先パイッ!「ビーエル」って何ですかっ?

AnnA

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第46話 外野会議②

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漫研の部室に到着し、ドアが閉まった瞬間…

腐り散らかした BL愛好家の面々は椅子にまで辿り着けずに 歓喜の絶叫をしたらしい。

連れ達は恐怖だったそうだが、退室する事も出来ず…

危ない集団に拉致されたら こんな感じか…?と身を案じていたそうだが

(連れ達にとっては)幸い(だけど)、俺とアイツにしか 興味の無い集団で 事なきを得た。

すぐに出られるように ドアの側に居たかったが、一応 部員ではなく 来客のためテーブル席の椅子を勧められ…

非常口(ドア)をチラ見しつつ着席した。

分かるわ…俺も美大でモデルしてる時はな…

今じゃ、人となり知ってるから、完全に流せてるけど。

最初は 恐怖と緊張があったもんだ…懐かしい…。

そうして、会議が開始になったが、何度も非常口をチラ見し、4限までの時間を…時計をチラ見し…だったらしい。


「くぅうううぅーーッッ!!!♡♡♡最ッ高ッ過ぎたぁあぁぁ~~~っっ!!!♡♡♡」

「何あれ~~~ッ♡♡♡ナオくん 強いの⁈♡♡「逃さず守る」ってっっ♡♡♡」

「ってゆうかぁ~~~ッあの後、もう一回 嵯峨君に会いに行ってたとかぁ~~~ッッ絆を感じるッ!!!ビンビンにッッ!!!♡♡♡」

「2人の分かり合えてる感が たまらんッッ!!!♡♡♡」

「ってゆうかぁ~ッ、ナオくん 女の子には超塩対応で嵯峨君だけにベッタリじゃ~んッッ♡♡♡!!!最高かよォ~~~っっ♡♡♡」

「銭湯で出会ったとかさ~~~ッ♡♡♡嵯峨君の対応見て惚れたとかさ~~~ッ♡♡♡前も後ろも知ってるとかさ~~~ッ♡♡♡ヤッバッ!!!♡♡♡」


等々、怒濤の奇声ラッシュに一般人(連れ達)は、呆気に取られて 固まったままだったけど

漫研から、「友達からの意見も!!!」と、求められて…

ようやく、言葉を発したのだが…お互いに日本語のハズなのに…少し 意思疎通というか何かが…難しかったそうだ。

とは 俺に話したが、会議の内容は 俺らには結局言わないままだったけど、俺もアイツも興味無いからスルーだった。

「ねね!でっ?友達からの意見としてはッッ⁈♡♡♡」

「……え…あ…えっと………」

「えー…と、そうですね……」

「嵯峨君はホントに「人違い」って信じてたみたいだけど!!!」

「あー…本人が一番驚いたでしょうね…」

「入学前に銭湯で会ってる…というか、見られてた なんて思っても無いわな…」

「ナオちゃんも 全然言いませんでしたからね~」

「そうそう。ナオくんは嵯峨先輩が 美大の手伝いしてるの知ってたけど、誰にも言って無いみたいだから 黙ってたんだろうね?」

「そうだろうな~。今日も 確認取ってから、話したもんな~?」

「それに、俺ら以外では 詳細というか…は分からない感じで言いましたもんね~?たぶん、俺ら以外は銭湯の壁画の事か何かと思ってるんじゃね?」

「嵯峨のボディーペイントの事とかは 分からねぇだろ~な?」

「いやっつ!!!「花見」の件で気付いた人いるはずッッ!!!♡♡♡」

「ナオくん最高のアイディア過ぎるッッ!!!♡♡♡」

「あの嵯峨君の体で花見とかッッ!!!♡♡♡」

「あたし!拝観料5千円でも1万円でもッ喜んで出すわッ!!!♡♡♡」

「分かる!!最ッ高ッよねッ♡♡♡あの肉体美ッッ♡♡♡!!!」

「あ~~!ティッシュ取って~ッ!涙に鼻血にヨダレにッ!もう何もかんも出そう~~~ッッ♡♡♡」


一般人(連れ達)はフリーズしたが、漫研メンバーは 超ハイテンションで絶叫しつつ

連れ達に意見を求めようと顔を見て、一般人は青い顔をしているのに気付いて…ハッと我に返った。

「あっ…!あはは~…ごめ~ん…ね…?嵯峨君には言わないで……???」

「あ…はは…え?あの、なんで…嵯峨の体…知って…?るんですか……?」

「あ~それはね~、「べべ」さんのSNSに作品が載ってるからよっ?別に、嵯峨君には 直接接触はして無いからねッ⁈この前も言ったけどッッ!!!」

「あ…「べべ」さんて…バイト先の…神戸さんの事でしたよね?」

「そうそう!私達「べべ」さんのフォロワーだからさっ?作品通して!嵯峨君の御尊体を存じ上げてるわけよッ!!!♡♡♡」

「ご尊体って…え?嵯峨って…そんな良い体なの…???」

「ナオちゃんも、「超良い体」って言ってましたし…サラッと…」

「…言ってたな~…ビックリしたけど…それ以上にインパクトありまくりの話が続いたから…スルーしたけど…え?嵯峨はSNSに体 載せてるって事…?」

「そうそう!べべさんのSNSでね?顔無しで!だから今まで気付かなかったのぉ~~~ッ♡♡♡まさかッ あの御尊体が嵯峨君で、いつも こんな近くに居たとかッ!!!はぁ~~~…ヤバッ…♡♡♡」

「もう…あたし…今日から眠れないかも…!!!というかッ!!!意識しまくって昼に嵯峨君に会えないかもッッ!!!服の下がッ あの体とかッ♡♡♡」


「……え…あ…何で…顔出して無いのに…嵯峨って分かるんですか……?」

「あ~、今日、ナオくんが言ったでしょ?初めて会った日のボディーペイントの内容を。それに嵯峨君も 一番新しいのを「朝顔と夜顔」ってさ?」

「時期的にも、SNSで見た作品とピッタリ同じだし」

「嵯峨君はずっと、べべさんに協力してるから、もう何年も見てきてて、体見たら分かるのよ~~ッ!!!♡♡♡」


「あー…なるほど~?」

「え?それは…俺らも見れるんですか?嵯峨先輩の…」

「見れるよ~~~ッ♡♡♡拝見出来るよ~~~ッ♡♡♡べべさんのSNSに載ってるからぁ~~~ッ♡♡♡見るッ⁈いや、一生に一度は見るべき美しさよッ⁈♡♡♡」

「むしろ見てッ!!!話はそこからよッ!!!♡♡♡」

「もう、見て、共感して欲しいッ!!!♡♡♡そんでもって 同じ気持ちで語り合おうねッ♡♡♡」


「えっ…いや…同じ気持ちには……」

「男同士ですし…」

「いやいや、嵯峨君の体なら!俺でもドキッとするもん!!見てみて!!」

「え…あ…ハイ……」

「あ…じゃぁ…」


知人の体をSNSで見る…という何とも言えない感じとか…諸々 思う事はあったが…

このハイテンション集団に推され…若干の恐怖も感じつつ…

「じゃ~、まず、どっちにするっ⁈♡♡♡」

「え?どっち…って?」

「ナオくんが 初めて会った時のか~、一番最近のか~?」

「あー さっき言ってて 気になってたやつ~」

「せっかくだから、初めて会ったのから見ません?俺ら さっき ちょっと調べたし?尾長鶏とか~」

「確かに~!イメージ通りかどうか見た~い!」

「OK !OK!!見てみて~~♡♡♡これぇ~~~ッ♡♡♡ナオくんの出会いのやつぅ~~~ッ♡♡♡」

「美し過ぎだから~~~ッ♡♡♡こりゃ~ナオ君も 一目惚れするわぁ~~~ッ♡♡♡」


そうして、各々 漫研メンバーがSNSを見せてくれると言うので…

「じっくり拝見した方が良いッ!!」と…

一人ずつ スマホを借りて見ることに…なった訳だ…。

「あ…はは…じゃ、ちょっとスマホを…嵯峨は どんなかな~……………⁈」

「嵯峨見るぞ~?なんつって~……………………⁈」

「嵯峨~失礼しま~……………………!!!」

「ナオちゃ~ん、俺らも 見ちゃいますよ~……………………!!!」

「ね?ねッ?♡♡♡めっちゃイイでしょッ♡♡♡嵯峨君の体ッ♡♡♡」

「美大のモデルとか 納得過ぎる~~~ッ♡♡♡」

「でさ~!ナオくんに「ヌードはダメ」ってッッ♡♡♡くううぅぅうう~~~ッ♡♡♡保護者としての注意ってのは分かってるんだけどぉぉおおぉぉお♡♡♡」

「分かるぅぅ~~~ッ♡♡♡分かっちゃいるんだけどおぉ~~~ッ♡♡♡こう…ねっ?♡♡♡独占欲的な妄想がぁあぁぁ……♡♡♡」

「マジそれよッ!!!よく耐えたわッ!!!あの場でッ!!!発狂せずにッ!!!あたしらは偉いッ!!!」

「は~っ!もぉ~~っ男から見ても、この体ヤバ~イ!♡この腸腰筋!!!エッロ!!!♡」

「マジでそれな~~~ッ!こんな体なりてぇ~~~ッ♡」


「あれ?感想は?」

「あたし達だけ喋ってるし」

「どう?嵯峨君の体は~?」

「え…へ…?え?これ嵯峨ですか…⁇」

「え???嵯峨…脱ぐと、こんななの…???ヤバくない???」

「え?嵯峨先輩マジか…エロ…エグ…」

「ナオちゃん…これは…憧れるし、好きになるかも…!」

まさかの美しい体に驚きまくり、フリーズしてる間に…

漫研メンバーは 更にパワーアップして行き……

「ヤバイよね~~~ッ♡♡♡」

「え?これ…今、図書館に居る 嵯峨の服めくったら…これって事…?」

「えっつ⁈何それっつ⁈あたし達も連れてってぇ~~~っつ!!!♡♡♡」

「あ…いや、しませんよッ⁈そんな事は…!ちょ…あ、あんまりにもイイ体過ぎて…信じられ無くて!そう言っただけなんでッ!」

「分かるわ…これ…え?これから…嵯峨を どんな目で見りゃいいわけ…?」

「えっつ⁈三角関係ッ⁈♡♡♡」

「いやいや!違いますけどッ!!!」

「そんなん…ナオくんからガードされるんじゃね?「逃さず守る」って言ってたしさ?」

「そうですね。え?やっぱ…ナオくんて 先輩の事 好きなのかな?お兄ちゃんみたいって言ってたけど…」

「ホント…でも…この体で…もしかして…顔も良い?とか?それに銭湯での一件もさ?男前…ですよね?言動が」

「それそれ!その対応もだけど!日本語的に曖昧だけどさ?お兄さん達に似てるって美形って事なのかなっ⁈♡♡♡それ完璧過ぎじゃないっ⁈⁈♡♡♡」

「うん…だから…「守る」って事なんですかね?顔もスタイルも良かったら…女子とか…色々来そうだし…?」

「あ~、あと、俺 思ったんですけど…今日、先輩は「はっ⁈」とかナオくんに言ってたけど…いつもボソボソ言ってるけど…あれ、ワザとじゃないです…?」

「あたしも思った~!まぁ、あのナオくんには本気で「はっ⁈」って言いたかったのは分かるけど…ちょっと…声色違ったよね?元々 声は低いけど…」

「あれ、たぶん普通に喋ったら…スゲー良い声な気がするんだけど…?」

「え?何?嵯峨…もしかして…スゲェ…ポテンシャル秘めてんの?んで、隠してるって事?何で?」

「漫研の漫画的意見としては~!イケメン過ぎて、モテ過ぎて面倒くさいから!という理由が一番に来るんだけど~!」

「あー…漫画では王道ですよね?メガネ取ったらイケメンとか…」

「なんか…あのナオくんの反応…女子…つーか…嵯峨以外には超塩対応になってるし?…もう嵯峨が美形説しか…考えられ無くなった…かも…」

「うん…でも、先輩って なんだかんだ言って 一番ナオちゃんの事 見てたし…反省すること多かったけど…悪いことしたな…って」

「厳しいようで…な?意外と面倒見がいいと言うか…神戸さんとか 美大の人の協力とかもしてるしな?意外と…優しくて懐深い…って合ってる?言葉」

「合ってる~!嵯峨君かぁ…めちゃくちゃ気になる存在なんだけど…ナオくん以外には 踏み込め無さそう…」

「そこっすよね~!つーか、ナオちゃんて…超肉食系???「お兄ちゃん」のカテゴリーみたいだけど…ガッツリ 外堀埋めて~とか、もう先輩をがっちりキープというか…他には 渡さない感じが…しない?俺だけ?そう思ってるの」

「分かる!そんな感じだって絶対!九州男児って言うか…家柄の影響か…つか、ナオくんも気になり過ぎだろ⁈何?あの新情報の数々……!!!」

「それな~!ちょっと…処理出来ないかも…」


「みんな…!理性がキレる前に言っとくね!私の漫画のせいで…嵯峨君には迷惑かけてるのは分かってるけど…今回の事で嵯峨君とナオくんはもっと、色々な人から注目されると思うから…出来る範囲が限られてるけど…2人を守って行こうと思う!卒アルとか…で嵯峨君 探す人とか多いと思うから…嵯峨君の情報は…内緒のままでさ?」


という、三ヶ尻先輩の部長らしく思いやりのある言葉に全員が「そうだな!」と一致団結したのも束の間……

理性がキレて、腐って無い人々には理解不能な(理解したくも無いけどな)言動と…

付いて行けない(行きたくも無い)テンションになり……

4限目があるので これで…と
やっとこさ、生還して…の状態の連れ2人の反応だったが…

知らぬが仏とは…この事だ。
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