで十分だと…
住宅街のド真ん中のマンションで育った俺には驚きの事実だった。
「お前 ホント喋って無いもんな…」
「だろ?」
「確かに 嵯峨先輩ナオちゃんと話して無いですね…」
「ナオくん すんげー懐いてるけど…」
「嵯峨君は…ナオくんがBLとかR18とか知っても大丈夫と思う?」
「嵯峨は あの場に居なかったから分かん無いかもだけどッ!凄い殺気みたいなオーラっつーかッ凄かったんだ!」
「そうそうそうそうッ!」
「…アイツの事を俺に聞かれても…」
「まあ、そうなんだけど!さっきホラ、言ってくれたでしょ?創作の事とか…!」
「……。創作するなら、応援してくれる人間を 大切に優先させる方が良いんじゃないですか?」
「え?嵯峨それって…」
「アイツの考えは知りませんけど、その場にも居ませんでしたし。その時に アイツ自身に気持ちを聞いても無い訳でしょ?全員。怖いから。」
「あ…」
「創作するなら…俺の周りは美大とか色々創作してる人多いけど。誰でも自分の頭の中とか腹の中とか、他人に覗かれるのは無理な人が多いでしょ。他人の反応が怖いし。だから匿名で正体も明かさず創作を発表するのは良いと思いますよ。そっちの方が自由に自分らしく表現出来る人が多いだろうし。自分の作品を応援してくれる人を 一番に考えるべきじゃないですか?それで成功したいなら。ただ大学の間だけ サークルが一緒の人間を気にして作風とか変えて、本当に表現したい事もせず。ま、世の中どれがヒットするか分からないから、そうした事によってプラスに働くかもですけど。それで応援してくれる存在が離れて チャンス潰したら、後悔しません?」
「あ………」
「アイツの事は知らないけど、自分のせいでチャンス潰したり 他人の邪魔になるような事は したく無いタイプな感じだし。頑張る人とか応援しようとするタイプだから チャーリー達の動画にも協力したわけでしょ。何も分かって無かったから、荷物持ちとか裏方手伝う感じに思ってて、実際は出演で。騙された訳じゃ無いけど…おかげで知らない人間から狙われて。こんな結果になるかも、とか分かってたのは周りだけ。アイツは まだ分かって無い感じじゃない?話聞いてると」
「確かに…そうなんだよな…」
「ナオちゃん 何で皆が自分の事 知ってるんだろう?ってよく言ってるし」
「有名な人の動画に出たからだよって説明しても…「え?何で?」って」
「テレビとかで 通行人の人とか一般人がインタビューされたりしても、有名にならないのに?って感じに思ってるんだよね」
「ナオ君…自分の顔が もの凄くイケメンって思って無いんだよな~ キャラも良いから人気出るとかも」
「SNSもYourRoute(ユアルート)も全く知らなくて、島っていう特殊環境で育てば、そうなると思うけど。アイツの日常聞いてても 全く常識も違うし、東京が標準で 関東圏の人間は慣れてるけど。俺らが 北海道とか沖縄にポンっと置いて行かれて右も左も分かんないのと同じだろ」
「確かに……」
「クロエ先輩には さすがに言えなかったとしても、チャーリー達になら…直接言え無いにしても、一言 動画に出るって どういう事かを アイツに誰か教えた?」
「…いや……」
「コンテンツ的にも、アイツのキャラ的にも学内の反応からバズるって分かってただろ?インフルエンサーの動画出るんだし。しかもクロエ先輩の動画の後に」
「まあ…うん……」
「保護者的なポジションするつもりなら、一言 教えてやれば良かったじゃん?出た動画は引っ込ま無いんだから」
「あ……」
「………」
「別に、責めてる訳じゃねぇよ。俺も思ってて何もしなかったし。関わるつもりも 保護者するつもりも一切無いから、そうしなかっただけ」
「え…関わるつもり無いって……!」
「見てて分かると思うけど。一切 自分から何もして無いし、連絡先も交換して無いし、一緒に遊びに行ったりもして無い。一応、大学の「先輩」だから「後輩」から学内の事とか、学業とか聞かれて 教えられる範囲なら教えるよ?「先輩」だから。でも、プライベートまでは 知らない。お客さんだから、バイト先に来るのは 全然構わないけど、大学じゃないんだから、あんな風に来られたら困るし。お前らも そうだろ?バイト中に飛びついて来られたらさ」
「…確かにそうだけどさ…つーか、アレ お前にしか して無いし……ナオくんだからさ?」
「そうそう、嵯峨だって ナオくんのキャラとか分かってるだろ?昼間に一緒に居るから」
「分かってるけど。それが適切かどうかは別の話だろ。これは大学でアイツに注意しなかった俺が悪い。面倒だから流してたし、前回来た時は 弁えてたと思ったから。ちゃんと言っとけば良かったと思ったよ。俺の為にも、バイト先の為にも、アイツの為にも」
「………」
「アイツだからって擁護したり、問題無いとか……皆よく言って笑ってるけど。実際アイツはどう思ってるか 聞いたことある?」
「え?」
「俺、昼に皆が話してるの聞いてるだけだけど。アイツは普通の事 言ってるつもりだけど、皆に笑われてるばっかじゃん?よく「何で そんなに笑うかな?面白いかな?」って言ってんの聞くけど。それで皆に「何で笑ってるの?」って聞いてるのに、明確な返事を誰もして無いけど。俺がアイツの立場なら 腹立つと思うし、話すのも 一緒に居るのも嫌だけど。芸人みたいに 笑わせようとか思ってる訳じゃ無いのに、地元の事 聞かれて素直に事実を言ったら笑われて、理由も分からず、聞いても「いいのいいの」で教えてもくれず。ずっと それのループだろ」
「あ……うん……」
「アイツの話は 関東とかの人間には 特にもの珍しくて面白いけど、裏を返せば それだけ常識も環境も違う所から 一人で上京して来てて、色々分かって無い訳だろ?笑われてるから、そうされ無いために気をつけようって 思うのが 普通と思うけど。だから、何となく はじめの時より 方言とか出さなくなったなって思ったし、アイツが 誰かと話してて お互い楽しそうに会話してる様に見えるのは 関東以外の…地方出身の人とじゃないか?」
「あ…確かに…」
「チャーリー達とか、あの北海道と沖縄の先輩とか。出身地が近いとか田舎育ちで 話が合うとかも分かるけど、皆 地方から来て自分でも通ってきた道だから、バカにした様な笑い方はして無いし、自分達の地元では…って情報交換してるし、家族とか友達とかの話も アイツと同じだけ返してる。アイツの一方通行で見世物みたいに笑って無いし、東京ではね…って、ちゃんと教えてるだろ?地方出身者が困った事で共感するから」
「…そうだな…」
「そう…ですね…」
「別に お前らが悪いとか言ってねぇよ。ずっと関東で育つと これが普通と思ってるから、別の地域の人が 何に困ってるかとか 分かんねぇから。それにアイツの地元とか家族の話は面白いし、笑うのも分かるし」
「うん…」
「アイツと今後も付き合っていくつもりなら、関わっていけば良いし、何か 殺気とか何かで怖いなら、手に負えなさそうなら距離を置けばいいだけだろ」
「えっ!距離置けって……!」
「置け、とは言って無いだろ?自分で決めたらいいじゃん。パセリ ポジションの俺に相談とかせずに。俺は 学内でも関わる気 無いって、「先輩」「後輩」での一般的な学業面でしか関わらないって、はじめに言っただろ?」
「でも…!ナオくん お前に一番懐いてるじゃんっ?」
「俺らから見ても そう思います…!嵯峨先輩には他と違うって」
「私達にも…そう見えるけど…」
「俺は「人違い」って言ってるし、今日も来て、「東京暑い」と「九州の方が涼しい」しか言われて無いし、何で 皆が笑ってるかって 質問された事も無い。アイツも 相談する部類のカテゴリーに入れて無いんだろ?」
「それはっ…昼の時間しかお前と会わないからじゃん?他に人がいっぱい居るし」
「そうそう!そんな相談したり出来る雰囲気じゃ無いし」
「ナオちゃん、いつも先輩と遊びたがってます…今回も海に来るかと思ってたみたいだったし…」
「…「先輩」だから、困ってる事とか相談されたら可能な範囲で 対応はするけど、聞かれても無いのに 何かしたりはしない。自分自身で責任取れない範囲は しないようにしてるから。もし俺に 相談とかあれば、連絡先知らなくても、お前ら経由でいくらでもアポ取る手段があるだろ?」
「それは…」
「アイツの事 知らない一面あって 怖いと思う事もあったかもだし、距離置きたいなら全然 誰も責める権利は無いと思うけど。今の話を聞いて、アイツは お前らが悪く言われて怒った感じみたいじゃん?」
「うん。それだ」
「俺は義理人情とかに厚くないから、普段から 訳も分からず笑われてたら…俺だったら腹立つから、そんな人間のために喧嘩してやろうとか思わないけど」
「…うん」
「アイツは お前らのために 怒ったんなら、一言フォロー入れるなり、これから付き合い続けるんなら、笑うだけじゃ無くて 予想されるトラブルとかに 要らんこと巻き込まれ無いように教えてやるくらいは してやったら?もう 動画は拡散されてんだから。クロエ先輩が一番 力あるけど、立場上…ビジネスとして、何があっても100%アイツの味方には ならない…なれ無いから。喧嘩とかになったら」
「そう…だな…」
「チャーリー達よりフォロワー数多い人間は 学内だけでも居るし。未然に防げるように アイツに言っとかないと、100%不利な状況にさせられるぞ?」
「うん……」
「アイツがそんな状況になった時、お前らも巻き込まれる事だってあるんだからな?」
「あ…」
「じゃ、俺はこれで…」
「嵯峨…!」
「俺は今までとスタンスは変わらない。自分に不利益がありそうなら フェードアウトするし、アイツから「先輩」に質問とかあれば「後輩」に出来る範囲でしてやらない事もない。その程度だから。介入するって決めたなら、やれよ。中途半端はアイツが一番キツイぞ?島とは人との距離感 全く違うんだから。人との距離感とか、それなりに流す方法掴めたら 楽になるかもだけど。今は 一人で東京に居る術なくて、一番最初に仲良くなった人間に笑われつつも一緒に居るしか…かもなんだから。ま、元々の性格とかあるし、本心は分からねえけどな、皆」
「……うん…」
そう言って、一人で喫茶店を出て、むせかえる様な…息をすれば肺の中まで熱気と湿気とコンクリートの匂いが入ってくる暑さの中 帰宅した。
あんなに言うつもりは無かったのに…適当に流すつもりだったのに…所々自分と重なる部分があって…言い過ぎてしまった…けど
言った言葉はもう引っ込まないし グダグダ考えてもしょうがない。
離れて行く人間は それまでだ。
そして、やっぱり俺は俺だ。今日 気になった事を調べたいと思う。
そういう人間だから仕方ない。
九州と沖縄の方が涼しいなんて、夏に窓を開けて寝れるなんて…信じられ無いけど…全国版天気予報を見て衝撃だ。
九州・沖縄の方が…どこよりも涼しいじゃん!元祖避暑地はどうした?南の方が避暑地なんだけど。
更に、地学分野にまで手を伸ばし…住んでる場所にはよるが
島や半島、海と山が近い所、住宅が密集して無い所、地面が舗装されて無い所が多いと
アイツが話していたように 夏でも室内はクーラー要らずで風だけで十分だと…
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